表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/32

小川のせせらぎで故郷を見る


 身体が浮かんでいる。

 青い惑星の丸みが目の前にあった。

 何をしていたんだか……。


 人々が暗闇に投げ出されている。ほとんど意識がないものが多いらしい。多数は微動だにせず暗闇を漂っていた。あとの者はもがき苦しんでいるように見えた。

 身体が沈み込んでいく感覚で苦しみは感じない。ただ漂っているだけ。


 ――何か、忘れている気がする。


 蕾は考えようとしたが、思考がまとまらない。ここは何処なんだと、遠くを見ようとした。

 目の前に広がる宇宙。

 先程まで手を繋いでいた感覚……。


 蕾は自身の手のひらを見ようと思ったが、両肩から先が無かったことに気が付いて諦めた。


 青い惑星は、大陸が所々赤くなっていた。火事になっているのだろうか。

 アンドロメダにある蕾の故郷の惑星ではなかった。しかし、何故か懐かしくて悲しくなる。

 何か約束をしていた。


『生まれ変わったらもっと素直になって貴方のそばで――』


 ……幸せになる。


 それが誰の言葉だったか、顔も思い出せないけど。


『僕はね、運命の人がいると思うんですよ』


 誰の言葉だ?

 そうだ、隣に居た気がする。今は居ない。

 大事な人だった……と思う。会えば思い出すはずだ。

 考えがまとまらない。身体が暗闇に溶けだしているようだ。深い意識に……暗闇に……微睡んで……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ