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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ジュリside

今日も、お兄ちゃんを起してパンとスープを一緒に食べる。お兄ちゃんはまだ眠そうだ。昨日も遅くまで、魔力の練り上げる練習をしていた。しっかり食べ終わると、

「お兄ちゃん、行くですよ!」

「そだな。今日も1日頑張ろう!ジュリは別にいいんだぞ?」

お兄ちゃんは、私を危険に晒したくないって毎回言ってくる。

「…へぇ…。そんな事言うですか…。何?昨日お兄ちゃんの腕、治したの誰だったです?」

ニッコリ笑いながら言った。

何しろ昨日、お兄ちゃんはすっぱり肩口から大きく擦りむいていた。私は最近、聖堂でお手伝いを始めた。ササメさんが今までは何とかしてくれてた治療を、私が何とかしなくてはいけないと思ったから。幸い、祝詞を間違えずに言える事、少しでも魔力の素質がある事。この2点さえクリア出来れば、治療魔法の発動は出来る。治りぐあいは、熟練度(魔力の質と量)と信仰によるらしいのだけど。ジュリはまだまだなのです。

「うっ、でも、冒険者はさ。…僕みたいに怪我が耐えないから。女の子で怪我したら…ね?」

タジタジと言い返したお兄ちゃん。ですが、甘いのです。そんなので、このジュリ、追っ払えるとでも?

「冒険者で、ほぼ毎日怪我してるの、お兄ちゃんぐらいです。」

ジトーと半目でお兄ちゃんを見る。兄が反論しようとするので、たたみかけるのです。

「それに、ジュリが身体を鍛えてるのは、お兄ちゃんが心配だからですよ?その証拠に、ジュリは、村の外には出てないですよ?朝練以外は。安心させて欲しいものです。ねぇ、お兄ちゃん?」

何か言えるもんなら言ってみろとばかりにジトーっと見てやるのです。兄は全力で視線をそらした。

「それに、ササメさん、取り返す為に早く強くなりたいなら、四の五の言わず、利用できるものは利用しなきゃなのです。」

「それと、妹とはまた別っていうか…。」

昨日は、身体能力のみで、木の枝の上を跳んで移動する練習中、足を滑らせたらしい。ディアスさんは仕方なく、依頼を一旦中止して衛兵3人に預け、依頼をこなしてくれたらしい。

もちろん、衛兵3人は仕事の合間に、しっかり兄を鍛えてくれてますよ!休むように言われたのに、お兄ちゃんが頼み込んで!青タン赤タン、しこたまこさえて、私が無系統で魔法が使えなかったし、(っていうか、どの系統でも、弱治癒はあるのに、なぜ無系統だと治癒も使えないのです!)聖属性を身につけて、弱治癒を身に付けないと。兄の体にガタがきてしまう。魔法が使えるなら、神の御業でも何でも良いのです!!治せれば。

信仰すれば、使えるのなら、いくらでも信仰してやるのです。不信心?知ったことかです!

ジュリの気持ちも知らないで。

まったく!と悪態をつきながら、衛兵さんの所に行く。お兄ちゃんと一緒に。

「言ったですよ。私も一緒に強くなって、ササメさんを取り返すって。高ランクの冒険者になるのが、一番の近道なんだったら、なってやるです!」

という訳で、今日も修行なのですよ。足手まといだろうが、なんだろうが、ついて行くのです。お兄ちゃんの言いつけ守って、村の外の仕事は、ついて行ってないのです!むしろ褒めて欲しいぐらいなのですよ?お兄ちゃん!?

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