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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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クルスside

ササメ「クルスさんって、やっぱり、優しいよね!お兄ちゃんみたい」

クルス「べ、別に、優しくなんかねぇよ!どこがだ!どこが!」

照れながら、スゴんでも怖くないよね~。

ササメ「ね~!解説さんも思うよね!」

クルス「大体、ユウリのやろうと、外見的には2つぐらいしか変わんねーし!お兄ちゃんみたいってどういうことだよ!」

あ〜、外見的には18歳くらい?もうちょい上かと思ったけど。

ササメ「うーん、ユウリは感覚的に、同い年くらいの感じにしか思えないの。最初に会ったのがそれくらいだったから。今だと、確かに外見的には兄ちゃん枠に見えるのかな……」

あ、ササメちゃんが落ち込んだ。

ササメ「……子供って事だよね。周りから見たら、どう見ても兄弟的な……」

クルス「あ〜、ほ、本人同士が恋人ってーならそれでいーんじゃねぇの。周りなんか気にするなや!」

結局、慰めにまわる、親切なクルスさんでした。チャンチャン。

クルス「おい!解説!!言い逃げして締めんじゃねぇー!!!つーか、ササメも地面潜ってくんじゃねぇ!落ち込むっつったって、限度があるだろ限度が!!トールゥドてめぇ変なとこ協力すんじゃねぇぇぇええ!!!」

ちょっと、ササメとの手合わせには期待してたんだ。ある程度、実力がわかるように、最初はゆっくり、だんだんスピードをあげていく。

普通に正面からの攻撃ならなんの問題もなくついてこれている。風飛びの緩急も申し分なく、フェイントを混ぜて本格的に始めたとき、ササメはフェイントにほとんど慣れてない事がわかった。

魔法の方に関しては、魔力の流れをきちんと捉えているため、フェイントを混ぜても問題なく対処していた。接近戦での、防御が視界を塞がないよう工夫されていたから、前の時は誤魔化されていたけど、対人戦は、ほぼしたことねぇだろう。経験が圧倒的に足りねえ。それでも、必死で対応しようと、ギリギリ対応出来るのは評価できるか。外野がかなりうるせぇけど。そう、思って闘う事に気持ちが乗ってきたとき、例の発作だろう。息があがっている。風刃の相殺を何本かミスって、避けるササメ。戦う気が一気に失せた。その状態で戦えねえだろ。一気に距離を詰め、首に手刀を添える。そうして、すぐにカタを付けると、部屋に戻りやすいように、キツイ言葉を浴びせた。意図を察したササメが、小さな声でありがとうって言ってきやがる。ボロンチョンに言われて、お礼言う奴がどこにいるよ。ったく。やってらんねぇ。酒でも飲もう。

そうして、酒飲んで、他の奴らと雑談してたら、ジョエルに呼ばれた。何事かと、思うと、ササメがユウリに秘密にしてる事をあっさり姐さんがバラそうとしていた。

おいおい!ちょっと待って!!

慌てて姐さんをユウリから離して、防音結界を張った。もう、手遅れかもしんねえけど、本人以外のやつがバラしていいことでもないだろ。ましてやパートナーなんだし。

ジョエル「何すんだい!このバカ!」

口から手を放すと罵倒が飛んできたので言い返す。

クルス「バカはどっちだ!ユウリには、ササメ自身が隠してたんだ。あんたがバラしてどうする!」

ジョエル「はあ?んなもん隠せるもんでもないだろ?ましてや、保護者が知らなくてどうすんだよ。」

クルス「そりゃ本人達の問題だろ。核が徐々に壊れていってるのも、本人は気付いてるがユウリには、無理して隠してんだ。完全に壊れる前に、契約解消してもらうっつってんだ。ユウリも、気づかない方が幸せだろうよ。」

ジョエル「そうやって、知らされなくて後悔させるのかい?そっちの方がよっぽど酷いと思うがね。残される方の気持ちも考えなってんだ!」

クルス「…姐さん……一体どうした?らしくねぇし」

普段の冷めた姐さんじゃない。普段なら、本人の好きなようにしなって言ってる姐さんなのに。

ジョエル「どっちにしろ手遅れさ。あと、どうやってごまかすんだい?」

姐さんがユウリを見る。こっちに来て待ってる。

自然と歯に力が入り、ギリィィと音がした。

クルス「……3年~5年ってとこだよ。何もなくてだ。」

早口に言うと、結界を消して立ち去った。俺が言うワケじゃない。言うのはジョエルだ。あとは知るかよ。




クルス「ったく、ササメもあんなニブイやろうのどこがいいんだ!一緒に居てて、苦しんでんの気づかねえとか。」

おや、クルスさん、もしかして?恋ですか?

クルス「そんなんじゃねぇよ!」

うお、冷たい、絶対零度の冷たい視線。

クルス「なんか、姉みたいでほっとけねぇだけだ。」

へ?お姉さん?妹じゃなくて?

クルス「なんか、ボケっとしてるくせに、変なとこ意地っ張りで、そのくせ、弱みを見せるとめちゃくちゃ揶揄ってくるとことか。……まあ、姉の場合、それプラス折檻してくる凶暴さもあるけどな……。」

どんな、お姉さんだ。それは……。

クルス「まあ、弱いとこもある、めちゃくちゃ凶暴で横暴な奴だよ!理不尽な存在つーか……。」

あれ、なんか顔色めっさ悪なってまっけど。

クルス「お、お、思い出したら、気分悪くなってきた。と、トイレー!!!」トピュー

ええぇぇぇぇぇぇええ!!ますます判んねえよおぉ……。


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