ササメside
お母さんにまた、思いっきり怒られた。
「あなたって子は!どうして次から次へと問題を起こすの!!」ってパシーンっだよ。まだ、頬がヒリヒリする。「一晩帰ってこなくて、どんだけ心配したと!しかも使い魔契約まで!!」と、一気に言い切って「出て行きなさい!!」だって。その後、長の家に行ったりして話をしている。
セツナおねぇちゃんは、「仕方のない子ね。まぁ、あなたって変わってるし、いつか契約するんじゃないかって思ってたけど、早過ぎるわ。」って苦笑していた。「わたしが、余計なこと教えてしまったからかしら。」って、心配そうに言った。
セツナ「でも、人に関わるのは、もう少し慎重にしなくては。どうなるかわからないから、あなたのお母さんも心配しているのよ。」
ササメ「…わかってる。だけど、ここにずっと閉じこもっているのは嫌。何もする事がないんだもん。セツナおねぇちゃんは、わかってくれるけど、お母さんは頭ごなしに、ダメって。」
わたしは、少し泣きそうになって俯いた。
セツナ「あなたは、せっかちさんね。百冬超えれば、何の問題もなく、外に出られるのに。」
セツナおねぇちゃんがそっと頭を撫でてくれる。
ササメ「…セツナおねぇちゃん、あのね、私、使い魔契約した事、後悔してないの。…だってね、そうしないと、彼、死んでたから。」
セツナ「そう…。いつ知りあったのか、知らないけれど、大切なのね?」
ササメ「うん。ユウリと居るとね、とても楽しいの。ここで過ごすより、ずっと…。世界が色づいているみたい。ここで、過ごすのは…何かしたい事があっても、したいって言ってもダメばかり、そんなの嫌。」
セツナ「ここの集落には、他に子供が居ないから、一緒に何かできる友達が欲しかったのね?」
ササメ「そうなの!セツナおねぇちゃんは、わかってくれるよね?」
セツナ「そう言えば、私も友達と一緒に何かした事あったわ。」
セツナおねぇちゃんは、そう言って寂しそうに笑う。
セツナ「でも、これからは、変わった事があったら、必ず教えてくれる?とても、大事なことだから。」
ササメ「うん、わかった。」
セツナおねぇちゃんは、少しホッとしたようだった。それから、撫でるのをやめて、手をおろし、私をしっかり見て、
セツナ「それから、無断外泊は、私も少し怒ってるから。次からは、やめてね。」
ササメ「ごめんなさい。」
セツナ「わかれば、よろしい。」
セツナおねぇちゃんは、わたしのオデコを軽く、ペンっと叩きながら言った。