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第四歩

4話目更新しました。

どうぞ暖かい目でご覧下さい

4月になり、MとFは小学生になった。桜並木の田舎道を2人っきりで無言で登校していた。田舎の学校ということもあり、シスターが言っていたように、2人とも同じクラスになった、そもそも人数が少なくクラスが2つしかなく、半分の確率ではあったが、Mはなんだか気が重くなっていた。

それでもMはFと打ち解けようと、朝の登校の時は何かしらの話題を作り子供ながら仲良くなろうと必死に行動に移す。

「今日の朝ご飯もおいしかったね!」

「うん。」

「Fちゃんはシスターの料理で何が好き?」

「肉じゃが。」

「あれは美味しいよな!俺はやっぱりカレーかな!」

「うん。」

Mが話しかけて返事はするが、会話が進まない。そして一番心に応えるのは表情が全く変わらないという事だ。

Mは登校中喋るのをやめた。

学校にさえつけば他の友達が居るし、下校もその友達と帰るから登校だけ我慢すれば良いのだと考えた。

しかし、Fは人見知りのせいで友達が中々できずに、いつも1人ぼっちだった。それが何故か気になってしまい、また次の日の登校の時には同じ様な話をする様になった。

そんな登下校と学校生活が三年目に入る時にある出来事があった。

通っていた小学校では二年ごとにクラス替えをしていて、卒業するまでに3回は違うクラスになる。クラスが少ないため皆んなと仲良くなる為らしいが、Fにはそれが災いした。

MとFは違うクラスになり、MはFの事を少し気になっていた。二年間でまともな友達も作れていないで、ずっと独りぼっちだったから。

そしてある日の放課後、Mは一緒に帰る友達が風邪で休んだために一人で帰ろうとしていた。廊下を進みMのいる教室の横を通ろうとした時に、大きな声が教室から聞こえてきた。


「おい、F!お前いっつも本ばっかり読んでるな!ちょっと貸してみろよ!」

Fはどこにでも一人はいる、ガキ大将と同じクラスになってしまったのだ。しかも取り巻きが2人もいる。

「おい!聞こえてんのかよ!貸せよ!」

「やめて!」

Fは咄嗟に机にあった筆箱で相手を叩いた。

「痛っ。おまえ!よくもやったな!根暗なくせして!友達もいないくせに!」

ガキ大将は腕を大きく振りかぶり、Fに向かって殴りかかった。

そして、Mの顔面にまだ小さな堅い拳が追突した。

「うお!Mじゃねえか!邪魔すんなよ!」

「イジメはやめろよ。しかも女の子1人に対して3人で、卑怯だぞ。」

Mは内心でなんで庇おうと飛び出したのかわからなかった、自分の事なのに。

最後まで読了ありがとうございます。


「全ての本が好きな人に幸せな日々を」

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