表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全力女王!~気高き幼女は死神に見捨てられたのか?~  作者: XI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/575

第85話 双子の近衛兵。

       ◆◆◆


 兄はニックス、弟はレックスという。

 二人が近衛兵の職に就いて、もう一年になる。

 頭には鉄兜、手には長槍といったふうにいかめしい姿ではあるものの、童顔だ。

 実にかわいらしい面立ちなのだ。


 自らの直属であるにもかかわらず、スフィーダは二人のことをあまり知らない。

 まだ十九歳だと聞いた覚えがあるくらいである。

 仕事だから当たり前のこととはいえ、いつも勤勉に働いてくれているわけだ。

 もう少し親睦を深めておいてもよいだろう。


 そう考え、スフィーダは一日の終わりに、二人に来てもらった。

 彼らはいつも通りそれぞれ赤絨毯の外に立ち、ビシッと気をつけをした。

 彼女から見て左にいるのがニックス、右にいるのがレックスだ。


「もう業務は終わったのじゃ。楽にしてよいぞ」


 すると二人は「はっ!」と声を揃えた。

 しかし、彼らは直立不動の姿勢を崩さない。

 まあ、話をするにあたっては問題がないので、改めて口を利くことにする。


「今の仕事は好きか?」


 二人は顔を見合わせた。

 アイコンタクトでもしたのだろう。

 ニックスが大きな声で「好きです!」と答えた。

 彼がスピーカーを務めるらしい。


「恋人はいるのか?」

「おりません!」

「おらんのか?」

「はい! しかし、妻がいます!」

「おぉ、そういうことか」

「はい!」

「レックスはどうなのじゃ?」

「私も結婚しています!」

「二人とも、若いのに甲斐性があるのぅ」


 素直に感心したスフィーダである。


 ニックスが「ちなみに、私達の妻も双子です!」と言った。


「ほぅ。そうなのか」

「はい! 私は姉と、弟は妹と結婚しました!」

「どこで知り合ったのじゃ?」

「合コンです!」

「ごごご、合コン!?」

「陛下は合コンをご存じなんですね!」

「ヨシュアに聞かされたことがあっての。そうか。合コンか……」

「いけませんか!」

「い、いや、いかんということはないぞ」


 意外だった。

 二人とも、もっと堅物だろうと思っていたからである。

 それとも、合コンをチャラい社交場だと捉える価値観が古いのだろうか。


「して、そうじゃな、たとえば、近衛兵の給料はよいのか?」

「たくさんいただいています! 一般的な兵より多いです!」

「まあ、なんてったって近衛兵なのじゃから、それも当然か」

「はい! なりたいニンゲンは少なくありません!」

「エリートなのじゃな」

「そうかもしれませんが、謙虚でありたいです!」

「立派な考え方じゃ」

「ありがとうございます! 陛下! 一つ、お伺いしたいことがあります!」

「なんでも申してみるがよいぞ」

「私と弟の日々の働きぶりは、いかがですか!」

「いかがですかというのは、どう感じておるのかということか?」

「そうです!」

「体幹が強そうで心強い。背筋が伸びていて気持ちがよい。よって頼りがいがある。そんなところじゃな」

「ありがとうございます!」

「最後に問いたい。そもそもどうして近衛兵を志したのじゃ?」

「誰よりも近くで陛下をお守りしたいと思ったからです!」


 真正面からそう言われると、胸にじーんと響くというものだ。

 スフィーダ、思わず目に涙をためたくらいである。


「ずっとお仕えしたいです!」


 そう声を揃えられると、もう無理。

 目尻から涙が伝った。

 歳のせいか、スフィーダの涙腺は非常に緩くなってしまっているのだ。


 指でごしごしと涙を拭いながら、「これからも一生懸命に励んでほしい」と言うのが精一杯。


 双子の近衛兵は、やはり「はい!」と元気な返事を寄越してくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 爽やか双子キャラ!!(*´∇`*) イイですね~♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ