ササメside
ササメ「ユウリ、ユウリ。今回、すごく頑張ったの!褒めて褒めて!!」
うわぁ、メッチャ目ぇキラキラですやん!しかも頭突き出して、犬ですか?これ、犬ですか?
ユウリ「うん、よしよし。」(ササメちゃん、可愛い。)
何?この雰囲気?
ササメ、ユウリ「解説、邪魔。」
はい、すいませんねぇ!!ほんっっとお邪魔様でしたー!!
ユウリの他に2つ、感知した時、さっきの奴らが囮だったのだと理解した。氷系統の魔法で、自分がいないという幻覚を見せれるようにして、風飛びで移動する。ユウリが捕まっていた。殺されていない事にほっとしながらも、状況は余り良くない。
髪の長い女性が大きめの声で、ユウリに部下なるか、死ぬかを尋ねている。何処まで気づかれずに近づけるかな。ユウリをあの男からなんとか離さないと…。ユウリは、苦しそうに咳込みながら、私の安全を保証するなら部下になってもいい、と答え、女は、私に大人しく出て来ないとユウリを殺すと、遠まわしに脅した。バレバレだったみたい。
でも、ここまで近づけたおかげで、男が、人間じゃなくて使い魔だってわかったから、ユウリの周りに竜巻を発動させた。男は腕を少し切ったくらいで、女の人は、すぐに離れることを想定してたし、実際、無傷だった。
相手からユウリを取り返すと、風邪の熱が上がっていて、必要最低限の回復と、相手から逃げ出すための作戦を少し話す。魔力が切れる前に、竜巻を消したけど、もう魔力が少しだけ。しかも、男は、魔法耐性の強い相手だから生半可な魔法は無駄打ちになる。女の人は、傍観するみたい。魔法使って来てくれたら、魔力吸収するのに…。
まぁ、2人で来られたらキツイし、良かったのかも。
魔力で肉体強化を施して攻撃を受けたり、攻撃したりしたけど、相手は肉体強化もせずに、使っているのは風飛びだけ。龍だね。羨ましいなぁ。
元々の肉体のスペックが違うもの。
魔力使いすぎでキツイし、休憩したいよぉ。
そんな時「ササメちゃん!」ってユウリの切羽詰った声。男が、魔法を使う。しかも、詠唱って強いやつよね。まずい、魔力残ってなくて、受けきれない。先に攻撃して、魔法を崩さないと。風刃を飛ばすけど、いきなり、身体の芯から痛みが奔る。
魂への直接攻撃。龍の特殊魔法。
風飛びも維持出来なくなって、前のめりに、墜ちてしまう。男が奴隷印を消す方法を訊いてきた。なんとなく、この男が、何の為に使い魔をしているのか、わかった気がした。
でも、私の方法は使えない。
だって、あらかじめ、一方行で使い魔契約をして、仮契約破棄をしてないといけないから。同情はしない。ユウリを殺しに来てるやつに容赦なんてしない。龍の鱗が落ちて傷ついている方の腕に両手を伸ばして生命力吸収を発動させた。相手は更に、魂への負荷をかけようとしてきた。
その時だった。
「ササメちゃん!もう辞めてくれ!」
「やめな!クルス。殺しちまったら意味が無い。」
ユウリと女の人が、同時に制止の声をあげる。
クルス「ハッ!なら、生命核への攻撃はしねえよ!こっちなら死にゃしねぇだろ?我慢比べにゃ違いねぇがな。」
クルスは楽しそうに、口角をあげ魔力を込めた拳を脇腹に差し込んだ。
意識が飛びそうになる。けれど手を放さずに生命力を吸い上げている。脇腹の治療した傷口開いたなぁ。
「両方辞めるんだよ!!これは失敗だ。どっちにしろ、こっちの負けさ!こっちは諦めるから、辞めな!」
「ハッ!これからって時に何をゆってんだ、おばさん!」
「クルス!熱くなってんじゃないよ!言葉づかいも!ペナルティ2だ!!」
「…グァァ…。わかったよ!やめりゃいいんですよね!」
「ササメちゃんも!もう、これ以上は!」
その声を聴いて、意識を飛ばした。
ジョエル「さてと、おばさん?だれがおばさんだって?」
クルス「!!あっいやぁ?…そんなこと誰が言ってたんですかね?そいつ、懲らしめてきますよ!」ダッ
あっ、逃げようとしたクルスの襟元をジョエルさんが掴んだ。スゲェ残像残ってたよ…。
ジョエル「いやぁ?それには及ばないよ。何しろ今から、自分できっちり懲らしめるから、ねぇ!!」
ひぇえ!!笑ってるのが怖い…怖い…。ガタガタ
クルス「へぇ、いや、……誰か助ろぉぉぉぉぉぉおおお!!!」
おお、地面にすごい引っ掻き傷が………。ジョエルさんって怪力って、ふぁあ!クルス、放せ、掴むなぁあ!私には関係ねぇええええ!!!
クルス「し、死なばもろともってなあ!散々余裕ぶってた罰だ!」
ジョエル「おやぁ、誰が他人巻き込んでいいって?」
クルス「あ!いやあ?これはその、違うんです!一緒の体験したいってコイツが!!…ピィギャャャヤァァァァァアア!!!!」
……自業自得……なむさん……。