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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ディアスside

えっと、時間軸的には、ササメの脱獄前の話になります。

3年。長いようで、短い。ユウリは頑張った。それでも、Sランクは厳しいと、いや、無理だと思っていた。

正直、ユウリが狙われた時、自分の身を守る程度の強さがつけば、それでいい、と。

剣の足運びや、打ち合いでの躱し方を徹底的に、身体に教えこんだ。もちろん、最初のうちは何度も気絶していたユウリだったが、次第に受け流し、うまく距離をとったり出来るようになっていった。打ち合いで、ある程度、時間が稼げるようになると、風飛びを並行して教えた。もちろん、打ち合いで使うように指導しながら。風魔法が、どうしても弱く中々うまく行かない中で、ユウリは火魔法も並行して使い、爆発と風を組み合わせていった。風飛びの補助として、緩急をつけるのに、足の裏で爆発を起こし、その勢いを利用した。それは、攻撃魔法を使う時にも、その成果が現れていた。ドジや不運は、相変わらず続いていたが、それをフォローできるだけの器用さも身につけていった。

Aランクに上がり、ギルドでも注目されるようになってきたので、ユウリにギルドの依頼をこなして、訓練を続けるように言い渡し、自分の用事を済ませに行った。

数日で帰ってくると、ユウリが戻ってきていなかった。

ギルドでパーティーを組み、ダンジョンに潜りに行っているらしい。

「…あいつとパーティー組んだ奴は大丈夫か?!多分、ダンジョンだと罠が多いだろうし、片っ端から引っかかってんじゃねぇ?…」

まぁ、それでも、なんとかするだろうけど…。

嫌な予感しかしねぇ………。

なんでダンジョンなんか選ぶかねぇ…。点数以上に日数かかり過ぎだろ…。

まぁ、この間に、確認しておくことを先にしておくか、とユウリがいない間にしておきたい事をしに行った。


ユウリとパーティー組んでいた奴が戻って来た。がユウリは戻ってきていなかった。パーティー組んでいた奴に聞くと、下の階のボス部屋手前で戻るつもりが、ユウリがドジって入っちまって、そこでドラゴンが出たらしい。ある程度隙を見て、ダンジョンで手に入れた転移石を使おうってなったらしい。で、戦いながら爆発を何度か当てたりしていると、ドラゴンが攻撃した時に、爆発の座標が狂って、天井が爆発し、崩れてきた。組んでた奴はその時に離脱したが、ユウリはドラゴンの牙に服が引っかかっていて、転移出来ない状態だったらしい。あの状態では助からなかっただろうと話してくれた。普段のドジや不運を見ているだけに、心配はしていたが、多分大丈夫だろう…。あいつの回避能力低くねぇから。


翌日、ボロボロのユウリがドラゴンのドロップ品を持って戻って来た。なんとかなったらしい。よくよく話を聞くと、

いやぁ、ダンジョンって罠多すぎですね…。おかげで、何処かに転移石は落っことすし、ボス部屋の前の罠のせいで、ボス部屋に飛び込んじゃうし…。ドラゴン、無理かなって思ってたんですけど…天井崩れてきた時にドラゴンの頭殴りつけて身体の下に潜り込んで、思いっきり爆発させたらなんとかなったみたいです。天井の石はドラゴンが全て受けてくれましたし、ドラゴンの下から撃ち込んだので、下敷きになって、消えるまで、身動きとれなかったですよ~。なんとかドロップ品に変わっていったので、それを回収してから、罠に落ちている転移石を見つけて、使って戻ってきましたよ、あはは…。ちょっ、殴らないでください。マジで限界ですって。ハハッ…やだなぁ、ポーション出してどうしたんです?…いやぁ、今から訓練は…ちょっと、…それに、もったいないですよね…高いし…ディアス師匠?…ちょっ、聞いてます?ねぇ…首締まりますって…せめて明日からー!!!

さて、まだ避ける余裕があるようだし、回復ポーションで快復させたら、ボコるか。と、逃げるユウリの首に手を回して引きずって行った。「フハハハッ、敵さんは待ってくれんぞ!何しろ、お前は厄介事を引き当てる体質みたいだしな。」


後日、ドラゴンを倒して手に入れた核と素体をギルドに提出した事によって、ユウリはSランクになることができたのだった。


さて、この村?をそろそろ離れるか…。ギルド長との約束は果たしたし、報告もしてきた。ユウリに伝える事は伝えたし。

「気ままな、放浪旅にやっと出れるなぁ…。頑張れよ、ユウリ…」

何しろ、3年耐えてくれたササメの為にもな…。













ディアスさんは相変わらず、いい(ひと)は現れなかったようです。

「解説うるせぇ!彼女できねぇってわけじゃねぇよ!つくらないんだ。」

強がっちゃて。そんな事言ってるとほんとに彼女出来ねぇぞ。

「…ん?覚悟は出来てんだろうな。」

やですね、どうしたんです?握りこぶし作って…。そんな、短気じゃ、ダ、メ、ですよ~?あはは…に、逃げます。サラバ~

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