ジョエルside
ササメ「ってか、1日が長いよ。まだ終わらないの?」
うーん、もうひと波乱してからかなぁ。
ササメ「1日に詰め込み過ぎだよ。大体、ユウリ、熱あるのに、動きすぎ。治るもんも治らないよ。」
時期がきたら治るんです!熱出て、2日目でしょ?3日目か4日目には治るんです!
ササメ「……いや、治るんなら、別にいいんだけど。」
治るんです!
クルスが去ってく。あいつ、かなり怒ってたね。ったく。どうせ知られることだろうに。
でも、本人が隠してるってのに、アタシが言うべきもんでもないか。……どうすべきかねぇ……。
ユウリ「…あの、さっきの、ササメの寿命について、本人も知ってるんですか?」
結界が消えて、ユウリは最初に戸惑いがちに声を出したが、途中から、しっかりアタシを見て尋ねる。手が握り込まれている。
ジョエル「ああ。もちろん知ってるさ。本人が1番自覚してるだろうよ。」
魔力操作をミスっちまうぐらいには、症状が出てんだから。……余計な事しちまったね。知ってて側に居るもんだと思ってたよ。
ユウリ「…もう、長くないんですね…。あと、どれくらい生きれるんです?」
顔を悲しそうに歪めながら、下を向きユウリは尋ねた。
ジョエル「……本人が知らせてなかったんだろ。アタシからより、本人にきいた方がいいだろよ。 」
まあ、黙って逝かれるのは、堪える。知ってたら、後から、もっとなんかできたんじゃないかって後悔はないだろう。
ユウリが走って行く。その背中に
ジョエル「風邪引いてんだからしっかり休みなよ!」
って声をかけた。
……らしくない、か。思い出しちまったんだよね。ササメやユウリが追い詰められた時の目、大切な仲間の為に死にに行った奴らの目と同じだった。
まあ、らしくないっつったら、クルスもだろうよ。元から直情型だけど、やけにササメに感情移入してんじゃないか?自分の事以外であんな怒るなんてさ。
クルス「あ〜、外さみぃ」
……部屋戻ったんじゃ?
クルス「ハッ、何でわざわざ喧嘩してんの聞かねえといけねぇんだよ。部屋、ササメらの近くなんだぞ?いや、イチャイチャでもやだけどよ。」
あ〜、どっちもありえそうですね。
クルス「だろ~。まあ、もう、見張らなくていいのが救いだな。」
あ〜、もう、紹介したし実力見せたから、見張らなくても、盗賊連中は襲わないって事ですね。
クルス「そいうこと!お守りは終わり!」
やったネ!クルスさん!
クルス「いや、その反応もどうかと思うが……。」