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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ディアスside②

カラン、と鳴ってドアを入ってきて

「ユウリ、早く、早く!もぅ、暑いってか熱いからサッサと依頼報酬貰って、かき氷!!奢ってくれるんでしょ~。」「ササメちゃん、待って。今、受付行くから」

入って来た少年の冒険者が、こちらをチラリと見て視線をそらす。こちらも、「馬鹿か?」と言いたくなるのをぐっと抑えて、視線を外す。気持ちを落ち着けながら、もしかしたら、どう見ても低ランク冒険者に感じるあの少年が、見かけによらず凄腕なのか?と思い、一応、受付に少年のランクを尋ねた。が、やっぱり、低ランクのFだと…。使い魔契約があるから安全だとでも思っているのだろう。そうでなければ、夏にこんな人里に雪女が出てくるなど、正気の沙汰ではない。雪女は、夏は弱るし移動速度も落ちる。

使い魔契約していたら、人に攻撃できないから、人に絡まれたら契約相手に助けてもらわないといけない。まぁ、ここまでは、他の魔物が契約しても同じ事だが。他の有象無象の魔物なら、早々、襲われたりしない。それだけの価値がないから。だが、契約した人型の龍や、雪女等は、絡まれやすいし、襲うだけの価値があるので、契約相手は必ず高ランクの者が契約相手になる。お互いに、危なくなる事を知っているからだ。

つまり、あの少年達は、お互い危ないということを知らないのだ。

まじかよ…。雪女って、長生きで博識の筈なんだが…少年が知らなくても、おかしくないが、雪女が知らないって考えにくいんだが…。そういえば雪女って美女って相場が決まっていて、ガキの雪女なんて聞いたことねぇよ。…もしかして、あの雪女も、また、若いのか、だ。警告ぐらいしといてやるか?ましてや、闇商が動き出してるんだ。後味悪い思いはしたくねぇしな。

ギルドの受付に礼を言って、少年と少女の後を、声をかけようと、追う。

少年と少女は、ギルドの前の広場で、かき氷の店の列に並んでいた。

声をかけて、ついて来るように言うと、警戒しながら、渋々ついて来てくれるようだ。


…かき氷付きで。…かき氷で釣られるなよ。

いや、辛いのはわかるけどさ…。

かき氷で釣られる雪女なんて、イメージがガタ落ち、いや崩落もんだ…。そもそも、雪女って、理知的で冷静沈着の代名詞の筈なんだよ…。





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