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#1始まり
朝になる、起きる、食べる、整える、歩く、勉強する、、、
これからの行動は大体分かってる。そんなものだ。なにも変わらないし、変えない。小学生の割に我ながら大人っぽいこと思ってる。ん?「大人っぽい」ってなんだ。そんなことを思いながら、いつも通り学校に着く。平凡と言われれば平凡だ。言われなくても平凡だ。そして、あの人がやってくる。
「颯くん、おはよ~」
こういう時は笑顔で「おはよう」と返すと決めている。
「おはよ、晴奈さん」
僕に話しかける数少ない女子の一人だ。孤立主義国家になりがちな自分を気にかけてくれてるのだろうか。いや、ちがうか。でも、感謝はしている。それなりに。
「颯くん、聞いて!学校に来る途中、黒猫がいたんだよ。可愛かったの。颯くんも見た?」
「いや、見なかったな。」
「そっか、見たかったでしょ。なかなかないのにな~」
いや、どうでもいいわ。と思いながら、教室までの廊下を二人で歩いていく。