ドランside
朝早くから、起きて、人の少ない時間帯に村の入口の外側に出た。もう、エトセも出てきていた。やる気になっているユウリ坊と、…あ〜えっと、浮気か?ササメと同じくらいの少女がチョコンと座っている。ノルガは立ち番だから居るのは当然。ノルガと立ち番を代わり、とりあえず、型の打ち込みをして貰う事にした。エトセとノルガは問題ねぇが、ユウリ坊とあ〜、聞いてみるのがはえーな。
ドラン「ユウリ坊、ソイツはどーした?まぁ、打ち込み練習にゃあ、ちょうどいいけどよ。お嬢ちゃんも、迷惑なんじゃないか?」
ユウリ「あ、妹のジュリです。どちらにしろ、身を守る術は必要ですから。」
ジュリ「お兄ちゃん!!ササメちゃんが攫われたんだよ!ジュリだって強くなって、お金稼ぐの!!取り返すんでしょ!一緒に行くんだから!!」
あ〜、そういう事なら、問題ねぇか。
ドラン「なら、とあえず、この型をお互い覚えるまで繰り返ししてくれ。」
防御の型と攻めの型を見せて体が覚えるまで繰り返しだな。筋力もつけねえといけねぇし。あとは、エトセとノルガが完璧にただの打ち合いになっている。
ドラン「エトセ、脇が甘い。ノルガ、攻めが単調だ。お前の方が弱いんだから、もうちょい考えて攻撃しねえと、エトセの練習にならんぞ。」
とりあえずの問題なのは、ユウリ坊とジュリ嬢がほぼ互角ってとこか。あっ、転けた。おい!冒険者が、素人に負けてどうする。あっ、魔法と呼べないようなやつだけど、魔法使いやがった。
ドラン「おい!型の練習は剣の練習だぞ?魔法は禁止だ。そよ風でもな。大体、妹に魔法使うな。型守れ!」
ん?ユウリ坊、魔法使えるのか。なら、そっちも伸ばさねぇと、な。ってか3年でFからAランクまで上がるのか?まぁ、それぐらい、しとかねぇと闇商がササメの涙搾り取るために、こいつに手ぇ出さねぇ保証がないから、強くなって貰わんといけんのだが。そこは、ほら…ディアス、頑張ってくれ…。おっ!ディアス、来た。
ディアス「ドラン、朝の門番募集の件、一応ギルドに出しておいた。あと、…の件だが、出来れば、だれてきたりした時に、教えてやってくれ。これも、渡しておく。」
ドラン「ああ、ササメ嬢の髪留め。…大丈夫か?アレ…。あと、俺も訓練したいんだがいいか?」
ディアス「ああ。先に、この依頼で出るから書類宜しく。パーティ申請も済んだしな。…アレは、湖で確認してる。何とかするさ…。Sは無理でもな…。」
書類をサッサと済ませて、お互い構える。
ドラン「あそこまでとは思わなかった。3年冒険者してて…ササメ嬢、苦労してただろうよ…。」
キン!カン!ガキィ。
ディアス「いや、だからだろ。危機感全く無しじゃ、成長しねぇよ。足場を確保すんのは基本だ。ナイフの使い方もなっちゃいねぇ。大体、あそこまで、魔力練り上げて、あの魔法は無い。練り上げはかなり上手いのに、発現がなっちゃいねぇ。魔法が使えりゃBCランクまではいけるだろ。」
軽く合わせてから、槍をブンと振り回す。軽く流される。キィィィ。気がつきゃ、アイツらサボってコッチ見てやがる。「はえー…。話しながら、してる?」「軽く、流してるところなんだろう。でも、あそこからのバックステップとドランの突きはただ躱してるだけ、でもすげぇ。横薙ぎと、袈裟斬りの分だけしか剣使ってねぇ。それも、上手いこと、軌道を逸らすだけに使って、石突きは、柄のとこで防ぐし…。ディアスさんの方が格上すぎる…?攻撃出来たのに、してねぇっぽい。」「えっと、Aランク同士って凄いね。何してんのかわかんないけど。」「ですぅ~…。あれ、目指すんだよね。お兄ちゃん…。」
ドラン「おい!てめぇら何サボってるんだ。ノルガ、エトセ、おめぇらは俺が、扱いてやるよ。」
俺は、ディアスに礼を言って、2人を鍛えるために呼びかける。ディアスはユウリ坊と依頼をこなしに行くようだし、妹は村の入口に戻っていく。冒険者見習いの身分証で。俺は、書類を済ませて、誰もいない事を確認して、入口も気にしながら、2人を鍛える。
ドラン「おら、そこ癖があるぞ。こっちは、と…お前、これ終わったら、突き練習だ。立ち番時にずっとこれしとけよ。剣かナイフをメインに冒険者してただろう?槍にまず慣れねえとな。」
相手の攻撃を全て躱して、2人に青タンをこさえていく。ちょっと、ボロボロんなった所で、書類をしに行く。まぁ、自腹で薬も用意しとくか。あれじゃ、あとがキツそうだ。
「…鬼だ…。鬼がいる…。」
ノルガ、覚えとけよ。誰が鬼だ。聴こえてるんだよ。
ドラン「お、すまねえ、ちょいと待たせちまったな。ほい、確かに。あ、その薬草多めに採れたら、こっちにも、この金額で回してくれねぇか?…ああ、すまねぇ、よろしく頼む。」
Eランクの冒険者が、山の横の森に向かって行く。さて、立ちながら出来る筋トレとイメトレ(イメージトレーニング)をしながら、今日も、村の入口に立ってるよ。
ユウリ坊、頑張れ。無料で冒険者指導、受けれんだからさ。それに、Sランク、仮に成れたら、買い戻さなくても、使い魔契約仮破棄を解除すれば(もう一度使い魔契約すれば)奴隷印が消えるって事、知らせてやるよ。途中で弛れるなんて無いだろ?ユウリ坊はさ…。