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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ササメside

クルス「俺、ただの出歯亀じゃん。」

ああ、見張りって言っても、千里眼で二人のやり取り見るのはねえ?(笑)

クルス「もう!勘弁してくれよ。マジで。つーか、風邪でぽっくり逝っちまえコンチクショー!!」



あの後、ユウリが目を覚ますと、謝られた。人前での強引なキスは恥ずかしかったけど謝って欲しくなくて、私は複雑だった。申し訳なさそうにしながらも、ユウリは私の首筋に手を伸ばし優しく触れると、少し満足気な顔をした。

ユウリ「でも、これで少しは牽制になるかな。」

ササメ「?」

ユウリには、しっかり風邪を治して欲しいから、そのまま、寝ててもらった。荷物の水筒に水を補充して置いておく。食事を分けてもらえないかと思い、部屋を出て、クルスに会うと、

クルス「お前…それ目立つし、やらしいから、隠しとけよ。」

ササメ「?」

クルス「首んとこ、赤い跡ついてんだよ!」

ササメ「あっ!それで…。」

私は恥ずかしくなって、首すじに手を添え隠す。ユウリの撫ぜていたところ。キスされた、とこ。思い出したら、顔が熱くなった。

ササメ「……でも、ユウリは、牽制になるかなって…。」

小さな声で言う。それを聴いたクルスさんは、''はぁ~''ってため息ついた。

クルス「それぐらいで、萎えるやつなんか、盗賊連中(やつらんなか)に居ねぇし、却って煽っちまうわ。」

ササメ「…そうなんだ…。」

クルス「あと、夕飯は、さっきユウリが暴れたところだ。ユウリも連れて出てきてくれ。もうすぐだから。ほかの奴らに紹介しとかねぇと、また問題おきても、たまんねぇしな。」

ササメ「わかった。ありがとう。」

クルスさんは、こっちの行動を見ているのだろう。だって、部屋出たら、すぐに会えたのだから。部屋に戻って、首に包帯を首に巻こうとしてると、ユウリが、こっちおいで、って言って巻いてくれた。隠すのは残念だけど、さっきの話じゃ、仕方ないね。って。部屋の近くだったから聞こえてたのだろう。結界張ってないし。顔が近くて恥ずかしくて、目を逸らした。何だか首輪みたい。でも、ユウリにだったら、ほんとに首輪をつけられても、嬉しいかもしれない。すごくドキドキしたから。ユウリは、さぁ終わったよって言ったから視線をユウリに戻すとユウリにキスされた。っっっ。しばらく、頭の中は、纏まらなくて固まってしまった。その様子をみて、ユウリは、ククッって笑ってる。こ、こっちは、いっぱいいっぱいなのに!「もう!クルスさん見てるんだからね!」って言って慌てて部屋を出る。ユウリも立ち上がって歩いてくる。

部屋を出ると、クルスさんが待っていた。

クルス「程々にな。」

ササメ「…すいません。」

ユウリは、まだ笑っていた。いや、クルスさんの表情をみて、再燃したんだろう。呆れ返った表情だったから。もう!ユウリったら!少し抓ってやった。

ユウリと3人で向かった。食堂につくと、集まっている盗賊さん達に、ジョエルさんが、''この2人は客だから手を出さないように''って紹介され、''手を出したらどうなるかわかってるだろうね?''って脅しが済むと、席にジョエルさんとクルスさん私とユウリが近くに座った。すごい人数が居る。子供っぽい子も居るけど、酒飲んでたり、態度がオジサンだったので、小人族だろう。

ジョエルさんは、後で、クルスと私に余興として、手合わせするように言われた。なんでも、''実力見せとかないと、馬鹿が多いから''らしい。いきなりで、驚いたけど、理由が理由なので、頷いた。

場所は、……どうやったら地下にこんな広い場所が用意できるんだろう。天井にライトの魔法を何個か浮かばせていくジョエルさん。ジョエルさんは、少しやりすぎだろって突っ込んでいた。誰に突っ込んでいたんだろう?私が首を傾げていると、クルスさんが下を指し、教えてくれる。ああ!気配の人?凄い!土属性だったんだ。だから、姿見せないのね。常に潜ってるなんて、何て魔力量だろう。

あと、ジョエルさんにフードが脱げた時のために、姿を変える様に言われたけど、他の人に化けるなんてイメージ出来なくて難しい。そう言うと、土のとこからびゅっと、何かが出てきて、スケッチ?と手が。えっ?

女性の絵。少しジョエルさんに似た若い女の子の。気配さんのリクエストだろうか?とりあえず、じゃあ、それで、と見せかけを変える。ジョエルさんは、それを見て、''後でシバク!''とかブツブツ言っていた。

ジョエルさんと、気配の人が中央に大きく結界を張り、クルスさんには、肉体強化と、特殊魔法、私には魔力吸収(ドレイン)と、生命力吸収(マナドレイン)禁止で、ある程度本気で、派手にやる様に指示を出されたのだった。





ププッ気配の人!

ジョエル「ハハッ、それな!!まさかそんな風に呼ばれてるなんて!!あはは!」

姿見せてない&自己紹介されてないから仕方ないけどな!

トールゥド「……。」

ジョエル「ストーカーしてっからだよ。さっさと姿現して、就職活動しておいでって。ククッ」

まだ、ツボに入ってた。ジョエルさん。

ジョエル「まぁ、ここにいたら、いっぱい働かされるよ!無償でね!」

トールゥド「……。」ボソボソ

ん、それはそれで、ご褒美だって……マゾデスカ?

ジョエル「……はぁぁぁぁ。勘弁しとくれよ……。」


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