衛兵3side
涼しい風が時々ふく。日が暮れると、暑さが少し和らぐ。もう、この時間だと、ここを通る人はいない。だが、ここに近づいて来る2人がいた。
ユウリ、ササメ「こんばんは」
衛兵3「ああ、こんばんは。珍しいな。こんな時間から依頼か?」
ササメ「いえ、実は、もう、この村に興味が無くなったので、使い魔契約の破棄をユウリにお願いしたんです。見届け人になっていただけますか?」
ユウリ「僕からも、お願いします。書類とかも書かないといけないので、ちょうど、ここなら詰所で用意出来ますよね?」
衛兵3「あ~、そういう事かぁ~。何、ケンカでもしたの?」
同僚のノルガに声をかけて、書類を用意してもらう。
ササメ「いえ、家族ごと住処を移すことにしたので、もう、戻って来ないつもりなんです。」
衛兵3「そうか、寂しくなるな。ユウリ坊は、振られたか~。ササメちゃんも、ユウリ坊好きだと思ってたンだけどなぁ~」
ササメ「「エトセさん!!」そういうの関係ないですから。」
ユウリ「そうです。からかわないでくださいよ。」
顔が赤くなっちゃって、まぁ~。とニタニタしながら、「スマン、スマン。」と、書類を渡した。
契約破棄の言葉を唱えてもらって、書類にサインをしてもらう。それを見届けた。2人は相変わらずイチャイチャしている。ササメが詰所の一室を借りて、出てくると、白い着物に変わっていた。改めて、雪女だったのだと自覚する。村の子供のように感じてたから、少し変な感じだ。着ていた緑の服は、ユウリに返されていた。「これでかき氷買えなくなっちゃった」「現地で、他の人と契約すればいいよ。」「ベーだ。例えでも、他の人と契約なんてしないんだから」ササメがユウリに何か囁いてユウリが赤くなった。イチャつくのは、他んとこでしてくれよと、苦笑してると
ササメ「じゃあ、エトセさんも、さようなら。」
衛兵3「あいよ、元気でな。」
ユウリ「じゃあ、僕は、村の中に入りますんで。あっ、それと、ノルガさんと、ドランさんにも、契約破棄の話伝えといて貰えますか?」
衛兵3「ああ、まぁ、ノルガは、さっき書類用意してるし、ドランに、だな。まぁ、ササメ嬢が悪いことするとは思えねぇけど、お互い何かあったら困るから、村に入れないように伝えとかんといけねぇしな。ちゃんと伝えとくよ。」
ユウリ「よろしくお願いします。」
ササメはもう、消えている。ユウリも、ゆっくり村の中に歩いて去った。エトセは、はぁ~、とため息を吐いて、夜勤を続けた。