11・マジっすか
前話が短いので本日2回目です。
御注意下さい。
ミント君の許可も出たので、正之に電話する。
二人は珍しそうにその光景をみている。
数回のコール音の後に繋がる。
「もしもし、正之か?」
「あ?アニキか?なんだよ?」
「お前、今暇だろ?ちょっと家に来い」
「いきなり暇とか決めつけて、さらに来いとか、ありえねぇ」
「ん、何かしてるのか?」
「何もしてないけど。めんどくせぇ」
「家にな、異世界からのお客さんが来てるんだわ。お前、そういうの好きだろ?」
「は?アニキ。頭大丈夫ですか?」
「何でそこだけ敬語なんだよ。
まあ良い、すぐ来いよ、じゃあな!」
言うだけ言って切った。何だかんだで来るだろう、馬鹿だから。
電話を切った後、二人に新しい飲み物を出す。
さっきは紅茶で、今度はコーヒー(インスタント)にしてみた。
「さっきとは違う飲み物ですね。良い香りです」
いっしょに牛乳を置く、フレッシュは嫌いなので家には無い。
「砂糖と、お好みで牛乳、その白いのを入れると良いよ」
お茶請けはクッキーにした。
「弟が来るまでテレビでも見ていよう」
そう言って、スイッチを入れる。
夕方のニュース番組の様だ。
期待の目で二人を見る。
ミント君は考え込んで居るようだ。
アルト君は・・・
うん、これこれナイスリアクション!
裏を見ても、小さな人は居ません。
液晶テレビは薄いしね。こっちを見てるなぁ。
「通信の魔道具・・・じゃなくて、機械?
電話と同じ物?いや、片側と双方向の違いか・・・」
小さな声で呟くミント君。
ほぼ正解じゃないのか?天才なんだな。
そうこうしている内に、インターホンが鳴る。漸く来た様だ。
ドアを開け正之を中に入れる。
「思ったより、早かったな。そんなに楽しみだったのか?」
そう言うと
「文句を言いに来たんだよ!アニキ、電話切った後、電源落としたろ!何回掛けても繋がらねぇし!」
玄関で騒ぐのはやめて欲しい。
二人共、こっち見てんぞ。
「二人共、こいつが弟の正之だよ。」
正之を無視して紹介する。
正之は、そこで漸く二人を見た。
開口一番
「エルフじゃねえのかよ。鎧でもねえし、何か普通の学生に見えるんだけど」
そう言って座った。
「はじめまして、スズキマサユキさん。
ミントといいます。エルフでは無く
一応、人属です」
「あー、はじめまして、アルト、同じく人属」
それぞれが挨拶する。うん、アルト君もするんだね。僕には無かったんですけど。
まあ、良いけどね。
「なんか、態度悪い奴だな?ツンデレか?
男のツンデレは要らん!いや、実は女の子なのか?」
下らない事を言っている。ため息が出る
「んでだ、俺はどうすれば良い?アニキ」
真面目な顔でこっちを見る。コイツのノリが解らない。だけど
「ミント君たちの話を聞いてあげて欲しい。それを纏めた上で分かりやすく俺に教えろ、質問とかは任せた」
丸投げした形だか、お互いの為なのだ。
なんだよ、とか、丸投げかよ、とか、色々呟いて居たが、お人好しな奴なので大丈夫だろう。
「んじゃ、アニキに変わって話を聞くわ。
よろしく!」
そう言うと、ミント君はさっきと同じ内容の説明をした。正之は大人しく聞いていた。質問の件で正之は
「異世界ファンタジーか?モンスター?
ゴブリンとかコボルト、オークにアンデットあたりが定番か」
ミント君は笑顔で
「今上げて頂いたモンスターは居ますね。
良く知ってますね」
と言った。アルト君も頷いている。
「んじゃ、定番のドラコンも居るの?
西洋形だと思うけど」
正之がそう言うと、アルト君が珍しく発言した。
「ドラコンなんて居ない。あれはお伽噺の中に居る生き物だ、確か魔の山で財宝を守ってんだっけ?ミント」
呆れ顔でそう言った。
「そうだよ、ソワール大陸の東側に有る
カスカード山脈の一部に魔の山が有り
旧王国の財宝を溜め込んで居るんだ。
最上位魔族の一体じゃ無いかな?」
ミント君は真面目な顔で答えた。
「マジっすか・・・確か、魔族って上位だと、国家危機って言ってたよな。
旧王国って事は、ドラコンに滅ぼされた国なのか?」
「はい、約3000年前一つの国が消滅しました。ドラコン一体によって。」
呆れ顔だったアルト君が物凄く驚いて居る
「おい、ミント何だそれ!何でそんな事を知っている!ここに来てからといい
向こうでの評判といい
お前は一体何者なんだ!」
そう叫んだ。
次回は12時(正午)更新です。