第五歩
よろしくお願いします。
気づいたらMは教室の床でボロボロになって天井を見上げていた。横にはカバン入れの四角い棚があり、その前にMのカバンが乱雑に置かれていた。
「ついてねーな。あいつら、少しは手加減しろよ、3人もいるんだから。」
切れた唇が痛い。
Mの唇が切れて血が少したれそうになった 時、Fが屈んでハンカチでMの唇を拭いた。Mはビックリして飛び起きようとした。が、
「うぉ!いてててて!」
身体が痛くて上半身しか起こせずそのまま少し、後ずさりした。
「血が出てるから拭こうとおもって。ごめんなさい、私の事で痛い思いさせて。」
「べ、別にMの為じゃないし、あいつらの事が嫌いなだけだよ。それに負けちゃったし。ホントだっさいなー。」
Mは恥ずかしさを隠すように右手で口元を隠した。
その時、教室の窓から西陽が入って横からFを照らした。FはMの口元にある手をとり、血が出ている唇にハンカチをあて。
「そんな事ない。カッコよかった。本当に、助けてくれてありがとう。」
Fは今まで見たことの無い柔らかな笑顔をMに向けた。
MはそのFがすごい綺麗に感じられ、いつまでも見ていたいと思った。そして目の前が一瞬だけぼやけ、気がつくと、Fの事を好きになっていた。
これがMにとっての最初で最後の本当の恋が始まった瞬間である。
第5話ご覧頂きありがとうございます。
文章は短めで、読み応えが少し足らないかと思いますが、長い文章を考えるのは難しいですね。
「本が好きな全ての人に幸せな日々を。」