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『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』  作者: もんじゃ
『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』
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第11話


 次の週の月曜日になり、先週と同様に昼休みに蛍を迎えに行き、連れ出して空き教室に行く。


 俺が袋からコンビニのパンを取り出すと、蛍はおずおずとカバンから大きなお弁当箱を取り出して


 「……先輩、もし良かったらお弁当食べますか?」


 少し不安げにこちらにお弁当箱を差し出す。


 「……これは蛍の弁当じゃないのか?」


 そう尋ねたら「……私の分はこちらにあります」といつもの小さなお弁当箱を取り出した。


 「……わざわざ用意してくれたのか?ありがたくいただくよ」


 そうお礼を言って受け取ったら蛍はちょっと恥ずかしがりながらも嬉しそうに笑った。


 「いただきます」


 お弁当を広げるととても綺麗にご飯やおかずが詰められていて感心した、そしてそのお弁当を俺が食べる様を不安げに見ている蛍。俺が一口食べ味わっていると。


 「……お口に合いませんか?」


 「いや、凄い美味いぞ。これ蛍が作ったのか?」


 「……はい」


 「蛍は良いお嫁さんになるぞ、たいしたもんだよ俺にはできん」


 蛍は真っ赤に照れながらも


 「……そんなもので良ければいつでも作ります」


 と言いながら自分もお弁当を食べ始めた。


 「そういえばもうすぐテストじゃないか?蛍は成績はどうなんだ?」


 「…………クラスで……5番目です」


 「クラスで5番目なら悪くないんじゃないか?」


 「……クラスで下から5番目です……」


 少し恥ずかしそうに蛍が白状した。


 「……そうか、じゃ勉強見てやろうか?ゴールデンウィーク終わった後、放課後残って少し試験勉強してから帰ろうか?」


 「……はい、お願いします」


 蛍はいつもより大きな声で答えた。そんな話をしながらお弁当を完食し


 「美味しかった、ご馳走様です」


 蛍にお礼を言ってお弁当箱を今度洗って返すからって言うのだが私が家で洗いますからって蛍が掴んで放さなかった。


 「……先輩、また作ってきて良いですか?」


 「……ありがたいけど……大変じゃないか?」


 「……いえ、大丈夫です。練習にもなるので……」


 まぁ、今度お礼に材料費を多めに渡せば良いかなとその時は思っていた。

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