第10話 雑談という名の誤魔化しタイム その2
悠「雑談って言っても、話をしようとすると思いつかなくなるよね。何か面白い話とかない?」
彩葉「面白い話って縛りを足すから余計に話しにくくなるんだよ、悠ちゃん。」
悠「いや、実際なんでもいい感はあるけど、時間にも限りがあるしなぁって思って。」
鈴「明日以降の予定もあるから、程々にして寝ないといけないからね。」
ハイド「じゃあ、それぞれ1つずつ話を挙げて悠ちゃんが興味を持った話をするとかどう?話題を決めておいた方がある程度話しやすくなるだろうし。」
悠「私は、さっき話した校長先生のお話で1カウントと捉えて、審査員役に徹するね。」
彩葉「早速1抜けた宣言するじゃん。」
シン「まあ、挙げる話を個人が話す内容じゃなくて、みんなに話させるようなことにしちゃえば巻き込めるんじゃない?」
コン「悠さんに決定権があるようにハイドさんが定めた時点で叶いにくくないですか?要するに、悠さんがそれを選ばなければいいわけですし。」
悠「さすがコンだね。私のことよく分かってる。」
彩葉「つまり、みんなに話させるような話で、悠ちゃんに興味を持たせられるようなお題を挙げればいいんだね。」
鈴「それぞれがお題形式のものを挙げれば強制で巻き込みが出来るようになるね。」
悠「なんだか負けた気分でちょっと悔しいな。考える側も楽しそうに思えてきたし。まあ、いいか。思いついた人からどうぞ。自由に話すと個々のターンが長引きそうだから、なにかしらのジャンルから選ぶタイプのお題でお願いします。」
ハイド「ポテチで好きな味は?」
シン「物語の結末、ハッピーエンドかバッドエンドどちらがいいか。」
鈴「犬派か猫派か。」
コン「付き合う相手に最も求める条件。」
コタツ「休みの日、外に出かけるか。家でのんびり過ごすか。」
彩葉「生まれ変わるなら何になりたいか。」
悠「これで全員かな。思った以上に内容がバラバラなのと、質問が予想外なやつが多かったな。好きな食べ物とか好きな色とかを言ってくるかなって思ってたんやけど。」
彩葉「自己紹介で聞くようなやつやん。」
ハイド「あれって、踏み込みすぎた内容は聞けないけど、気にしすぎると同じような質問ばかりになるから難しいよね。」
鈴「お姉ちゃんが珍しくまともっぽいこと言ってる。」
ハイド「せめて、まともっぽいじゃなくて、まともって言ってほしい。」
シン「珍しくって言われてるけど、それはいいの?」
ハイド「まあ、本当のことやし、しゃーないかなって。それよりさっきの話題の中でどれが選ばれるかの方が気になるかな。」
鈴「1つの話題に対してそれぞれが話すなら、どれか1つに決めた方がいいね。」
コタツ「選ばれなかったお題は没って感じですか?」
悠「いや、いつか設定資料集を書く時か、話の流れで出てくるまでお預けってなるかな。」
彩葉「設定資料集って…。」
シン「メタいってやつだね。」
悠「話したくない系の話題があれば、却下していこうと思ってたけど、それがないから、すごく決めにくいね。理由まで含めて話せないような、それこそ好きな食べ物は?とかだったら、設定資料集まで保留してもいいかなって思ってたのに…!ちょっと考える時間もらってもいいですか?」
ハイド「いいけど、更にメタいこと言ってたね。」
鈴「お姉ちゃん、これはツッコミせずにスルーするのが正解かもしれない。」
ハイド「りょーかい。」
悠「どれにするのかを決めるための参考程度に、なぜそのお題にしたのか聞いてもいい?」
コン「私はただの興味です。」
シン「だろうね。」
コタツ「同じく気になったからです。」
ハイド「私もただ気になっただけなんだよね。誰かからこだわりとか聞けたら面白いかな~ってのもあるけど。ってか、質問なんて気になったからとか興味を持ったから以外に理由あるの?」
鈴「私は全然思いつかなかったからありきたりなのでいいかって感じかな。」
彩葉「私は鈴さんと同じような決め方ですね。ありきたりな話題で、展開していけそうなやつって考えた時に思いついたからです。」
悠「あと理由を言ってないのはシンだけかな?締めにビシッとよろしく!」
シン「唐突な無茶振りだね!?今後の展開に繋がる伏線になったりしたら面白いかなって思って言ってみただけだよ。」
コタツ「今度はシンさんがメタ発言してますね。」
悠「なんか決めきるにはあとちょっと足りない感があるね。もう少しだけ悩ませて。」
そう言って、私はもう少しだけ決めるのを先延ばしにすることに成功した。
次回、挙がったお題の中からどれかについてのお話をそれぞれにしていただきます。なぜ、次回に先送りにするのかって?どの話題にするかを決めきれないからですね。ではでは、また次回もお楽しみいただけましたら幸いです。




