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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ディアスside

いきなり誰?ですよね。名前、初登場ですね。

麓の開拓村は、街に発展していた。山頂には雪が積もり、山中には中、高ランクの魔物(A,B,C)が跋扈している。しかし、街道はしっかり整備されていて、街にも、中、高ランクの冒険者が多く在中している。

あるSSランクの冒険者が2人、山中を進んでいた。

…ある魔物の討伐のために。

「あれから、もう7年…か…」

冒険者の1人は物思いに囚われながら呟いた。


この街が、まだ開拓村と呼ばれ、こじんまりと生活環を整え、広げようとしている時に、この高ランク冒険者は、やって来た。当時は、もの凄く腕が立つわけではなかったが、弱くもない。そこそこ強いAランクだった。開拓村の冒険者ギルドの依頼は、どれも、Cランク以下のものしかない、と聞いていた。にもかかわらず、この村にやって来たのは、そこそこ懇意にしている街のギルド長から頼まれたのだ。

「あれだけ広大な山林が広がる土地にもかかわらず、強い魔物がほとんど目撃されていない。そのまま、何もなければいいが、村の規模も少しずつ大きくなってきているので、もし、強い魔物が、村を襲ったら、被害が大きくなる。まだ、あの村には、中、高ランク冒険者が少ないから、増えてくる迄、居着いてくれないか?」と。色々、便宜をはかって貰っているので、引き受けたのだが、村のギルドの依頼を見て、顔をしかめた。Cランク以下しかない事を確認するために見に来たが、1件、Aランクの依頼が出ていた。それも、胸クソ悪くなるような依頼。その依頼内容は、''雪女の捕獲及び、討伐''。依頼詳細は、鉱山資源があるとの情報があり、何度か調査隊が組まれたが、風と雪に阻まれて、調査ができないので、邪魔が入らないように、できたら捕獲をお願いしたい、とのことだ。表向きは、真っ当な依頼だと思う。だが、この依頼は、闇商がらみだ。一応、受付に、鉱山資源が提出されているか、また、調査隊に死者が出たか、を尋ねた。どちらもない。確実な利益が確約されておらず、被害も出ていない。にもかかわらず、高ランク、高報酬の依頼。雪女は、おとなしい魔物で比較的、話の通じる相手で知られている。おそらく、集落に人間が近づいて来たから追い払っただけだろう。でなければ、失踪者が相次いでいるだろう。

これは、雪女自体を狙っての依頼だ。

「ったく」悪態をついていると、

カランと勢いよくドアがあき、騒がしく冒険者が入ってくる。チラッと目を向ける。えっ…


おい!おいおい、なんで雪女が入ってくる!


見間違いじゃねぇな。


こんな依頼がある時に、堂々とギルドに入って来るなよ。バカだろ。バカだよな!

俺は内心焦っていた。もう少しで叫び出すとこだった。


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