ササメside
ササメside
えっと、結局、ダンジョンの後はレシーラさんと一緒に食事して楽しみました。
ササメ「最初、失礼な態度でごめんなさい。とってもいいお姉さんでした。」
レシーラ「まぁ、パーティー組む以外で困ったことがあったら、相談くらい乗るよ?これも、1つの縁だしね。つっても、まぁ、技術が欲しいなら、盗賊ギルドの門を叩いてもらうけど?」
そう言って、颯爽と去って行かれました。まぁ、その街も離れましたが。
追っ手がメンドーですよねぇ…。
ユウリの身体が熱い。いつもより。馬の上に乗り異動していると、ユウリの体温が背中から伝わってくる。ユウリはまだ自覚がないのか、しんどいのに無理してるのか、どっちなんだろう。早めに休ませたいけど、町がまだ遠い。転移陣で、大きな街に移動しといた方が良かったのかも…。町に着くまで、後1日はかかる。風であたりの雪を削り取り、吹き飛ばす。ユウリは淡々と、テントの設営をする。本当は休んでいて欲しかったけど、これくらい、すぐできるからって。体力回復の魔法をかけたり、魔力を分け与えて、あと、あと、…。「ササメちゃん、食事終わったら、すぐ寝るし、大丈夫だよ。おとなしくしてるから。」
テンパってると、そう言われた。その間にも、ユウリは、保存食をボソボソ食べて水を飲んでいる。とりあえず、結界は保温と魔物除の張ったし。ユウリは、毛袋に入って横になっていて、出来る事もうないかな。ユウリの額に手をのせる。ユウリは「ありがと。」って笑って目を閉じる。ユウリが寝ているのを確認してから、なるべく近くで魔物を刈り取って食事をした。
…こういう時も、この手の奴は来るのよね…。
3人…か…。
私は深く外套をかぶりながら、立って待つ。
氷魔法のミラージュ…幻覚魔法でユウリに見えるようにして。
刺客1「へぇ、一人で、堂々と待ってたわけだ。」
「…。」
喋るとバレる…どうしよう…。
刺客2「おい、さっさと雪女を渡せ。そうすりゃ、命だけは見逃してやるよ。」
そりゃあ、お優しいことで。殺気飛ばしながらじゃ、説得力ないですけどね。ってかアンタなんかにユウリがやられるわけ無いじゃん。クビを横に振って、ため息をつく。
と、そのすぐあとに、刺客3が後ろから飛びかかる。まぁ、バレてますけど。風飛びで攪乱しながら、ユウリのとこからなるべく離れる。とりあえず、乱戦に持込まないとね。刺客に幻覚魔法を被せたりして、攻撃してもらい、と、ヤバイなぁ。刺客1、この中で1番厄介だから、真っ先に潰れて欲しいけど、痛っ!だから、接近戦って好きじゃないのに…。なんとか、刺客2と、3を沈める。お互いに、潰しあって貰った。けど、危なかった。刺客1が「幻覚魔法だ!騙されるな!」って叫ぶから。一足遅かったけど。魔物も、チョコチョコちょかいかけて、誘き寄せてたから、大怪我した状態で、ウェアウルフの群れの相手をしてもらう。もう、あの2人は問題なく殺られるでしょ。毒塗ってあったみたいだし。問題は刺客1だよね。
刺客1「まんまと、騙されたわけだ。…お前が雪女だな。」
バレたら仕方ないか。雪女って事まで…やっぱりこの中で1番厄介な奴だったわね。
ササメ「ええ。そうよ。どうしてわかったの?」
刺客1「後ろの脇腹にナイフ刺さったろ?外套にキズが無かったからな。血糊もな。」
そんなの付く前に速攻で治したよ。まぁ、外套に穴は無かったね。それに、声を出さなかったから、かな?
ユウリ本人なら声出せるもんね…属性も違うから、そこからバレたかな。…毒かぁ…。
刺客1は少しだけ余裕がある。
…のってくれるかしらね。雪女で攻撃できない。しかも、喋ってるから、確実に本人がいる。そう判断してくれたら、後は…。
刺客1が普通に突っ込んで来た。風飛びで逃げ出す。ある魔物の前に来ると、止まって、観念したかのように振舞った。後ろの魔物を隠して。これ、後ろから来られるとキツいんだけどなぁ…。毒が回ってガクンとなる。その瞬間、刺客1が攻撃してくる。ギリギリまで引きつけてから避け、相手が反応しようとするが、そのまま、相手の手を魔物に突っ込んで行くように、相手の手を掴み、勢いをつけて、刺客1の背中を蹴り込む。地中魔蜘蛛が相手を地中に引きずり込むのを確認してから、風飛びで、離脱する。身体が、うまく動かないけど、ここから離れる方が先だった。
せっかく、思惑通りに事が運んだんだし、今、魔物に目をつけられるのは厳しいもんね。
ある程度、ユウリの近くまで戻ってくると、自分で背中からナイフを差し込んで、引き抜く。同じ脇腹あたりを引裂いて。
自分でやるって、けっこうキツいんだけど、毒消しをしてから、また、治療する。2度目だから治りにくい。刺客1は痺れ薬を塗りこんでいた。恐らく、毒耐性とかを警戒したのかも。かえって助かったけど。
何の毒が仕込まれたのか、わからないまま治療したから、怖かったけど。まぁ、賭けに勝ったって事で良いよね。冷や汗を引かせてから、戻ろう。あんまり、遅くても、ユウリが起きて心配するかもだし。って、あれ?…ユウリが寝床にいない?どうして?何処に…。テントを中心に感知魔法の範囲をひろげる。…居た。
刺客1「いや、雪女って判ったのは、一切攻撃してきてなかったり、しかも、魔物を使うなど、回りくどいやり方してたからだよ。」
ああ、冷静に判断出来れば、そうですよね…。
刺客1「しかも、刺客2、刺客3程度を瞬殺しなかった。」
刺客2、3「ええ!瞬殺されるような俺らをどうして連れてった!!てめぇ、俺らを謀ったのか!?」
刺客1「それ言うなら、俺ら全員、囮だから。しかも、俺も魔物の腹ん中だ。一緒だよ、お前らと。ほら、お星様になったんだよ。…あはっ、あははっ」
刺客2、3「…刺客1が壊れた…。」
まぁ、雑魚キャラだったっつー事で?仲良くお星様になりましょう。
刺客2、3「くっ、人事だと思って!解説め!!」
刺客1「~キラキラひかる~無名のほしよ~あははっ」
刺客2、3「やめろー!!!それ以上、自虐するなー!!お俺らまでピンポイントで巻き添えじゃねぇか!」
ああ、名前、出なかったですもんね。(笑)
刺客2、3「くっ、ちくしょう!!覚えてろよ!!解説!!」
むーりー(笑)。