002.喫茶店 隠れ家/ガワ制作
人の名前しかり店の名前然り名前って結構決めるの難しいと実感する。
誰かオラに語彙力とネーミングセンスを分けてくれ
「くあぁーっ…」
学校からの帰り道、俺はあくびをかみ殺す。今日の古典の授業は怠かった。古典の荻沼T(TはティーチャーのT)は呪文の使い手(笑)だ。耐性値上げを行っていないとすぐに状態異常:睡眠になってしまう。おそるべし荻沼…。
「…ここどこだ?」
明日からのご飯の献立をざっくり考えてたところ、気が付いたら迷子になっていた。右を老紳士風のおじさんが通る。地味にキャラ濃いな。スマホを取り出しマップを見ると通学路をすこしそれたところのようだ。まだ引っ越ししてから一か月経っていないためさすがに体が道を覚えているわけでもないため、まぁ迷うよな。
「えーっと…こっちか」
マップを見ながら通学路に戻る。やっぱ文明の利器は偉大だよなぁ。俺が今使っているのはりんごマークではなくネットでオンボロ呼ばわりされてる方だ。画面は大きいがカバーで遊ぶことが出来ない。規格が統一されてないからね仕方ないね(泣)。
「なんだここおしゃれ。タマゲタナァ」
おっとちょっと内なる夢が漏れ出たようだ。スラングとしては知ってるが実際に見たことはないんだよなぁ…。親がいると見づらいし一人だと他のやつを見てまうからな。
閑話休題。
俺が見つけたのはカフェである。それも陽キャ女子が集まってキャピキャピ(死語)してる感じではなく、いわゆる路地裏を通り抜けた先にある落ち着いた喫茶店のイメージが近い。いやまあここも路地裏みたいなものだが。
「…寄ってみるか。バイト募集とかあるかな」
一昨日の風呂で呟いたことを思い出しながら喫茶店に入る。看板には「喫茶店 溜り場」とある。うん、シンプル。
カランカラ〜ン♪
心地よさを感じる鈴の音を聴きながら、俺は店内を見渡す。イメージ通りの落ち着いたカフェだった。でも少しバーのような雰囲気もあるような。それもなんだか心地よい。これは確かに溜り場だわ。カウンター席が4つ、4人、2人、1人のテーブルがそれぞれ2つづつ。結構広いな。しかし誰も来ていないようだ。マスターであろう人物が1人カップを磨いている。
「いらっしゃい。…おや、見ない顔だね。その制服…なるほど、新入生。もうそんな時期か…。」
「どうも、迷子になってきました。」
「はは、引っ越してきたばかりかい。いいね、サービスしてあげよう」
ありがたいことにサービスとしてブラックコーヒーコーヒーを1杯もらえた。ソロ席に座り、荷物を置いてそれを飲む。そうした瞬間、時が止まったかのような衝撃を覚えた。美味しい。なにこれ美味しい。程よい酸味があり、後味がすっきりとしている。そのまますぐ飲み干してしまった。熱いのに。俺は猫舌なため熱いものはなかなか飲めないのだが、これはすーっと飲んでしまった。
「気に入ってくれたようだね」
「はい、とても美味しいです」
…バ先、ここいいかもしれない。落ち着いた雰囲気の喫茶店、優しそうなマスター、美味しいコーヒー…。ここバイト募集やってるかな。
「よいしょっと」
新しくもう1杯、今度はカフェオレを頼み、ポケットからスマホを取り出し、某元青い鳥を開く。ふぉるて氏の抽選結果が今日あたりに出るらしいのだ。…DMが来てる!?
DMを開くとそこには−−
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ふぉるてるて:おめおめ、あなたは当選したよ
ふぉるてるて:とりあえず具体的な案を教えてね
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
うわぁ…(喜びのあまり語彙力を失う)
まさか本当に当たるとは思っていなかったため、つい口に含んでいたカフェオレを吹き出すところだった。セーフセーフ。それにしてもいやマジか…。どんなのにしようか。まぁ家に帰ってから考えるか。そして俺はカフェオレを飲み切り、帰る用意をする。
と、帰る前に。
「あのーマスター」
「?どうしたんだい?」
「ここってバイト雇ってますか?」
「うーんと今は2人だね」
「ここでバイト出来ませんか?」
そう、バイトである。これから出費が重なるため、バイトはしたい。できるかなぁ…。
「ふーむ……………いいよ」
「本当ですか!?」
「でも一応履歴書的なのとか学校からの許可を得てね」
「了解です!」
やったぜ。収入源獲得。俺は心のなかでガッツポーズをする。その後俺はマスターから「履歴書的なもの」の紙を貰い、店を出た。
◆◆◆◆◆
家に帰り、色々終わらしてあとはもう寝るだけとなった。でもまだやるべきことがある。そう、立ち絵のイメージ作成である。しかし、僕はいかんせん絵を描くのが苦手である。中学の時はずっと3だった。先生曰く、「色を使う感覚が噛み合ったときと噛み合ってないときの落差が冗談みたいにひどい」とのこと。確かに色は苦手だ。
ちなみに姉は美大に入っていて、目標はアニメのイラストレーターらしい。ぜひとも頑張っていただいて芸能界と繋がりを作っていただきたいものである。
と言うのは置いといて。どうしようかと悩んだ末、1度ざっくりキャラクリをしてみることにした。リアルで。幸い化粧もできるので割と行けるものである。イメージにあう色のウィッグは持ってなかったので無しである。
ストーリー的な方だけのキャラクリなので意外と楽だった。技能値?そんなもんVは=中の人だから設定しないよ。
そして出来上がったものを写真にとって、再現出来なかった部分に注釈を入れ、ふぉるて氏に送った。ちなみに僕の元青い鳥での名前は霖である。由来は名字。そして帰ってきた返答は…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
霖:とりあえずこんなもんでお願いしたいです
写真.jpeg 注釈&設定.txt
ふぉるてるて:ほいほい
ふぉるてるて:いやめっちゃ美少女だね君…
ふぉるてるて:そんなにホイホイ写真をネットに送るんじゃないよ
霖:あのボク男です
ふぉるてるて:まっさかぁそんなの嘘でしょ
ふぉるてるて:えマジ!?
ふぉるてるて:声は!?
霖:これでいいですか?
男の娘っぽい、ショタっ気のある中性ボイス.wav
ふぉるてるて:…いや女子でしょ。どっからどう考えても女子でしょ…
霖:いや男子です
ふぉるてるて:そっかー…
ふぉるてるて:おk読み切った
ふぉるてるて:面白そうだからガチるわ
ふぉるてるて:取り敢えず通話で設定詰めようか
ふぉるてるて:discord教えて
霖:ちょいとお待ち下さい
霖:出来ました ※※※※※※※※
ふぉるてるて:おっけ
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そう、今回のキャラは男の娘である。理由は炎上がしづらそうだから、それだけ。ちなみに一人称はボクとなる。
その後、discordで通話を開く。すると、スピーカーから女性の声が聞こえる。ふぉるて氏だ。
『あー、あー、テステス。マイクテスマイクテス。もしも
しー』
「マイクテスト長いですね。もしもし、霖、もとい寝子鳴紺音です」
ボクはさっき作った新しいキャラ「寝子鳴紺音」で対応する。うん、これがこれから創るVの名前だ。
『やっぱり女の子でしょそれ…』
「いや、男ですよ。ほら」
「ほら」の部分だけ俺の声にし、しっかり男というのを認識してもらおうとする。
『!?男声上手いね』
「それほどでも…いや男って言いましたよね?」
(危ない危ない、こっちの声もまず作ってるものだからつい反応してまった…)
『ごめんごめん、雄んなの子ね…っていうネタは置いといて。さて、どういう方向に持っていきましょうね?』
「うーん…。素が割と突っ込み、もしくは傍観者気質なので落ち着いた雰囲気で」
『おっけおっけ、髪色とかはあの設定資料集にあったやつでいいよね?あと差分も』
「はい、まぁ設定に基づいたやつはあまり使わなそうですが」
『いやいや、アレはあの世界だと結構あるあるよ?』
「本当ですか…。とまあ、あとはウィッグですね。もし素顔が出ても良いような対策をしますので、出来ればいい感じのウィッグを売っているところを教えていただきたいんですが…。貴女よくコスしてますよね?」
この絵師、自分自身の素材がいいことを理解しているため、よくコスをしているのをネットで見かけるのである。というかコス状態でコミケに行く絵師ってなかなか居ないんじゃないだろうか。
『せやねー。こことかかな?』
そうして通販サイトのURLが送られてくる。一応黒髪ロングのものは持っているが今回は使えないため、新しいものを買うことにする。うん、小さい頃から女装してたらこういうものに躊躇いとか恥じらいなんて消え失せるものだよ。下着然り。
「ありがとうございます」
『いえいえ〜。面白そうだからね』
「面白そうで本来片手間でやるはずだったものを全力でやることにするって凄いですよね…」
『こんな仕事だからね。楽しんで出来る依頼が来たらしっかりやりたいんよ』
「成る程です」
そんな感じで通話し、その後1:30を過ぎたところでお開きとなった。割と雑談だったがそれによって結構仲良くなれたため結構嬉しかった。
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ふぉるてるて@fortelte 1:45
企画で描いてる子結構いい子で話してて楽しい!
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この後続けるのが難しかったため時間を飛ばすためにここで投稿します