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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ユウリside

荒くれ盗賊さんのいるとこにゃ、こういうこともあるさね。


Byジョエル

熱くて、息苦しい。目が覚めると、薄暗い室内。何処だっけ?声を出そうとすると、喉がかなり痛かった。ああ、そうだ。盗賊のアジトに。そこまで思い出す。喉が乾く。水を荷物から取り出して飲む。ササメちゃんが居ない。

馬を置いてきたから、世話でもしに行ったかな。一息つくと、トイレに行きたくなってきた。流石に、洞窟内でも、こんだけ整備されていると、どこでもする訳にはいかないだろう。部屋から、ゆっくり出る。解熱剤の効果が切れているみたいで、また頭がフラフラする。

とりあえず、人がいる方に向かおう。トイレの場所くらい教えてもらえるだろうし。


「お前、新入りか?見ねぇ顔だな。結構きれいな顔してやがる。」

人がいたので、頭を下げ、最初に声をかけてきた奴に話しかける。

ユウリ「ト…イレ、どこですか?」

掠れ声でなんとか聞こえるように、声をだす。

「ああ、トイレな。こっちだ。」

何人かが目配せしている。嫌な感じだ。

何人か後からゾロゾロついて来る。見られながら、トイレを済まし出てくると、比較的若そうな少年が水を渡してくれて、去っていく。

気を使って持ってきてくれたんだろうか?ありがと、と言う間もなく走って行ってしまった。

また、喉も乾いていたし、飲み干す。その様子を下卑た感じで見守る男達。何なんだ。いったい。

胃の方が熱くなってくる。手脚が痺れてきて、男達が近寄ってくる。

これ、暴れても不可抗力だろ。向こうから来てんだし。さすが、盗賊。新人イジメかな。まあ、問題ねえけど。少し痺れるだけの毒なんてたいしたことないし。男共をなぎ倒していると、慌てて戻って来たらしい、クルスとササメちゃんが。

ササメちゃんが目に入るともう、それ以外、目に入らなくなって、思わずキスをして、ササメちゃんをめちゃくちゃにしたい衝動にかられる。手を壁に押し付け、首元を吸いつくとササメちゃんが「ゆ、ユウリ、」って戸惑った声を出していて、その声がたまらなく愛しくて…。ガツッ

頭に衝撃が入って、ササメちゃんの心配そうな顔が離れていく。白いもやがかかっていく。




ユウリは、ジョエルの警告全く聞いておりませんな。

ユウリ「?何が?」

ジョエル「知らない奴から出されたもん口にするなっつったろうよ。」

ユウリ「ああ、そう言えば、でも、流石に仲間内で何かしてくるとは思わなかったので。一応、中にいるから、盗賊仲間だと思うだろうし…。」

ジョエル「はぁぁ……。甘ちゃんなのか、バカなのか…。」

バカでいいだろよ。馬鹿ですよコイツ!うん。

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