第13話 いつまで寝てるの?
彩葉「悠ちゃん、そろそろ起きて。いつまで寝てるの?」
悠「ん〜?あと半日くらい?」
彩葉「そういう意味で聞いてないし、初っ端から長すぎるって。せめて5分とかじゃないの?」
悠「じゃあ5分。おやすみ〜。」
彩葉「おやすみ〜じゃなくて、起きてってば。」
悠「分かった。起きるよ、眠いけど。褒めて。」
彩葉「はいはい。えらいえらい。」
悠「雑いね…。って他のみんなは?夢オチ的な??」
彩葉「何言ってるの?ハイドさん達は予定を終わらせに行って、シン達はご飯を作りに行ったよ。ハイドさんが『ごめん、準備するの忘れてた。費用は私持ちで良いから好きにして。』って言って出かけてったよ。ハイドさんって、なんだかんだで抜けてるとこあるよね。」
悠「そうだね。言われてみれば私の部屋はこんなに広くなかったわ。ここまで来て夢オチとかないよね。さすがに。」
彩葉「話が噛み合ってない気がするけど、まだ寝惚けてる?」
悠「そうかも、ごめん。」
彩葉「いや、怒ってないから気にしないで。さっきの質問、どこに行ったか聞きたいんじゃなくて、私以外見当たらないから夢オチかもって思って聞いたの?」
悠「そそ。でも、私の部屋こんなに広くないなって思って。夢じゃないよねってなった。」
彩葉「その前に、私がいる時点で悠ちゃんの部屋じゃないでしょ。」
悠「お泊まりしてたっけなって思ってた。」
彩葉「お泊まりのハードルが低すぎる。」
悠「そうかな?私としては来てくれて構わないけどね。」
彩葉「弟くんやお母さんもいるんだし、悠ちゃんがいいって言ったからOKとはならないでしょ。」
悠「それは交渉次第だね。まあ夢じゃなくて良かったよ。せっかくの面白そうな展開が夢オチとか悲しいし。」
彩葉「そうだね。」
悠「それはそれとして、ご飯って何を作ってるの?何か聞いてたりする?」
彩葉「あ、それならさっき『食べたいものはありますか?材料さえ揃えば作りますよ。』ってコタツからメールあったよ。私は任せるって返したけど、悠ちゃんは食べたいものある?」
悠「コタツからスパダリな雰囲気を感じる…。私はおむすびとかかな。」
彩葉「りょ。送っとくね。あ、返信きた。」
悠「はやっ。」
彩葉「『中に入れる具材は何がいいですか?』だって。」
悠「鮭フレークと塩こんぶかな。」
彩葉「鮭じゃなくて、鮭フレークなんだね。」
悠「魚の骨、苦手なんだよね。どれだけ完璧に取れたと思っても、まだ残ってたりするじゃん。」
彩葉「なるほど。言われてみればそうかもね。鮭って比較的に骨が取りやすい方だと思うけど。送っとく。『承知しました。』だってさ。」
悠「だから早いって。」
その時、扉が開いてシン達が現れた。
コタツ「お待たせしました。」
悠「いや、早すぎない!?」
コタツ「彩葉さんに頼まれたので、そのように作ってきただけですが。」
彩葉「ドッキリ大成功だね。」
悠「どういうこと??」
コン「悠さんが食べたいと仰るものを予想して、それを用意してたんです。」
悠「なるほど、彩葉にはお見通しってことか。」
彩葉「いや、悠ちゃんが分かりやすいだけだと思うよ。コンビニに行って買うおむすびは大体鮭だし、学校でお弁当食べる時もわざわざ塩こんぶ持ってきてたし。」
悠「パッケージの見た目も合わさって更に目立つよねぇ。でも、塩こんぶは食べる時に合わせた方が美味しいんだよ。夏は熱中症対策にもなるし。」
彩葉「はぁ…。ちゃんと水分も摂ってね。塩分だけ取っても水分不足になっちゃうから。」
悠「はーい。」
シン「僕らが持ってきたのはそれだけじゃないけどね。」
そう言ってシンが見せたのは焼肉といなり寿司だった。
悠「めっちゃいいやん!量的に朝から食べるには多い気もするけど。」
彩葉「悠ちゃんが寝てただけでもうお昼だよ。どこまでも予想通りだよね。」
悠「さすが彩葉だね。」
彩葉「悠ちゃんが分かりやすいだけだよ。」
シン「話を聞く度にその発言の信憑性が上がっていくね。悠、見透かされてばかりだと、いつか嵌められることになるかもよ?」
悠「大丈夫、いざってなった時の対策は常日頃からちゃんとしてるから。まあ、彩葉に嵌められることは考えてないけどね。」
シン「そんな感じだといつか嵌められるだろうね。」
悠「それってフラグ?さっきのおむすび届くの早すぎドッキリの時点で嵌められてるって言っても過言じゃないけどね。」
シン「過言だよ。僕はその程度の小さな心配はしてないんだよ。」
悠「分かってるよ、冗談冗談。」
コタツ「長々と話をしていると冷めてしまうので、ハイドさん達を待ちつつお昼ご飯にしましょうか。」
彩葉「そうだね。ありがとう、準備してきてくれて。」
コタツ「いえいえ、お役に立てたなら良かったです。」
そんな感じで私達はのんびりお昼ご飯を食べた。




