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51 レメヴァーレの廃ダンジョン(2)

ちょっと間が空いてしまった・・・。







巨大な元ボス部屋はザリチュの熱気に包まれ息苦しい。セフィールとルークがクールの錬金術魔法を、ビクター魔術師団長は氷結魔法と水撃魔法で攻撃を開始し、ロバートは以前セフィールから貰った弓で攻撃を開始した。アオはまだドラゴン化はせず後方のセフィール近くから雷撃で攻撃を行なっている。

ユーリはルークが錬成した石の壁に隠れ、クロはそのユーリの隣に陣取り戦いの様子を見ている。


ザリチュはまだ反撃と言える反撃を返していない、その事に不安を感じたビクター魔術師団長とロバート。ロバートはセフィール達の纏まっている方向を確認した。ビクター魔術師団長ももっと後ろに下がろうとセフィール達のいる後方を確認した。



 『ワラワド闘ウ時ニ゛ヨソ見トハ・・・随分余裕デアルノウ・・・逝ケ。』


悪魔(ザリチュ)は天井が隠れる程の巨大な熱球を両手の平で編み出し、それをロバートとビクター魔術師団長のいる方向に向かって放った。地面に投げられた瞬間に部屋には熱波が一瞬で広がった。

迫り来る熱球に魔術師団長ですら移動魔法を展開する時間はない。


 「くそっっ!!」


ビクター魔術師団長はどうせ殺されるならば一矢報いてやろうと、自爆魔法を展開しようと左手の手袋を外そうと手を伸ばした瞬間、強い力で腹部が圧迫された。



次に目を開けたときにはそこは真っ暗だった。



 「ひゃっっ!?」

 「どうした!!ユーリ!?」

 「えっ、あの・・・誰かの息が、私の首に掛かってこしょばゆくて・・・。」

 「ここは一体・・・。」

 「ひゃあぁぁぁっっっ!!!」

 「その声で反応したって事はユーリちゃん魔法使いのおっさんに襲われてんのかっっ!?」

 「ビクターさんっ耳元で話さないで下さいっっ」

 「す、すまんっ!ライトッッ!!」


ビクター魔術師団長の魔法で自分達の状態が分かった。セフィールは密着した状態になっていたユーリを自分の場所に引っ張りこそばゆさから解放してあげた。ロバートは何故かアオの下敷きになっている。ルークは一番小さく丸まり場所を提供してせフィールはクロに密着した状態であった。


 「今俺達は俺の作った金属内で悪魔(ザリチュ)の熱球からの攻撃から身を守っている状態です。何層にも覆っているのでそう易々とは熱は伝わらないと思いますが、これを解いた時フロアは熱気で異常な温度の可能性がある事は頭に入れておいて下さい。」


 「私は先程まで離れた所にいたと思ったのだが・・・。」

 「すみません、勝手に魔術師団長のベルトに金属で作った紐括り付けてたんです。危ない時はクロに引っ張り上げる様に言っていたんで・・・まぁ、その・・・驚きましたよ・・・ね?」

 「俺のはアオが引っ張ったのか。・・・有難いが内臓が飛び出るかと思ったぞ。」



ーーきゅううううう♪♪



 「ロバート良かったな!内臓が出てもアオは問題ないらしいぜ?」

 「貴様は勝手にアオを変な性格にするなっっ!」


若干空気は熱いもののルークがクールの魔法を時折使って温度を下げる為蒸し焼きになる事はない。しかしこのままここに居ても仕方が無いのでこちらも反撃を開始する。



 「ルークはこの鉄球解く瞬間に最大限クールの魔法を解放させてくれ。魔術師団長は先程と同じ様に。ロバートは魔術師団長に援護しつつ剣の攻撃が通るか試して欲しい。クロはそのままユーリと様子を見ててくれ。アオはそろそろ行くぞ?」


ーーきゅう!

ーーがう!


クロとアオの鳴き声と同時に皆も頷いた。


セフィールが鉄球に手を翳し合図した瞬間鉄球は消え、悪魔の攻撃の余波であろう熱気が襲いかかって来た。ルークの最大限のクールの魔法で温度を耐えられる温度まで下げる。


 「氷の輪舞曲!!」


 『イギャーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!』


魔術師団長の放った氷結魔法は悪魔の周囲に氷の矢が大量に出現して何度も襲いかかる。その間水撃魔法の展開も完了しており最初に放った氷結魔法に融合させた。


 「ーー組曲ーー!!」


氷の矢による激しい攻撃の最中に水の球が悪魔の顔に向かってゆらゆら飛んでいきぶつかる。水の球はどんなに避けても顔に向かっていく。その為悪魔は氷の矢による攻撃とロバートの矢を避ける事が出来なくなっている。


ーーザシュッッッ!!!


注意がそれている間にロバートは剣を抜き、一気に悪魔との間合いを詰め斬りつけた。

セフィールはロバートの反応を見ると、ロバートはセフィールに首を振った。


 「(やはり剣では斬れないのか!!)ーーアオっっ!行けるな?」


ーーギュアアアアーーーーーーッッッ!!!


本来のドラゴンの姿に戻ったアオが戦闘に加わり、一旦魔力回復の為に魔術師団長を下げた。

魔術師団長はユーリ達のいる石の壁の所まで下がると、自身が持っていた魔力回復薬を飲んだ。


 「ここから見ていてどうだった?」


魔術師団長が側にいたユーリに尋ねると、ユーリは少し考えたのち自身の見た感想を伝える。


 「この悪魔に関しては倒せると思うんです・・・。でもーー」


次の言葉を次ぐ瞬間旧ボス部屋は真っ暗になった。


 「どうしたっっ!?ライーーむぐっっっっっ!!!」


魔術師団長がライトの魔法を唱えようとしたのをユーリが手で口を押さえつけ止めた。

セフィールがゴソゴソと動き、みんなに何かを配る。


 「それを掛けてください。ちょっと待ってください。」


セフィールが自分が出したものを装着して、みんなにも取り付けた。装着したのは暗視ゴーグルであった。暗闇にしてくる悪魔が出る可能性があった為、創造錬金術で暗視ゴーグルを事前に作ったのだ。電気は電池の素材が不足していた為に魔石バージョンの暗視ゴーグルを錬成した。


 「ーー悪魔きちんと見えますね。問題ないようで良かった。まずは弱った悪魔(ザリチュ)から叩きます。足止めを俺がするのでその間に魔術師団長とアオで倒してください。アオはもし気配で居場所が分からなかったら魔術師団長が放った魔法が当たった同じ場所を攻撃してくれ。」


ーーきゅうう♪


 「では俺は暗闇悪魔の足止めをだな。」


 「はい、それとクロも一緒に行ってくれ。クロも悪魔の居場所が分からなかったら、ロバートさんの側にいて感覚で判断してくれ。」


ーーがうっ!!


 「じゃあ私達は回復役だね。」


 「それとユーリとルークは怪我をしない様にな。」


 「りょーかいっ♪」



ーーそしてもう一体の悪魔(タルウィ)が参戦した廃ダンジョンの戦いが再開した。









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