ササメside②
暗いです~。すいません。
何だか、固くて痛い。手を動かそうとしても何かに固定されている。頭も。ゆっくり目を開ける。固い金属製の椅子と床。壁は石畳なのに、変な感じだ。部屋は暖炉が焚かれていて、結構熱い。こういう時は、白い着物で良かったと思う。まだ、熱が遮断されるから。夏に暖炉焚くなんて何考えてるんだろう。火ゴテが何本か刺さっている。手足はワイヤーで固定されている。頭は何かベルトっぽい幅のあるものだろうか。頭がぼうっとする。ギイイイィと木扉の音がして、ヒョロっとした、小柄な男が入ってくる。
「あの、これから何をするの?」
グフェッグッグフェッと不気味な?変な笑いをして、答える気配がない。
火ゴテを弄りながら灰をかき混ぜている。先の小さな火ゴテを選び、こちらに近づいてくると、勢いよく手の甲を刺そうとしたので手だけを器用によけた。
「あの、そんな事したら痛いし、嫌なんだけど…。」
ワイヤーの方で手首が少し切れた。
グヒャヒャヒャッ
その人の目は濁っていて、顔は愉悦に歪んでいる。顔の皮膚も焼きただれたような跡があり、不気味だ。
「それに、奴隷印が刻まれているから、焼印は不要でしょ?それに、治るし、跡が残らないのよ?」
やる事なす事、意味がわからない。
ギイイイィと音がして、太った人が入ってくる。
「おい、涙は採れたか?品質を確認するために、2、3粒先に渡せ。」
「ヒヒャッ、生きが良いようで、逃げますれば、まだでございます。」
「フム、時間が勿体無い。」
太った人がそう言うと、突然身体の芯からものすごい痛みが頭に駆け上がる。
「取り敢えずは、死なない程度に痛めつけて、採取出来るだけ採っておけ。」
「フヒャ、わかりました。ジックリ取り組ませて頂きます。フヒャ。」
先程、涙が落ちたのか、それを小さい男が拾い、太った男に手渡している。
ああ、痛めつけられるのか、とその時ようやく理解して、グッタリその様子を眺めた。
ギイイイィと音がして、太った人が出ていく。
癇に障るようなグフェッという笑い声に、思いっきり顔を顰めた。小さい男はそれがまた堪らないかのように、顔を歪ませて笑った。