ササメside
ササメ「やっとだよ!出番!」
ユウリ「…寝てるからって置いてかれた。…しかも、俺以外の男と一緒だし…。」
ササメ「ユウリ、置いてきてごめん。でも、浮気しないよ!そんな尻軽じゃないもん!!」
ユウリ「そんなのわわかってるさ!でも、不安になるのは仕方ねぇだろ!ましてや、ここんとこ、情けないところばっか見せてるし…。」
ササメ「ユウリ、私は、ユウリが情けないなんて思ったことない。すごく好きだし、か、かっこいいって思ってるんどからッ痛!」
あ、今、大事なとこで噛んだ。今、めっちゃ噛んでたよね?そんな、涙目のまま睨まれても怖くないもんね~。
ユウリ「解説なんか気にしないで、ササメちゃん。大丈夫?俺もササメちゃんが大好きだから。ありがとう。」
けっ!結局こうなるんかい!
風飛びで彼らの後を付いていく。ユウリは、このスピードだと、少しきつそうだった。少し遅れながらもついていく。雪の平原に、足跡を残さず通り過ぎていく。窪地だろうか、雪に覆われてはいるけれど、木が生えている。すっと、その中にジョエルさん達が降りていく。私は、小さな魔物が近くを通り過ぎるたびに、すばやく魔力を吸収していった。
馬は可哀想だけど、おいてけぼりだ。結界は張ってきたし、餌も与えてきたけど…。
途中、ユウリが咳き込むので、止まって背中をさする。探知を発動させたから、どこに彼等が居るかわかるし。ユウリの息が落ち着いてから、向かう。熱は少し落ち着いているのが救いかな。
洞窟?ここがアジト?中に入ると、綺麗に整備されている。薄暗い。通路の両はしに光ゴケが生えている。いや、生やしていて、それが黄緑色の光を発している。ジョエルさんの後を姿は見せないけど、誰かがついて来ている。気配が薄くて、暗殺者じゃないかと思ったが、ジョエルさんは気にしてないみたいだし、いいのだろうか。クルスさんに、コッソリ尋ねると、ああ、と遠い目になり、気にすんな、と言われた。ジョエルさんは、クルスさんに私たちの部屋の案内を頼むと、奥の通路に入っていった。
私とユウリは、部屋に案内されて、着くとすぐに寝てしまった。
私が目を覚ますと、ユウリは、まだ寝ていた。とりあえず、部屋から出て、クルスさんを探す。
ササメ「クルスさん、すいませんが、馬の様子を見て来ていいですか?」
見つけて、声をかけた。クルスさんは、かまわねぇけど、他の奴らに会わねえよう気ィつけろよって。男所帯だから、間違いあっても困るしなって。言ったあと、やっぱ、洞窟の出口まで、とか言って、ついて来てくれた。こんな子供体型の奴に間違いも何もない気がする。自分で思って、落ち込んだけど。
そう伝えたら、クルスさんは、微妙な顔して、ソレはそれで、需要がどうのと、ゴニョゴニョ言っていいた。首を傾げると、ああ、もぅ!なんでもねぇよ!って先を歩いてくれたので迷わなくてすんだ。
外に出ると、もう、日が高かった。お昼を少し過ぎた頃ぐらいだろうか。馬がいるところまで戻り、結界のまわりを彷徨いていた雪魔狼を狩ると、世話をやく。
まただ。ズクンと身体の芯が悲鳴をあげる。胸を抑え蹲る。ユウリが側に居ないから、隠す必要もなかった。息が少し上がる。時々、こうなる。我慢出来ない程ではない。でも、知られると、心配するだろう。クルスさんが側に来ていた。結局ついて来ていたようだ。
クルス「大丈夫か?ユウリって奴に隠すのは厳しいと思うぞ。」
ササメ「別に、ガマン出来ない程じゃない。ユウリは、今のところ気づいてないみたいだし。大丈夫だよ。」
スクっと立って笑顔で答える。時々、貧民窟に出かけていたのは、気になるからってのもあった。治療を上達させたいから。そして、この現象を隠したいから。
ササメ「それより、覗き見はどうかと思うな。龍は千里眼持ってるし、仕方ないけど。…ついて来てるし。」
頬を膨らませ、口を尖らせて言う。痛みが少し治まってきた。
クルス「よく考えりゃ、外も安全じゃねぇしな。客人として扱う以上何かあったら困る。」
ササメ「ふーん、そういうもんななんだ?」
クルスさんは、そういうもんなんだよ!って言って用事が終わったなら、戻るぞ!って急かしてきた。
クルス「次回は少しBL風味が漂うかも。つーか変態は撲滅してもなくならねぇのな!」
ユウリ「?BLって何?」
クルス「知らなけりゃ、その方が幸せなんじゃねぇ?気持ちわりぃだけだし。いるのオヤジ共ばかりよ?」
心配しなくても、未遂ですからね!!
しかも、本人全く気づかずの!!
クルス「次回、これ、いるの?」
……。