別れ
葬式が終わり、私は学校にも行かず、朝ごはんの用意、そして、お兄ちゃんのお弁当など母さんがいつもしていたことをした。だけど、お兄ちゃんとは、もう何日も話していない。それを数日繰り返していた。そんなある日、ごみ出しに外に出ると、知らない男の人がいた。「雲母美羽様ですね。」「さま?え、あの.....私になにか用ですか?」「私は、あなたのお爺様の秘書をしています。斎藤といいます。」「お爺ちゃん?私には、お爺ちゃんはいないはずですよ。」「そう教えられていたんですね....」『ん?どうゆうこと?』「あの、どうゆうことなんですか?詳しく聞かせてください。」「あなたのお母さんは、元々、芸能事務所の社長令嬢でした。しかし、あなたのお父さん、直哉さんと駆け落ちしたのです。」「駆け落ち?なんですかそれ」「ああ、美羽様はまだ小学三年生でしたね。」「はい、」「駆け落ちとは、簡単に言うと好きな人と一緒に家を出ることです。」「あ、はい、わかりました。」「そして、駆け落ちをした二人はこちらから行方が分かりませんでした。しかし、お二人とも亡くなったこととの情報を得ました。そして、あなた様とお兄様のことについても、調べさせて頂きました。そして、いまここにいるのです。........えっと、今までの話、お分かりになられましたか?」「はい。」「そうですか、美羽様は大変優秀でいらっしゃいますね。素晴らしいです。」「ありがとうございます。」『一応分かったけど、なんだかよくわからないな。』母さんが色々なことを教えてくれたから、大体の難しい言葉はわかっていた。「で、結局なにをしに来られたんですか?」「あ、はい。実は社長…あなた様のお爺様が、あなた様と敬翔様に会わせろと言っておられまして。私はお二人を迎えに来たのです。」 「なるほど、でもお兄ちゃんはまだ帰って来ませんよ?学校なので。」「はい、分かっています。他の者が敬翔様の学校に向かいました。なので車に乗ってくださいますか?」「はい、わかりました。行きましょう。」
言い忘れていたけどお兄ちゃんの名前は雲母敬翔だ。私の4つ年上で、今中学1年生、最近こっそり見た成績表は常に全部5だった。まさに、完璧なお兄ちゃんだ。で、お兄ちゃんとは母さんが死んでから一言も口を聞いていない。もしかしたら、もう話せないかもと思っていたところだった。
「美羽様、着きました。」「はい、ありがとうございます。」『うわ、なにこの大きなビル!』「ご案内します。」「あ、はい。お願いします。」そこは、見た事のない、それはそれは大きなビルだった。周りのビルを遥かに超えていた。
コンッコンッ、「誰だ?」「斎藤です。美羽様をお連れしました。」「そうか、はいれ。」「はい。」カチャ……扉を開けられるとそこにはお兄ちゃんとお爺ちゃんらしき人が高そうなソファに座っていた。「おぉ!君が美羽だな。よく来た、座ってくれ。」『あれ?想像してたよりも優しそうな人だ。』「はい。」私はお兄ちゃんとは離れた位置に座った。「………よし、じゃあ話をしよう。美羽、敬翔、二人は私の孫だ。使いの者から大体のことを聞いて勘づいただろうが、一緒にくらさないか?」「僕は構わないですよ。」「おぉ、そうか!美羽はどうだ?」お兄ちゃんがこっちをチラッと見た「えっと……お兄ちゃんがいいなら。」「そうか!じゃあ決まりだな!美羽!」「はい」『ちょっとこのテンションは苦手かも……』「美羽の将来の夢は何だ?敬翔は医師になりたいらしくてな。美羽は何になりたいんだ?」『え?医師?お兄ちゃんお医者さんになりたいの?知らなかった。』私は絵を書くのが好きだった。だから、画家になりたかっただけど……「私は…特になりたいものはありません。」「そうなのか?まあ、美羽はまだ小学3年だしな。そこでだ!美羽、うちの会社の女優としてデビューしてくれないか?」「え?」「もちろんすぐにとは言わん!色々な習い事、そして芝居の練習、他にもすることはいっぱいある。何年かかるかわからない、けど美羽にどうしてもデビューしてほしいんだ!」『すごい必死な顔……なんでかは分からないけど理由があるんだろうな』初めは言おうとした。私は画家になりたいんだって。でも、お兄ちゃんの目が私の言葉を消した。「あ………はい。もう今の学校にも行きたくないし、やりたいこともないので、いいですよ!」と私は笑顔で言った。
お爺ちゃんは私のデビューのために色んな習い事をすると言った。その習い事をするのにアメリカに行かなければならないということを聞いた。私は一瞬戸惑ったが、もういいやと思ってOKした。アメリカには私とお付の人で行って現地で私のお世話係などを紹介するということだった。アメリカに行く日の朝に学校のみんなにお別れをいいなさいとお爺ちゃんに言われたので、みんなが席について先生が話す朝の会の時にお付の人と一緒に学校に行ってお別れを言うと学校の先生と約束をした。
ーアメリカに行く日(結翔とお別れの日)ー
「美羽様ご準備出来ましたでしょうか。」「はい。」「では行きましょう。」この時私は何を言おうか考えていた。でも、浮かび上がるのは怒りだけだ。なら、思いをそのまんまぶつけようと思った。「美羽様、いいかげん私どもに敬語を使われるのはお辞めになってください。」「えぇ、わかったわ。でも、私は決してあなた達を見下してはいないからね!」『いくら何でもおかしすぎる。けど、そうしないとこの人達はあとでしかられるんだものね。』「はい。ありがとうございます。美羽様………」
「皆さんおはようございます!」『 おはようございます!!』「今日も元気がいいですね!………今日はある人からみんなにお話があります。ちゃんと聞いてくださいね。」ざわつく教室、私はドアの外にいた。((コソッ))「あの……やっぱり私………」「美羽様?約束は守らなければいけません。私も付いてみなさんの前に出ますので、美羽様は堂々としてください。さっき私にして下さったみたいに。」『えっ、気づいて………』「はい。」私は心を決め、みんなの前に出た。みんなが静まりかえって女子の中心の咲ちゃんが私に話かけてきた。「美羽ちゃんじゃん。話ってなに?あと、その横のおじちゃんだれ?」「あなたには関係ない。」「は?何言ってんの?」((コソッ))「ちょっとっ、美羽様??」「しっ、黙っててください。」「何こそこそ言ってんのよ!」咲ちゃんはふでばこを私になげた。「む、村瀬さん?落ち着いて聞いてください!雲母さんが話をするんです!」「先生、ありがとうございます。」「いえ。」「話と言うのは、私がアメリカの学校に行くことになったって言う話。私的にはここにきたくなかったけど約束したからね。だから、はっきり言わせてもらうわ!咲ちゃん、そしてほかのみんな、私はみんなが憎い。意味がわかる人もいればわからない人もいると思うけどどっちでもいい。私はあなた達を許さないから。じゃあね、この二年間ありがと。それだけ言っておくわ。…先生ありがとうございました。お世話になりました。さよなら。 」 ガシャン 「 さあ、行きましょう。アメリカに。」そうして、私はみんなに 別れを告げ、アメリカに旅立った。




