第二章 The angel who found it
公園の池のあたりを歩いていると、先を急ぐ女がいた。
「すみません」
「はい?」
女は、ちょっと驚いた声で答えた。
「あなたは天使?」
「何を言ってるの?おかしな子」
女はそのまま通り過ぎようと、私の横を通った。が。
月明かりを浴びて、キラリと銀のナイフが光った。
ザシュッ!
女の腹部を深々と、ナイフで刺した。
女はその場に倒れた。
返り血を浴びた服は、真っ赤に染まっていた。
私は笑みを浮かべると、呟くように言った。
「早く出てこないかなぁ。私の可愛い、可愛い、天使ちゃん♪」
そのまま、夜の道を歩き続けた。
どこまでも、どこまでも歩いた。その途中に人とすれ違う。
聞く、殺すの繰り返し。
疲れたわけでもなく、どこかのベンチに腰をおろした。
低く笑う、私の声が夜の闇に吸い込まれていった。
「何やってんの、こんなとこで」
誰かに声を掛けられた。
前を見ると、13歳ぐらいの女が立っていた。
私は笑みを見せた。
「何も」
「気をつけろよ。ここらへん、物騒だからさ」
「物騒?」
笑みを造ったまま、聞いた。
「殺人鬼がうろついてるんだと。アンタも殺されないようにな」
男口調で女が答えた。
そのまま、そいつは、夜の闇の中に消えていった。
そいつが消えた後、私は呟いた。
「見ィつけたぁ♪」
一昨日から探していた、私の求めるもの。
〃天使〃を見つけた・・・・・・・