ディアスによるユウリの考察
ユウリは筋は悪くなさそうである。努力家で、無茶をしがち。その証拠に、魔力の流れがなめらかで、毎日訓練している事が解るし、そのおかげか魔力の量もそこそこに多い。あれで、魔法が発動しない方がおかしいのだが…。
剣の型を習って2日、筋力も少しついたか、ナイフの扱いもソコソコ上達してきている。
だが、何故だ!
Eランクの魔物を倒させている時だ。木の上から落ちて胴体に突き刺すだけだった。タイミングもよかった。なのにその瞬間、親の尻尾を子供の魔物がじゃれついて、噛み付き位置がズレ、乱戦に。
「あっ、うそ!」「ブ、ブヒッ!ブヒー!」
仕方なく、割り込んで退治したが、ランクが足りてないにも関わらず、10分持ち堪えてみせた。
枝から枝へと飛び移る訓練も、器用にこなせていたんだ。
「ほどほどにしとけよ。」「はーい。」
最後に、崖の近くの所に生えた木の枝の上で、景色を見ようとしていたようだ。乗った枝は、ソコソコ太かったのだ。しかし、木食虫に内部が喰われボロボロだったらしく、枝の元から折れて、崖下に。
「ええっ!な、何でええぇぇ!!」
途中でナイフを突き刺し減速。肩口の負傷をする。対処は素早かったし、やはり、素質はあるのだがな…。
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魔法については、確認してやっていたら、よかったのだが。基本無詠唱で発動するため、何を放とうとしているのかわからないところがある。
「俺は、風飛びぐらいしか、覚えてないし使えんし、な…。」
まさか、系統も確認せずに、練習しているとは思わなかったのだ。ユウリは火焰系統なのに、必死で水氷系統の魔法を発動しようとしていたのだった。
「ええっ、系統ってなに?」
これに気づくのに半年もかかったのは悔やまれる。「何で、系統も知らんのだ!」「ササメちゃん、んな事言った事なかったからさ…。」
が、このおかげで、ランクは一気にCランクの依頼をこなせる迄になったのか?
「ギャー、火事だー!!」「おい、早く消さんか!」「ええっ、どうやって?」「自分で発動したものは、消えろって念じたら消えるわ!!」「そうなの!?」「ってか何でそんな初歩も知らんのだ!!」「ササメちゃん、そんな事一言も…「あー!それはもういい!」…はい。」
風が少し使えるので、風飛びはマスターさせてやりたいものだが、あまりに、ついてない&ドジなので、どうしたものか。下手すると大怪我に繋がりかねない…。スピードが出すぎるので、制御に失敗した時の反動が…。Aランクにするには、避けて通れないのだが。…あれだ。取り敢えずは、足運びと、剣の使い方をだなぁ。俺にゃあ、それぐらいしか教えられん!どうせ、この間は、せっかくBランクの大物の魔物を倒せたとゆーのに、カッコつけて着地して油断したのか、立ち上がって報告しようしたのだろうが…上に上げて始末したら、落ちてくるのわかってるだろうが!!何故よけない!
「やった!師しょプギャ!!…ディアス師匠ー!!頭抱えてないで助けて!足捻ったので!!重いんでー!」倒した魔物の下敷きに。「油断大敵!知らん!大体、お前は自分が出した炎だから大丈夫だが、俺が行ったら火傷するだろが!自分でちゃんとしろ!…ハァ…。」足を怪我してたし、逃げる足を上達させるのも大事だろ!たぶん!
ユウリは、妹に対して嘘をつくようになりましたとさ。
ユウリ「いや、普通に足滑ったって言った方が良いかなぁって。崖から落ちたって言ったら心配するじゃん。」
ディアス「落ちて、怪我してる時点で、どっちにしても、心配すると思うぞ…。」