第七話 女子会 そのニ
シン達がいる移動しようとしてドアを開けるとすぐそこにシンとコンは立っていた。
悠「なんで、ここに2人がいるの?さっきそれぞれの部屋に移動していかなかった?」
コン「それはですね…。」
ハイド「まさか私達の話を盗み聞きしようと!?」
シン「してない!してないからね!?」
コン「そうです。私はそんなことしてません。ただ私が離れている間に悠さんに何かあったりしたらと思うと、別の部屋でのんびりってなれなかったんですよ。」
シン「今、『私は』って僕のこと除いたでしょ。ひどくない?僕は僕で急に室内に敵がワープで入ってきたりしたら危ないかなぁって思ってドアに耳を当ててただけだし。そしたら、ついでに話の内容が聞こえただけだし。」
鈴「盗み聞きをしてたことに変わりないんじゃ?」
シン「目的はそれじゃないから、セーフってことにしといて。」
彩葉「セーフってことにしないとセーフじゃないって捉えるとアウトだよね。」
悠「まぁ、私のタブレットを勝手に持ってくるくらいなんだし、そういうことがあっても今更驚かない感あるけどね。」
彩葉「そこ麻痺ってきちゃうと後々やらかす羽目になりそうだから、ダメなことはダメって思っとかないと。」
悠「それもそうか。じゃあダメだね。そういや、コタツとか騎士団の2人とかはどうしたの?一緒にいてたはずじゃ?」
コン「一旦客室の方へ行ってから、心配になってこちらに来たので後の3人は部屋に移動してると思いますよ。」
シン「コンがいきなり『お手洗いをお借りしてもいいですか?』なんて言って場所も聞かずに部屋から出ていったから、僕も察して着いてきたんだよ。」
コン「あぁ、そうだったんですか?コタツにはちゃんと事情を説明して『何人も同時にお手洗いに立つと不審がられて着いてきてしまうかもしれないから、ここで足止め役をするように。』と伝えてから来ていたのですが。」
シン「僕、そんなこと言われてないし、全く知らないんですけど?なんならトイレの場所知らないじゃんって思って騎士団長さんにトイレの場所を聞いてから追いかけてきたのに。外に出てから『そういえば、悠さん達がいる場所分からないな。』とか言い出すから付いてきてあげたのに。」
コン「そうですね、ご案内ありがとうございます。部屋に戻っててくれていいですよ。」
ハイド「態度キツいね!?」
鈴「それもそうなんだけど、なんでこの部屋が分かったの?ってのも聞いておくべきなんじゃない?」
悠「たしかに。どうやってここに来れたの?」
シン「ふらっとしばらく歩いてからそこら辺にいた『トイレに行ったら迷子になって、部屋に戻れなくなったんだけど、案内頼んでもいいかな?』って言ったらここまで連れてきてくれたよ。」
ハイド「ダウト。その言葉を素直に信じて魔王がいる場所まで連れてくるような奴を私は雇ってないですー。」
鈴「人事担当は私なんですけど。勝手にお姉ちゃんにドヤられてもって感じなんですけど?」
悠「私に嘘つくんだ?なるほど、そっかそっか。話せないようなことをしたんだ?」
シン「うぐっ…、反論出来ないのが辛いとこだね…。」
彩葉「嘘をついてまで話したがらないのが更に気になるし、言い淀んでるあたり碌なことじゃないんだろうな。って思えるのがなんか、うん。って感じだね。」
ハイド「ドン引きってやつだね。いいの?2人とも話さないままだと、本当のことより良くない想定をされたまま話が進むかもしれないよ?」
コン「シンが悠さんのタブレットにGPSを仕掛けてたからです。」
シン「話すの早くない!?ってかそれを話さない代わりにここまで連れてきてあげたんじゃん!」
コン「悠さんに私のことを勘違いされるよりマシです。」
ハイド「優先順位がはっきりしてるね〜。私はそういうスパッとした性格、良いと思うよ。」
鈴「すごくあっさり裏切られてるシンが不憫な気もするけど、本人が悪いから仕方ないかな。」
彩葉「私達が2人は喧嘩してるだろうと思って部屋に行こうとしてたくらいだし、ギスギスしてるのは予想通りな感じするけど、いつまでもこのままだと協力と出来ない気がするよね。」
悠「それは困るけど、コタツが仲裁してくれるだろうし大丈夫なんじゃない?」
彩葉「それはそうかも。じゃあとりあえずは気にしなくていいか。」
鈴「コタツくん、苦労しそうだね…。」
ハイド「その立ち位置を気に入ってそうな感じあるし、それはそれで良いんじゃないかな。嫌になったら彩葉ちゃんとかに相談するでしょ。」
鈴「このペースでギスギスされてると、そう遠くない未来な気がするけど。私達が気にかけても状況が変わるわけじゃないからいっか。」
悠「なんだか色々と心配なことを後回しにしちゃってるけど…。」
ハイド「私達の本来の目的から逸れっぱなしだから、それはさておきってことでいいんじゃない?」
彩葉「本来の目的…?」
鈴「忘れちゃってるじゃん。なんで部屋から出ようとしたのー?ってやつだよ、きっと。お姉ちゃんが言いたいことは。」
悠「なるほど。GPS事件のショックが大きすぎて忘れてたよ。その話を詰めるのはまた別の機会にってことにしておくとして、コン達がいてた客室でトランプゲームでもしないかって話になったんだけど、もちろん参加するよね?」
コン「悠さんが参加するのであれば。」
シン「僕も参加するよ。コンと対決する系のやつがいいな。さっきの枕投げ大会の決着として。」
コン「私が勝つに決まってるじゃないですか。構いませんよ。おあいこで止めておいてあげようという優しさをスルーするなら容赦なく打ちのめしてあげましょう。」
ハイド「…トランプでそんなバッチバチに戦えるタイプのゲームあったっけ?」
鈴「スピードとかでいいんじゃない?」
ハイド「天才じゃん、そうしよ。」
悠「でもあれ、2人用のゲームだし私達が待ちになっちゃいません?」
ハイド「安心して。トランプもいくつか持ってるから、別のを使って7並べでもしようよ。」
彩葉「いいですね。ってか枕投げ大会の時の枕とか今回のトランプとか、望めばあるって環境すごいなって。」
鈴「枕は発注ミスだから別だけど、ゲーム関連のものは私達がゲーム好きだからってのと用意しておかないと不機嫌になる人がいるからって感じかな。」
悠「なるほど?」
そういや、コタツや騎士団の2人ずっと待機だよな。特にコタツとか気まずかったりして。とか考えつつ、私達は改めて客室へ移動していった。
昨日投稿予定だったのに、投稿出来ませんでした。そして、今日こそとか思ってたのにお昼寝をガッツリしてしまってめっちゃ遅くなってしまいました。予約投稿、設定しておけば良かったかな。次回こそ出来るようにしておきます。と言いつつ、また忘れてそうな私…。自分に対する信用度が落ちてってるなぁと最近よく思います。次回はトランプでゲームをするとことかですかね。投稿予定日は8/26です。遅れたら申し訳ないです。一応投稿日に決まりはありますが、時々ズレてるんですよね。気長にのんびり待っていただければと思います。