表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全力女王!~気高き幼女は死神に見捨てられたのか?~  作者: XI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/575

第67話 まあ、見てなよ。

       ◆◆◆


 着古した感のある黒いカラーレスジャケット。

 タイトなカーキ色のズボン。

 赤い髪。

 赤い瞳。


 ケイオスは悠然と歩いてくる。

 彼にはヒトを惹きつけるオーラがある。

 なにかやってくれる。

 そんな雰囲気をまとっているのだ。


 立礼したケイオスが「座っていい?」と訊ねてきたので、スフィーダは「うむ。よいぞ」と答えた。

 彼は背もたれを前にして、椅子にまたがった。


「ケイオスよ、どうして呼び出したか、見当はつくか?」

「たとえば、テストが決まったとか?」

「そういうことじゃ」

「よっし。やったね!」


 両手でガッツポーズを作ったケイオス。

 やはり二十歳という年齢より、ずいぶんと幼く映る。


 ヨシュアに「吸血鬼退治ですよ」と告げられたのを受け、ケイオスは「へぇ。それはなかなか難易度が高そうだなあ」と、あっけらかんと言ったのだった。


「やれますか?」

「やらなきゃ、治安部隊に入れてもらえないんでしょ?」

「ええ」

「場所は?」

「イリュー州です」

「えっ、イリューなの?」

「そうです。貴方が悪さを働いていた土地です」

「悪さって、まあ、客観的に見ればそうかもしれないけど」

「ハエン県ですよ」

「ハエンかぁ。でも、吸血鬼が出たなんて聞いたことがないなぁ」

「そうなんですか?」

「イリューは広いから。で、詳しい場所は? たとえば、奴さんの寝床は割れてるの?」

「現地に行けば、自然とわかるのでは?」

「まあ、そうだね。それなりに騒ぎになってるだろうから」

「カレン・バハナ氏からの、直々のお願い事です」

「バハナ? ああ。旧領主さんの家? そのカレンさんは今、なにをやってるの?」

「州の親善大使です。貴方は世事に疎いようですね」

「ぶっちゃけちゃうと、幾分ね。なにせ、個人主義者だから」

「個人主義者が盗賊団のリーダーを?」

「自分がそれを望まずとも、ヒトには相応の器がある。これって持論」

「確認です。移送法陣は使えますか?」

「言ったよ? 空を飛べるだけだって」

「なら、吸血鬼に挑んだが最後、とんずらをこくことはできないですね」

「そうなるね」


 ヨシュアのまっすぐな視線を、ケイオスは真っ向から受け止める。

 不敵な笑みすら浮かべて。


「カレン氏を待たせています。いい結果が得られるまで、彼女はここ、アルネに留まるつもりでいます」

「可及的速やかに、みやげを持たせてあげたいってわけだね?」

「そういうことです。貴方が失敗した場合を考えて、念のため、討伐隊を編成しておくことにします」

「そんなの、要らないと思うよ?」

「結果で示しなさい」

「オーライ。リミットは?」

「五日、差し上げます。じゅうぶんでしょう?」

「じゅうぶんだね。だから、三日でいいよって言っとく」

「いいんですか?」

「訂正はしない。男だからね」

「口だけではないことを祈っていますよ」

「もう行っていい?」

「ええ。この瞬間から三日です」

「了解。まあ、見てなよ」


 立ち上がったケイオス。

 彼はぺこりと頭を下げてみせた。

 ジャケットのサイドポケットに手を突っ込んで、向こうへと歩いてゆく。

 やがて大扉の先へと消えた。


「ヨシュアよ、ケイオスはやれると思うか?」

「陛下はどうお考えなのですか?」

「質問に質問で返すでない」

「失礼いたしました」

「しくじるイコール死、なんじゃがな」

「虚勢を張っているようには見えません」

「わしもそう思う」

「ですが、自信があるからといって、吸血鬼に勝てるかどうかはわからない」

「その点も同感じゃ。フツウのニンゲン一人で狩れるほど、吸血鬼は弱くないはずじゃ。無論、わしはケイオスの帰還を望んでおるがの」

「くどいようですが、死んだら死んだで、そこまでの男だということです」

「ドライじゃのぅ。よくないぞ」

「改善いたします」

「嘘をつけ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いい! ケイオス好きです!! お土産を期待しちゃうな~♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ