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ユウリside
「同じくらいの年齢の子で、ササメちゃんみたいに綺麗な子、初めてだからちょっと緊張する。」って早口で言って、なるべく後ろを振り向かずに前に進む。恥ずかしくて、後ろを向けなかった。「フフッ、お世辞、ありがと。でも、ユウリも同じくらいの年齢の子居なかったんだ。田舎って同じ感じなのかなぁ?あっ、じゃあ私達、友達って事で!」って言ってきた。友達って言葉が嬉しくて、思わず振り向いて「じゃあ、改めてよろしく!!」って言うと、ササメちゃんは「…うん、よろしく。」…勢い良すぎて驚かせてしまったようだ。再び前を向いて「あー、僕の家はあっちの方なんだ。」と、指しつつ「ここまで来ると、あと歩いて2時間くらいかな。」と説明する。「そんなところにあるんだ。」「うん。開拓村って言って、とっても小さなところで、初心冒険者用の依頼があるって聞いて、この間、妹と移動して来たんだ。ここら辺は強い魔物はいないって聞くし、寒さがきついとは聞いたけど、これから暖かくなってくるしね。」と言うと、ササメちゃんは「ふ~ん。」と何か考えているようだった。