ユウリside
暗っ!何この暗さ。
クルス「ちょい、病んでるんじゃねぇ?」
展開的には仕方ないけど、病んでる?
クルス「いや、独占欲つーか、無理やりとか考えてるとことか!」
未遂ですしね。まあ、まだ正常範囲ではないかと。(汗)
ササメ「きゃ~!ユウリそんな事考えてたの~?ど~しよう。」ポッ
嬉しそうですね。ササメさん。
クルス「ああ、……こっちの方が断然ヤバかったわ……。」
……似たものカッポーって事で……。
ユウリ「普通だよ。たぶん。」
クルス「お前ら、もう出てくんなや…。」
ユウリ「いや、俺、いちおう主人公のはず!」
ん?どうだろうね。
ユウリ「え、違うの?」
さあ?……。
ユウリ「ええ!」
クルス「…ササメの添え物、の間違いだろ。」
だね!一番的確なツッコミだよ(笑)
ユウリ「……ひどい……。」
一刻も早く、ササメに問い詰めたかった。怒鳴って、どうして教えてくれないのかって。でも、向かってるうちに、ササメは心配されたり、悲しまれたりするのが嫌だったんだろうって、すぐに答えは出てしまう。部屋に向かう足がゆっくりになっていく。
それでも、教えてくれなかった事に対する怒りは、燻っているのに。クルスさんやジョエルさんが知っているのに、自分だけ知らない、そのこと自体も、苛立たせた。
部屋の前に着くと、完全に足が止まってしまう。
部屋から、独り言が聴こえる。俺がさっき考えてた事と同じ事考えてたんだってわかる内容の。ササメのその声を聴くと、ほっこりした。
怒りや苛立ちが薄れて、まだまだ。ってとこまで聴くと笑ってしまった。少し毒気が抜けてしまったようだ。
これなら、普通に切り出せそうで良かった。どう尋ねたらいいか、困ってたから。
俺は、ササメが怖がらないよう、なるべく笑顔でいようと思った。
でも、ササメが隠してることないって言った時、苛立った。俺に隠し事してる事に対して。ササメが本気で知らない、思い当たる事がない顔をする。
尋ねても、答えてくれないのか?言い出しづらかったとか、そう言う事じゃなく、俺に対して隠し続けるのか?そう思うと、悲しみと憤りがない交ぜになる。
もう一度、尋ねた。すると、今度は、少し思い当たる事があるようだった。
正直な所、余裕なんてない。寿命が短い事をササメが俺に隠してたのなら、俺から、いずれ離れるつもりだったのだろう。
もし、嘘をついたとわかったり、これ以上隠し事をするようなら、容赦するつもりは無かった。例え嫌われても、ササメをものにするつもりだった。逃げることができない様に、縛ってしまいたかった。
俺が知らないササメの情報を、クルスさんなら、知ってる。そう告げられた時、嫉妬の感情が膨れあがった。笑顔でいるのも限界で、でも怒った顔は見せたくは無かった。
どうしてだ?どうしてなんだよ!俺には教えてないくせに!!
そんな気持ちばかり内側で膨れあがった。その気持ちを奥に無理やり押し込み、沈めていった。
感情が顔から抜け落ちていく。
俺の場合はササメに大切に思われてるから言えなかったのだと解っている。それでも、女のジョエルさんにならともかく、男のクルスさんの方だけに教えた。その事自体が許容できそうになかった。
でも、続きの言葉を聞いた途端、俺は、何してんだろうって。馬鹿だって思った。ササメも、知らなかったのだと、そう知った。
つい1日前なのだ。ササメも、自分の寿命が短い事を知ったのは。なら気持の整理だってまだ出来てないだろう。なのに、俺は、自分の感情ばかり押し付けて。この場に居るのが居た堪れなかった。ササメを、怖がらせて泣かせてしまった。立ち去ろうとしたけど、ササメに、逆に心配され、怒られた。
ササメにベッドに座らされ、ササメは逆に立ち上がり、むちゃしないで!って。お願いってそう、言われた。
ササメが部屋から出ていってしまう。ササメを引き留めようと、声を出そうとしたけど、途中で引っかかって出てこない。罪悪感で何て言葉をかけていいかわからなかった。その間に、ササメはもう、部屋を出ていってしまっていた。引き留めようとした手が中に浮いたまま。
ユウリ「はぁ~。…何やってんだよ……ほんとに……。」
ベッドに深く寝転びながら、その手で目を覆う。
ササメも今は、一人の時間が必要だろう。
ユウリ「……たとえ、寿命があと僅かだとしても、最後まで、一緒に俺の傍らで笑っていて欲しい。…俺の望みは、それだけだろ……。」
ササメが部屋に戻って来るまで、起きて待っておこうと思っていた。けれど、思ったより疲れてたみたいで、意識が沈んでいった。
ササメ「もぅ!もぅ!お布団を被らずに寝るなんて!悪化したらどうするの!」
ユウリ「ぐ~。ぐ~。」
ぐっすり、寝ておりますな。
ササメ「寝ている人は、ぐ~、ぐ〜なんて言いませんー!」
いや、まあ、そうだけど、文章中の表現?だからね。(笑)ササメちゃんはユウリのオカンみたいやね。
おっ、さササメがプルプルしてる。ククッ怒ったな?
ササメ「…ゆ、ユウリのお母様…小さいユウリ…甘えん坊なユウリ…それはそれで…ステキ~…」
へ?いやいや、おかしいから!ね、恋人がいいんでしょ、ササメちゃん!うっとりしてないで、ちょっと戻っといで!!お~い!!
…ったく、なんでやねぇぇん!!
ササメ「もぉ~、ええわ~!」
お前が、もぉ、ええわ!!!