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望まない戦記  作者: 脱兎
戦の前
10/34

10・アルト君が空気です

いつも読んで頂きありがとうございます。

二人を連れて村まで戻って来たが、大変だった。昔テレビで見た都会に来たアフリカの原住民の様なリアクションの嵐。

正直、うるさい。キョロキョロしては質問という事の繰り返しでげんなりしてきた。

初めは交番に直行しようかと思ったけど、マズイ気がしてきたのでとりあえず、

家に連れて帰る事にした。

幸い実家を出て独り暮らしなので、問題は無い。

帰ったら詳しく話を聞いて、その後で交番に連れていけば良いだろう。

小言は言われるだろうが、混乱していた為に保護していたと言えば問題無いはず。


「とりあえず、家に来て貰うから、そこで纏めて質問にも答えるよ」


兎に角、急いで家に帰らないと。

村の中では、余所者は目立つ。

すれ違う度に怪訝そうな目で見られる。

皆、何か言いたそうだが僕の緊迫した

雰囲気を感じて声は掛けてこなかった。




家に着いたら、お約束の靴を履いたまま上がろうとしたり電気に驚いたり。

何となくだか、ミント君が言って居た

転移事故?だっけあれ本当の事なのかも?

なんて思い始めた。




「正直に言うと、訳が解らないんだ。

だからとりあえず最初から説明してほしい」


僕は、中学生相手に本音を伝えた。

色々と状況がややこしいのもあったし、

二人の身のこなしが尋常じゃ無かった。

土下座の後は、こちらの言う事を素直に聞いてくれている事も関係している。



「では、僕から説明させて頂きます」


ミント君がそう言う。

うん、そうだろうね。アルト君、お茶請けに夢中だし。


「まず、お招き頂きありがとうございます。スズキさんにとっては、身元も解らない怪しい二人組なのに」


そう言って頭を下げる。

出来た子だと感心する。あ、アルト君、おかわりね。まってね。


「初めに、僕たちの居た世界について軽くでは有りますが、説明します。僕たちの住む大陸はプリュイ大陸です。大陸の中に大小様々な国があります。その中のスィエル王国が僕達の国で、スィエル王立学院2回生です。学生ですね。年齢は二人共16才です。

世界には魔力が満ちていて、魔法が有ります。魔力を使った、魔道具も。

スズキさんのGPSは、これと間違えました。

良く考えたら、ここに来てから魔力を感じなかったので、その可能性は無かったんですけど。

僕も、アルトも魔力を使えます。

魔力が無いと発動しませんが。

僕のメインは魔法です。アルトのメインは剣術ですね。


低級モンスターならソロで狩れます。

魔族と言われる現象があります。

様々な形態をした集団で人にのみ害の有る

穢れという物を発しています。

知的生物形態から無機物形態まで様々な個体が存在します。

知的形態の上位は国家危機クラスですが、ここ3000年ほど観測されていません。

ここからは僕の推測になります。その前に何か質問は有りますか?」


うん、ほぼ解らない。困った。

ふと、似たような話を聞いた気がした。

どこだったか?いつだったか?

記憶を探る。

あ、正之だ。

あの馬鹿弟だ。魔法がどうとか、異世界がどうとか言ってた。

よし、呼ぶか。少なくとも予備知識があるだけでも違うだろ。そうと決まれば。




「ごめん、質問じゃ無いんだけど、家の弟がこの手の話が好きで、僕より知識を持っていると思うんだ。だから、ここに弟を呼ぼうと思う。基本的に暇な奴だから、話を聞けば飛んで来ると思う。

どうかな?」


この手の話は沢山の人に広めない方が良いと思うが、身内ならコントロールできる。

そう思い、提案してみた。

決してめんどくさくなった訳じゃ無い!

僕の提案にミント君は


「お任せします。胡散臭い話でしょうし」

と答えた。
















今日18時に再度更新です。

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