表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪女と少年  作者: 干からびた芋
79/163

クルスside

結局、刺客(ギド)1さん、誰が運んだの?

クルス「姐さんに決まってるじゃん。…俺はイヤだ。」

ジョエル「まったく、情けないねぇ!」

クルス「すんません。」

クルスがやけに素直。ビックリ!

クルス「バカ、謝るだけで、嫌な事をせずに済むんだ、安いもんだろ!」コソコソ

え?そんな理由?しかも、小声で?

ジョエルさーん!!

クルス「ば、馬鹿野郎!何バラそうとしてんだ!そこは内緒だろ!」

ジョエル「ん?何が内緒だって?」

クルス「あ、いや、な何でもないっすよ!!」ドピュー!!

あっ、ちょいクルス、私を引きずって行くなぁぁぁああ!!


クルス「え!何!あいつらくるの?アジトに?」

驚いた。え?何?あいつら盗賊なる気?

ジョエル「客人としてね。ユウリの熱が下がるまでだ。」

ジョエルは坦々と語る。

ふーん。客人として、ね。

戻ってくると、あいつらテントに引っ込んで寝てやがんの。外から結界を壊してやると、ササメが飛び出してきた。

ササメ「あれ、クルスさんと、ジョエルさん?えっと…。」

ササメはキョトンとしている。さっきより、顔色が少しマシかな。

ジョエル「なんだい、アンタ、聴いてないのかい?ユウリが、熱下がるまで、ウチのアジトに来るって話でついてんだけど。」

ササメ「え?そこまでお世話になるの?」

ササメは、後ろを振り向きユウリに尋ねる。ユウリは、先程、起きてきて、素早くテントをたたみ、ササメの(そば)まで歩いてきていた。

ユウリ「ああ、ちょっと事情も変わったし、今の状態じゃ、キツイしね。」

ユウリは、(ジョエル)さんと、お金の話をしようとしてたから、

クルス「んだよ、じゃあ、これが宿代でいいんじゃねえの?」

って、ササメがくれた、涙を出す。

(ジョエル)さんはギョッとして

ジョエル「あ、アンタ、これ…。向こうで話した時に貰ったのかい?…これだと、貰いすぎだ。… はぁ。」

ササメは、それはお姉さんを買い戻すために渡したもんだし、ってわたわたしている。それに、あげた物だよ?って。俺は「まぁ、タダで貰うのは気が引けてたし、ちょうどいいだろ」って押し切った。

ササメ「あっ、その人、生きてたんだ。」

ジョエル「ああ、なんとかね。まぁ、どっちでも良かったんだがね。」

とかいいつつ、なんだかんだで、助けるんだよな。姐さんは。まぁ、犠牲出すなら必要最低限。そう、決めてるみたいだ。助けれるなら助け出す。

ササメは、ギドの奴に近づき、手を充てると、ドレインをかけていた。中の卵と、蜘蛛の幼虫を吸収するんだろう。虫下しを何回も飲ませなくて済んだな。

ササメ「よし、これで、虫の方は大丈夫。毒は消してあるみたいだし…。ジョエルさん、すいませんでした。決着した時点で、私が行かないといけなかったのに…。」

姐さんは、じっと、ササメの手を見ていた。

ササメ「ジョエルさん?」

ジョエル「…アンタ、魔力の精密操作、誰に教わった?」

無表情のまま、姐さんは訊いた。

ササメ「?私を捕まえた冒険者の方と、牢にいた雪女の先輩からです。特に、細かな操作が必要な時には、冒険者の方が私にしてくれた事を参考にさせてもらってます。」

ジョエル「その冒険者の名は?」

ササメ「すいません…知らないんです。教えて貰えなかったので…。あの、でも、どうして?」

俺も、どうして姐さんがそんな事、気にするのか疑問だった。

ジョエル「…いや、知らないなら、いい。すまなかったね、質問攻めして。」

姐さんは、気持ちを切り替えたのか、そう言って、「さぁ、アジトに行くよ。ついてきな。」って言った。

ササメとユウリは、テントや荷物をすぐにまとめて、後ろに続いた。結局、アジトについたのは、朝方。俺は、適当に、空き部屋を2人に宛てがうと、自分の部屋で寝ることにした。




ジョエル「ったく、ディアスもレンも何してんだろうねぇ。情けない。」

ほえ~?どうして?

ジョエル「だって、ディアスは考え浅いし、レンに至っちゃ、悪事の片棒担いでるくせに、中途半端。」

それは、ジョエルさんも同じでは?

ジョエル「アタシはいいんだよ!アタシがルールだからね!」

ええ??なんですとー?そういうタイプだったですか?!

ジョエル「アタシは、始めっから、この辺の女王だって言ってただろう。」

…ああ、そういえば、ソウデシタ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ