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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ササメside

今日も、来るかな?

最初に会った湖の端で木の上から、気配を隠して待っていた。

あの頃みたいに。


ー回想ー


「あっ、ユウリおはよー。」

「ササメちゃん、おはよー。今日は薬草採取の依頼なんだ。終わったら魔法教えて?」

「了解!!んで、薬草はどんなの?」

「風邪に効くエノボウシ茸の胞子と、雪見の舌草の舌が要るって。」

「これなら、こっちの方で見たよ。これはあっちの方かな。」と、指さして説明してから「一緒に行こう」って案内した。

薬草採取が終わると、まずは魔力を感じさせるために軽く魔力を流し込んだり、風属性の弱治癒を当ててみたりした。その日は、それで終わったかな。

次の日は、針ハリネズミの毛皮を集めないといけなくて、私が討伐すると凍っちゃって皮がダメになるから、ユウリに任せて見てたら、時間なくなっちゃって、魔法練習出来なかったっけ。結局、そのあとは、2人手分けして出来る薬草採取メインになっちゃったんだよね。


街の中に入れるようになってからは、ユウリに妹紹介してもらったり、待ち合わせがユウリの家になったり、そうして、ここで待つことが無くなった。


また、ここで待つことになるなんて、と変な気分だった。

ーーー



まだ朝の早い時間帯だった。湖に人の気配が近づいてきていた。ユウリかなって思って期待したけど、途中で人の気配が消えた。「あれ?途中で人の気配が完全に消えた…。」おかしい、そう思った時、慌てて場所移動して気配探索を切り、自分の気配を完全に断った。その時、ほんのさっきまで居た場所に、大量の氷の矢が刺さる。ぞっとして、動けなかった。そのまま場所移動したところで、じっとして気配を断ったまま、''どうか、見つかりませんように''って強く願う。あれほど、気配探索が上手いという事は、それだけの手練だからだ。私が気配探索をかけていたのに気付いて逆探査されたのだ。


「それで、隠れているつもりか?」

真後ろから声をかけられ飛び退くと同時に、氷の盾を展開した途端に、相手の氷魔法で相殺された。なんとか、距離は取れたけど、背中がゾワゾワしてくる。なんとか、逃げ出したいけど、背中を向けたら、すぐに殺られる、と思った。震えを抑えつけ相手に悟らせないようにしながら、

ササメ「いきなり、なんの用です?」

怖さを紛らわせる為と時間稼ぎに、話しかけてみる。

「何の用だって、冒険者なんだ。魔物狩りに決まってるだろ。」

相手はそう言い切った瞬間に、私の目の前まで来ていて、殴りに来ていたので、慌てて氷で手足を強化して前を防ぐ。次の瞬間、相手は後ろに回っていて、蹴りこまれそのまま、地面に押さえつけられる。間髪入れずに、背中に何か強烈な一撃を貰い、魔力が暴走して意識を失いかけたのか、飛んでいたのかもしれない。全身を熱で溶かされるような強烈な痛みが襲ってきて、頭が割れるような感覚がして…。


後は全身を溶かされるような痛みを、意識が上がってくる度に痛みしか感じず、昼なのか、夜なのかさえもわからない。意識があるのかさえも。


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