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金の斧

作者: 鉄鉱石

 昔々ある所に真面目な木こりが住んでいました。

その木こりが湖のほとりで木を切っていると突然地震が起こり、そのせいで。

斧を湖に落としてしまいました。

すると湖の中から女神様が現れ、こう言いました。

「あなたが落としたのは金の斧ですか?」

木こりは首を振ります。

「では銀の斧ですか?」

再度木こりは首を振ります。


「おお、あなたはなんて正直者なのでしょう!」

「この金の斧と銀の斧は差し上げます、そして鉄の斧もお返しします!」

しかし木こりはさらに首をふり、こう答えました。

「私は木を切るしか能のないただの木こりですが!」

「貴方ほど愚かではありません!」

「鉄の斧だけ返してください!」


「なんですって?」

「私のどこが愚かだって言うの?」

女神様はご立腹です。


「では、その斧で木を切ってごらんなさい!」

女神はまず金の斧で木を切ろうとする。

しかし金は非常に柔らかいため、ぐにゃりと曲がり木を切る事は出来ない。

更に女神は銀の斧で同じように木を切ろうとする。

しかし銀も金ほどでは無いが柔らかいため、ぐにゃりと曲がり木を切ることが出来ない。


「私は確かに裕福な暮らしはしていません!」

「でもこの仕事に誇りを持っているし!」

「鉄の斧が鉄である意味も知っています!」


「その斧を売れば大金になる事も知っていますが!」

「働いてお金を得る大切さを知っています!」


すると女神は怒って鉄の斧だけを残し、湖の中に消えていきました。


それを見ていたのは欲張りな木こりでした。

欲張りな木こりは鉄の斧を湖に投げ入れました。

すると同じように女神さまが出てきて。


「あなたが落としたのは金の斧ですか?」

と話しかけてきました。

すると木こりは全て見ていたので。

「いいえ、私が落としたのは鉄の斧です!」

「早く金の斧も銀の斧もください!」

と答えました。

流石に女神様もこの男は欲張りな男だと気づきましたが。

さっきの男に怒っていたので金の斧も銀の斧もあげてしまいました。


その後、欲張りな男は金の斧と銀の斧を売り払って。

しばらくは贅沢な暮らしをしていましたが。

贅沢三昧がいつまでも続くわけもなく。

また木こりの仕事に戻る事になりました。

しかし贅沢三昧で体がなまり、思う様に木も切れなくなったのでしばらくの間は。

以前より貧乏な暮らしをする事になりました。


女神さまは不正直な男にわざと金銀を与えたことがバレたため。

大神様の怒りにふれ、女神の力を失い。

二度と天界に帰る事も出来なくなりました。


真面目な木こりがいつもの様に湖のほとりで木を切っていると。

途方に暮れた女神が湖に飛び込みました。


いつもは消える様に湖の中に入っていくのに。

おかしいと思った木こりが近づくと女神さまは溺れていました。

女神さまは力を失ったので湖に飛び込んだら溺れてしまいます。

木こりはそんな事は知りませんが溺れている人を。

ほっておく事も出来ず湖に飛び込んで助出します。


すると、女神はこう言いました。

「私はあなたの言う通り愚かでした!」

「女神の力を失って天界にも戻れません!」

「普通の人間と同じになりましたが!」

「私はこの人間界には頼る所もありません!」

「お願いですから、このまま死なせてください!」


すると木こりは首を振りこう言いました。

「行く所がなければ家に来てください!」


女神は訳が解らないといった様子でこう答えました。

「どうして?」


すると木こりは穏やかな顔をして。

「命の大切さを知ってるからです!」

と答えました。


こうして改心した元女神さまと正直な木こりは。

末永く幸せに暮らしましたとさ。











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