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ステータスとレベル上げ

 私はゴマコオロギの頭やら触覚やらを地面に埋めていた。

 流石にあのお顔をパクリ。とは頂けない……。


 さて次はステータスの割り振りだ。

 かなり強くなった事を実感できる機会だから、正直かなり楽しみだ。


 ▽要求確認。ステータスを開示します。

 現在値


 パワー15

 スピード150 (青龍の石のボーナスが入っています)

 ディフェンス8


 HP 20/20

 MP80/80(レベルアップで+10と+30)


 パワー、スピード、ディフェンスに50P割り振りして下さい。


 青龍の石のボーナスが入っているのか、少しは効果はあるのね。

 ステータスの割り振りかぁ。

 振り直しができないので、前世でもいつも頭を悩ませていた気がする。

 んーー、パワーはこの牙で間に合ってるでしょ

 ディフェンスはそもそも攻撃を受けてないから分からないなぁ。

 とりあえず、課題点として浮かんできてるスピードに全振りでいいかな?


 ▽了解。スピードに+50され、ステータスポイントは200です。


 スピードは前世には劣るとはいえ、初期の四倍だ。

 少し……試しに走ってみようかね。

 軽くジャンプしてから走る。というより飛んでみると、予想以上に速く移動できた。

 風を切って移動できる感覚に思わず夢中になる。

 しばらく走り続けていると、またお腹がコロコロ……と鳴った。

 決してゴマコオロギの鳴き声では無い、まだまだ元気な腹の虫だ。


 食事を兼ねた、レベル上げをしようかね。

 もっと速く走って帝王カエルを捕まえるんだーー!

 そう意気込み、私はまた、茂みに突っ込んだ。


 ……うぷっ。ゴマコオロギ飽きた……。

 あれから茂みにいるゴマコオロギを目につき次第、食べて三十分。

 簡単に仕留められるので、スナック菓子感覚で食べていると、そろそろ飽きた。

 腹の虫の唸り声も収まったし、そろそろやめておくか。


 あの後、十五匹程、仕留めたらL v5まで上がった。

 何より驚いたのは、前世より成長が何倍も早い。

 ゴブリンの時はL v5まで上げるのに一年位かかった気がする。


 ちなみに今のステータスはこんな感じだ。


 現在値


 パワー65

 スピード800

 ディフェンス8


 HP 50/50

 MP 170/170


 課題点のスピードに極振りしていたら、ついに前世に追い付いてしまった。

 試しに走ってみたけれど、身体が小さいからか、前世よりは少し遅い。

 それでも初期より何倍もマシだ。

 ついつい夢中になって走っちゃう位は速い。

 前世は割とディフェンスに振ってた気がするなぁ。

 まぁ炎結晶でイチコロだったけど……。


 そんな風に順調に上がっているレベルとステータスに嬉々していると、また頭に声が響いた。


 ▽ゴマコオロギの上限経験値を達成しました。

  これ以上は経験値の入手が不可能です。


 ……ん?何ですって?

 ゴブリン生、十五年以上の私だが、上限経験値だなんて聞いた事がない。

 これ以上は経験値の入手が不可能って事は、レベル上がらないって事!?

 それはマズい、非常にマズい。

 いつまでも、L v 5のもふもふのままなんて簡単に死ぬだろう。

 私が青ざめていると、再び頭に声が響いた。


 ▽青龍の石のデメリット効果として、同一種のモンスターとの戦闘勝利での経験値上限が挙げられます。


 同一種のモンスターって事は、ゴマコオロギ以外なら大丈夫なのかね。


 ▽質問確認。はい、そうです。


 てか、青い石のせいだったのか……。

 デメリットの大きすぎる石に対して、額から抉りとってしまいたい衝動を必死に抑える。

 やっぱり、食べたのが駄目だったのだろうか。


 ▽青龍の石の効果として、経験値の増加、MPのステータスポイントの増加率の上昇があります。


 私が額の石と睨めっこをしていると、また落ち着いた声が聞こえた。

 どうやら、こんなレベルが上がるのが速いのは石のお陰らしい。

 悪く言ってごめんよ、石。


 しかし、そうなると一つ疑問点が浮かぶ。

 前世だって、この石は持っていたのだ。

 でも、こんな効果なんて知らなかったし、実際発動していなかった。


 ▽質問確認。この石は強くなりたいという意思に反応し、効果を表します。

  効果を表すと、石が光ります。


 強くなりたい意思って何か曖昧だけど、カッコイイな。

 少年漫画の主人公なんかはバリバリ効果を表すんじゃないか?

 とりあえず、石が光るそうなので、近くの池の水面に顔を移し、覗き込んでみる。


 ぴっかーん。


 確かに額にはめ込まれた石が光っていた。

 青い光を辺りに振りまいているそれは、まるでヘッドライトみたいだ。

 洞窟内という事も相まって、作業員の人みたいだなぁ……。

 ヘルメットでも付けてたら完璧だった。

 

 とりあえず、このデメリット効果で洞窟内に引き篭もりって訳にはいかなくなったのか。

 別に戦闘狂な訳じゃないし、強くなりてぇ!ワクワクすっぞ!とかでも無いのだが、一定の強さは欲しい。

 戦闘から逃げて、強くなる事を諦めた結果が前世のような死に方だ。

 パワーがあれば、潰される事は無かったかもしれない。

 スピードがあれば、避けられたかもしれない。

 ディフェンスがあれば、守れたかもしれない……。


 いくらでも後悔は出てくる。


 よし、決めた。私、洞窟内でのレベル上げが終わったら外に出てみようと思う


 頭にずっと残っている、トラウマのせいもあり、殆ど外には出ずに過ごしてきたが、新たな人生だ。

 心機一転、頑張ってみようと思う。


 ▽了解。サポートします。


 ありがとうね、天の声ちゃん。


 最後に残っていたゴマコオロギを頂いてから、色々動こう。

 そろそろお腹が膨れて苦しいが、これくらいならいけるだろう。


 パクリ。


 そう思い油断したのが駄目だった。


 ▽状態異常満腹。一定時間スピードが半減します。


 ……うえ?

 いきなり重くなった身体に驚いていると、何だって?状態異常?

 状態異常満腹って、前世でも宴会の後とかなったような……。


 折角上がったスピードが半減した事に打ちひしがれながら、とぼとぼと帰路につく事にした。

 食べ過ぎは……いかんね。

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