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番外編 ハイドが魔王になった理由

今回はシンさん視点のお話です。この時期はまだ名無しの神様(多分)ですが、便宜上あった方が分かりやすいので、鉤括弧の前にシンと書いています。

これは悠や彩葉が異世界に行くちょっと前のお話。


シン「おひさー!遊びに来たよー。」

ハイド「いらっしゃい。…っていつも急に来るよね。事前にアポ取ってから行こうとかは思わない感じ?」

シン「だって大体いつでも暇でしょ?」

ハイド「あ〜、たしかに。とはならないからね?仮にも私、魔王様なんですけど!?」

シン「そっかー。じゃ、今は何してたの?」

ハイド「えっとねー、今日も我が国は平和だなぁって思ってお昼寝でもしよっかなって考えてた。」

シン「それを暇って言うんじゃないの?」

ハイド「いやいや、そんなことはないよ?なにかあったら動ける状態にはしてあるからね。」

シン「なにかあって呼びに来た人が君を起こす前提なのがダメだよね。」

ハイド「えー、文句言うなら帰ってくれていいんだよ?私だって寝る準備で忙しいんだから。」

シン「それを忙しいって言うのやめてもらっていいかな。それと、今日は用事があって来たんだよ。ここで帰るなら来た意味がないじゃんか。」

ハイド「はいはい。『今日は』だもんね。用事がなくても来る時があるから雑な扱いを受けることになるんだよ。しかも最近は急に来なくなったし。」

シン「いや、説明されたって雑な扱いを受けていることには納得出来ないからね?ってか自覚あったんだ。」

ハイド「まぁね。で、その用事ってなに?私の貴重なお昼寝の時間よりも大事?」

シン「『貴重な』って。さっき『今日も平和だし、お昼寝しよっかな』とかなんとか言ってたじゃん。今日もって言うなら、別に他の日でも寝れたりするんじゃないの?」

ハイド「知ってる?神様。人間って毎日睡眠する生き物なんだよ。」

シン「知ってる知ってる。なんなら夜の睡眠とお昼寝は別ってことも把握してるよ。」

ハイド「さっすがー。じゃ、分かるよね。お帰りはあちらです。」

シン「いや、ナチュラルに帰らせようとしないで。まだ来た目的すら話せてないんですけど。」

ハイド「それって私だけが聞く、でいいの?鈴も呼んだ方がいい?」

シン「君だけでいいよ。君が魔王になった理由を聞いてみたいなって思ったんだ。」

ハイド「なるほどね。話したことなかったっけ?」

シン「ないよ。」

ハイド「マジかぁ。話した気になってたわ。ってか、そんなの聞いてどうなるの?」

シン「んー、今後の参考になったりするかなーって思って。」

ハイド「そかそか!まぁ、いいや。魔王になった理由だよね。全部を完璧に覚えてるわけじゃないから話がふわふわするかもしれないけど、それでも良ければ話すよ。」

シン「全然構わないよ。そのつもりで来てるから。」

ハイド「りょーかい。じゃ、話すね。元々、私は勇者になろうとしてたんだ。でも、勇者って選ばれし者しかなれない。みたいなのがあるじゃん?私、選ばれなかったんだよね。」

シン「初耳の情報が多すぎてびっくりしてるんだけど。勇者と魔王って対極って感じしない?なんでそこから魔王になろうってなったの?」

ハイド「え、だってかっこよくない?魔王だよ?王様じゃん。勇者の次に憧れるよね。」

シン「そのノリで魔王になったの?大丈夫??トップがそれだったら国が滅んじゃいそうな気しかしないよ。そんな感じでなれたの?魔王。この世界大丈夫そ?」

ハイド「神様らしい規模の心配してるね。ってか、なれたから今ここにいるんじゃん?」

シン「それはそうなんだけど。なんて言ったらいいんだろうね。じゃあ、魔王になった経緯は?先代とバトルでもして勝ったの?」

ハイド「いや、先代に譲ってもらった。『え、代わってくれるの?ありがとー。』って言われた。」

シン「緩すぎない!?」

ハイド「まぁ、具体的に話すと、その後に『魔王になってどうしたいの?』とか、『国を背負う覚悟ある?』とかは聞かれたんだけどね。」

シン「そっちを一緒に話してくれないと不安になるよ。本当に。で、その質問への返答は?」

ハイド「一つ目が『今日を楽しめる世界にしたい』で、二つ目が『ない。1人で背負うものじゃないと思うから。』だね。なんかその返答が気に入ったらしく、あっさり譲ってくれたよ。今は先代さんは世界旅行に行ってる。」

シン「世界旅行って。エンジョイしてそうな響きだね。」

ハイド「そうだね。時々、手紙が送られてくるよ。今では文通友達って感じかな。」

シン「そっか。なんかいいね。やっぱり彼女達を連れてくるなら最初はここが良いかな。」

ハイド「ん?話の流れが読めなくなったんですが。」

シン「あー、ざっくり説明すると、今、新しく異世界転移させてみよっかなって子達がいててさ。どの世界にするか悩んでたんだよね。んで、やっぱりここが良いかなって思った。って感じ?」

ハイド「それって最近来れなかったことと関係してる?」

シン「そうだね。色々と手続きがあるからそれで忙しかったんだよ。でも、君の話を聞いてこの世界にすることにしたよ。」

ハイド「そかそか。私達もいつか、その子達に会えたりする?言っちゃえば後輩みたいなもんでしょ?気になるんだよね。」

シン「もちろん。最初にここに連れてくる予定だから仲良くしてあげてよ。きっと気が合うと思うんだよね。」

ハイド「りょーかい。楽しみにしてるね!」


そして、彼女達は出会うこととなった。

また番外編書いちゃいましたね。本編考えてると番外編ばっか思いついてくるんです。いつかそっちでも話を展開してそうな勢いです。次回こそ、本編書けると良いなって思ってます。ではまた、次回もお楽しみいただけますように!

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