表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪女と少年  作者: 干からびた芋
19/163

詰所にて

ユウリの妹のジュリちゃんと別れた後、ユウリとササメは詰所に向かった。

ササメ「あれれ、どうしよう。昨日の人と違う。」

ササメは出入口に立っている衛兵を見て、立ち止まる。

ユウリ「ササメちゃんは、今までこの村に入った事なかったから、身分証明とか?求められたの?」

ササメ「うん、そんな感じなんだけど。」

ユウリ「だったら、とりあえず、あの衛兵さん、ノルガさんに、話しても大丈夫だと思うよ。」

ササメ「そうね、じゃあ、そうする。」

ササメ「あの、すいません。えっと…。」

衛兵3「どうしまし…

衛兵1が詰所から出てきて、

衛兵1「ああ、ノルガ、そいつらは、いい。こっちで引き受ける。」

手をあげて声をかける。

ササメ「昨日は色々すいませんでした。便宜を図って頂き、ありがとうございます。」

声のする方を向き、ササメは衛兵1を確認すると言った。

衛兵1「なぁに、こっちこそ、すまんかったな。急患だってのに、時間取らせちまって。…ユウリ坊も元気そうで良かったよ。見た感じやばかったからな。」

ユウリ「ご心配おかけしました、ドランさん。」

衛兵1はユウリの頭に手を置いて、

衛兵1「全くだ。死んだかもしれねえなって思ったからな。この村じゃ、今の所、全員が顔見知り状態だ。知り合いが死ぬのは、あんまり気分のいいもんじゃないからな。」

と、言いつつ詰所の中に入って行く。

部屋に入るとドランは書類を出してきて、机の上に置く。

ドラン「さて、使い魔契約の書類は、こんなもんだな。ここと、ここに署名してくれればいい。」

その言葉を聞いてユウリは困惑する。

ユウリ「?あ、あの、使い魔って?」

ドラン「そいつが、おめぇが死にかかってるから中に入りたいと言うんで、一方向で契約してもらったんだよ。」

ドランはユウリ坊は気絶してたから、契約のことは知らなかったなって思った。

ユウリ「ええっと、使い魔契約って魔物がするんですよね?」

ドランはユウリ坊の質問に困惑した。

ドラン「ああ?当たり前じゃねえか。…ん、なんだ?ユウリ坊は知らなかったのか?そいつ雪女だぞ。」

ドランはユウリ坊が、何に対して困惑しているか、ようやく理解した。

ユウリ「えっ、いや、雪女っていえば、白い着物で、パステルカラーの髪色、美人、でもって、人を行方不明にさせる、恐ろしい魔物だって…。」

ユウリは、雪女の特徴を思い出しながら、ササメを見る。

ササメ「…どう思われてるか知らないけど、雪女だよ…。」

ササメはユウリの言葉を聞いて落ち込む。ユウリは、慌てて

ユウリ「いや、ササメちゃんは違うよ!優しいし、可愛いいし、恐ろしくないから!!」

ササメ「でも、雪女だよ。」

ユウリ「ああ、もう、違うってのはそこじゃなくて、ササメちゃんは雪女でも、ただの女の子ってこと。」

ドラン「…どうでもいいから、早く書類書いてくれ。俺、寝たいんだよ。」

ユウリ、ササメ「すいません。」



ドラン「んじゃ、これで書類は終わり。説明は面倒だな。まぁ、契約解除したい時は、ここに来ればできるし、雪女だってのは隠した方がいいから、服は変えた方がいいぞ。ふぁあ~。じゃぁな。」

ドランは詰所のベッドに戻って行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ