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学園に留学することになりました。


 結局、どうせ学園に通うのだから、ということで、引き受けてしまった。

 隣国とはいえ、お母様のお兄様とはいえ、相手は国王陛下ですよ? 断るのはちょっと、かなり、わりと、無理だと思うの。

 まぁ、ロベルト陛下からも「無理にしなくてもいい」と言って頂けたので、ほどほどにやることにする。


 そ れ よ り も !

 お父様もお母様も、私が留学することになってるって、どうしてちゃんと説明してくれなかったの!?

 お母様は「4歳の時に約束したでしょう~? 大きくなったらお母様と同じ学園に通わせるからね~って。」ってにこにこするし。お父様は「先月、隣国勤務に異動になったから家族みんなで行こうと言ったじゃないか。」と疑問符浮かべてるし。

 ロベルト陛下が二人を見て「私は同じことしてないよな…?」って青くなってたんだよ? 

 お父様もお母様も、仕事や近所付き合いならしっかりしてるのに、どうして私にはちゃんとした連絡がないの?

 ……まぁ、いつものことだし、もう慣れてるけど。

 ……慣れたくなかったなぁ。



 ……それはさておき。

 学園は王都の外れにあって、貴族は専用の寮に入るのが基本らしく、私は両親と離れて暮らすことになった。(ちなみに平民向けは教会と併用してるらしい。)

 ロベルト陛下から侍女をつけてもらいそうになったが、丁重に断った。私の国(ジェラード帝国)では侍女をつけることはあまりないからだ。自分のことは自分でするのが基本だからね。いるとしたら高級宿や王城くらいかな?

 この国では、侍女がいるのが普通らしい。これが文化の違いなのか。


 そういや、貴族らしいことは何も知らないと思って、お母様に聞くと、「大丈夫~! 全部仕込んでるから~!」 と微笑まれた。

 三日だけ滞在した王宮でもマナーや所作等を教えてもらったが、エリザベス王妃に太鼓判を押してもらった。(エリザベス王妃が講師をすると言い出した時はかなり驚いたけど、まぁ、それはさておき。)


 この国のトップに太鼓判を押されたのだ。なんとでもなるさ。


 そんな気持ちで学園に入る。

 学園は、中央の白を基調とした二階建ての建物が学舎で、寮は三階建てで、青と橙の二つに分かれていた。男子が青、女子が橙の建物だ。

 私の部屋は三階の一番奥だった。角部屋ということもあって、窓から見える景色はとても綺麗だ。


「……すごい。」


 建物も大きいなーとは思ってたけど、部屋も広かった。ベッドと机はもちろん、談話用のソファーにキッチン、お風呂、お手洗いまでついてる。ちょっとした一軒家程度の広さだ。私の家とそこまで変わらない、というか広いくらいなのでは? ……考えないようにしよう。


 今日は部屋を片付けて、明日から授業に出席する。入室の時にすれ違った人とは挨拶したが、きちんと挨拶するのは明日だ。

 でもお隣さんには先に自己紹介しないとね。空き部屋に誰か来たらびっくりするだろうし。


「隣の部屋に住むことになりました、ルーシー・ダッドリーです。ご挨拶に参りました。」


 ノックしてすぐに、メイド服姿の背の低い少女が出てきた。


「初めまして。ルーシー・ダッドリーです。」

「はじめまして。エノです。」


 エノさんはそう言うと、部屋の中へ案内してくれた。

 部屋の間取りは同じみたい。ソファーには少女が本を読んでいた。ブロンズのツインテールと吊目が印象的だ。


「初めまして。ジェラード帝国から来ました。ルーシー・ダッドリーです。」

「初めまして、ルーシー様。私はガネーシャ・ユーイングです。よろしくお願い致します。」


 ガネーシャ様は、立ち上がってそう言うと一礼した。

 ユーイング家といえば、ジェラード帝国と隣接する領地の領主であり、交易路として両国を繋く架け橋を担っている。

 キツい印象は残るが、是非とも仲良くしたい。


「こちらこそよろしくお願い致します、ガネーシャ様。」


「ルーシー様は、どの学年になりますの?」

「二年です。」

「まぁ、一緒ですね! そうだ! 明日は一緒に教室へ行きませんか!?」

「ぜひ一緒に行きましょう!」





 その後、ガネーシャ様と世間話をして退室した。もう少し話していたかったけど、荷解き終わってなかったからね。仕方ない。

 ガネーシャ様は思ったより素直な、よく笑う人だった。見た目だけで少し構えてしまったのが申し訳ない。明日からはもっと仲良くなれるよう頑張ろう。


 あとノヴェロ王国の授業って、どんな感じなんだろう?

 ジェラード帝国では誰でも自由に、自分が学びたい教室に通うのよね。教室といっても教師の自宅か教会。学べるのも算数やマナー、商談に使える話術から、異性の落とし方など多岐にわたる。

 お母様が昔言ってた「同学年と一つの教室で同じことを学ぶ楽しさ」とやらが体験できるのは楽しみだ。

 

 ……あ、そういえばアルフォンス殿下のこと、皇太子であることと、お父様が言った「女性を侍らすのが趣味」ということ以外知らないのよね。

 まぁ、嫌でも明日見るだろうし、明日から考えればいいか。

 

 授業、楽しみ!


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