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夢の中から落っこちて・・・   作者: 東山紗知子
一章 落ちてきた私
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8.男たちの懸念

主人公が寝込んでしまった後のお話です。


「オイオイ、泣くどころかひっくり返ったって? どんな説明したんだよ」 朗が呆れた様に言う。


夕方になって帰ってきた男たちが居間に集まって晩酌をしていた。


「事実を伝えただけだよ。 彼女にとっては不幸なことだけど、言わないわけにはいかないだろう。

今後ここで暮らすしかないのだから、早めに状況を理解したほうが良いと思ったんだよ。

 それに転移の影響で体調もまだ万全じゃないだろうし、私の話の所為だけじゃないと思うよ」

蒼聖が気まずそうな表情を浮かべる。


「それはそうだけど、もう少しソフトに言ったほうが良かったんじゃない? 蒼さんは何でもはっきり言い過ぎるから。彼女、大丈夫かな」 歩が心配そうな顔をする。


「皆、私に押し付けて行ったのじゃなかったかい。 私に若い女性のあしらいを求められても困るよ。あまり得意ではないのだから」


 蒼聖は眉を寄せた。 蒼聖にとって大半の女性は扱い難く、心情的に理解不能な生き物だ。 特に自分の容姿に自信のある女性は妙な勘違いと行動力で、色々と面倒なことになりやすい。

なので仕事上でもなるべく近づかないようにしていた。


「まあ、思っていたより年は上なのは助かったけどよ。これから色々大変だぞ。大丈夫かよ。 あいつ、どう見ても気が強そうには見えねえぞ」


「どうにもできないのだから、慣れてもらうしかないね。 彼女はとても綺麗な魂を持ってはいるけれど、普通の人間だ。 狭間を抜けることはできないよ」


「蒼さんでも戻すのは無理?」 


「送り出すことは可能だ。だけど受け手がいないんじゃどうしようもない。 彼女が自力で自分の世界を探し出すことは難しいし、その時間身体がもたない。 次元の狭間でおそらく分離して消滅するだろう。


 今回にしても、よくも生きたまま移ってこられたと感心するよ。 異空孔を通ったにしても、ほかの場所に出ていたら無事じゃ済まなかったからね。 

おそらくここの近くに出たから異物として屋敷に引き寄せられたのだろう。 それでも奇跡だよ。」


「そうかー。不幸中の幸いだったんだね」


「まあ、富貴恵さんが面倒を引き受けてくれたから、今後のことは相談しながらゆっくり進めるよ」


「俺は女と子供に泣かれるのが一番苦手なんだがなぁ」 朗がぼやく。


「そんなの、俺だってそうだよ。早く慣れてくれるといいけど」



 男三人はそろってため息をついた。

今後住人達(ほぼ全員男)が密談することが多くなります。取り扱いの面倒な主人公の所為です。


本日は読んで下さってありがとうございます。

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