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名無――ナナ


 神はヒトの形をしていないのに、どうしてヒトの間で語り継がれる神様というやつは、ヒトの形をしているのだろう。


 初めて神を目の当たりにしたとき、ナナが抱いた疑問だった。実際の神は輪郭が曖昧で、色も、髪も、肌も無い。性別も。認識しづらい姿をしている。認識しづらい。それなのに何故、ヒトの間で神の存在が伝えられているのか。


 神は言った。かつて自分が書いた作品が理由だと。ヒトが文字を読めるようになった頃、各地に神話を投下したのだと。中でもギリシャ神話が一番の傑作だという。


 神の趣味は小説の執筆。創作活動の材料にするためだけに、課せられた七日で世界を創造するというミッションを達成した後、二日で地球を創造した。


「誰に課せられたんですか?」


 ナナは問うた。神は言葉を返す代わりに虚無が広がる白を仰いだ。その瞬間、ナナは神の使いになった。どう足掻いてもヒトの手が届かないところにある真実を知ったのだ。知ってしまったからにはヒトに戻ることはできないだろう。そもそも神がナナを手離さない。


 今回は水島 直子、君山 唯香、立野たての蒼大そうだい。彼らの人生に潜ることになった。

 ヒトが大好きな神のため、神のお気に召す人生を見せるのだ。ナナ自身、その行為自体に何の意味も見出していない。インプットがどうだこうだと言っていたが、恐らく神も同じだろう。そうしてナナはもう一度ヒトになる。


神は七日で世界を創造した。地球はその ついで 。





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