ササメside
チョビル「フンヌウゥゥウウ!!!コノヤロオオォ」
ユウリ「ゲフゥッ」
フックと見せかけてのラビットパンチきたー!!後頭部だよ。
ユウリ「何すんですか…ガクッ」
ユウリ、ダウン!!
チョビル「イチャイチャ許すまじぃいいいい!!」
つーか、もう本編じゃ出てこんだろに…チョビルさん…
鬼のような形相で涙流してるよ…。
クルス「あ〜、こういう人物だったのか…。それより、話の場面進んでねぇだろ?」
うっ、…なんのことかな?ハハッわかんねぇな~。
クルス「おいおい…。」
ユウリが感情を溜め込んでいて、私にすぐ側にいて欲しくないのだとすぐにわかったから、少しでも落ち着くのを待ってた。
ユウリが冒険者ギルドの依頼をこなして、感情を発散させているから、それが終わるまで。
終わらせて、それからなら話ができると思って。
ユウリの側に行って座ってユウリの行動を見る。
川で血を落として上半身裸で水浴びして服を洗っているユウリは、完全に吹っ切れたわけではないようだけど、落ち着いて見えたの。
だから、話しかけた。
ユウリ「ハハッ。ああ!俺が守るより、あいつらの方がササメは安全だろうさ。だけど、ずっと監視されるのはゴ メンだ。」
だけど、失敗した。私、怒らすつもりじゃなかったのに。
落ち着きかけてるユウリに、かけた言葉に対して怒ってるのは明白だった。
ユウリから、肌に突き刺さるかのように吹き出す魔力の渦。
嫌われたくなくて、咄嗟に否定の言葉が口をつく。ユウリ以外に、誰が私を安心させることが出来るというの。泣きたくなる。
ササメ「そんなつもりじゃ…」
ユウリが腕を掴み、気がつくと、地面に押さえつけられ、口を塞がれる。すごい勢いで魔力を口移しで、注ぎ込まれ、身体の中から蹂躙される。苦しくて、意識が飛びそうになる。胸が熱くて、苦しくて、クラクラする。強ばった身体から、力が一気に抜ける。次第にユウリの魔力の量が落ち着いてくる頃には、頭がボンヤリして、ユウリの顔がボヤける。ユウリが私から口を離し、
ユウリ「ごめん。わかってる。…俺は…ハァ…。」
ユウリが、切なそうに見つめて口をひらく。もう、ユウリから、魔力は吹き出ていない。その事に安心する。ユウリは、一旦視線を切り目を瞑り、溜め息を漏らす。それから、こちらに向き直り、目尻に溜まった涙を優しく手で拭って、安心させるように笑いかけてくる。
ユウリ「ブレスレット…早く外しに行ってサッサと終わらそう。」
そう言って、ユウリは濡れて絞っただけの状態の服を着る。私は、立ち上がりたかったけど、体中がほわほわして感覚が掴めなかった。でも、ユウリが落ち着いて、私に笑いかけてくれた事で安心してそのままじっとしていた。そうしていると、私が力が抜けて立てそうにないのを悟って、ユウリが横抱きにして優しく持ち上げてくれる。
ユウリ「乱暴にしてごめん。」
ササメ「うん。」
それが、少し恥ずかしくてユウリの服を力の入らない手でキュッと握ると、ユウリの身体に頭をかたむけて、顔を隠した。
ユウリの為に出来る事は何だろう。ユウリが無理して、気持ちを切り替えていることも、わかってる。ユウリの切なそうな顔が浮かんでは胸の中がざわめく。
ドキリとしたし、ズキンともした。上手く自分の心を掴めない。でも宿までの途中、何度も思い浮かんで離れなかった。
ユウリが、ベッドにそっと下ろし、顔に掛っているローブ帽をずらすと、オデコにキスをおとす。
ユウリ「ちゃんと返事してくるから、大人しく寝てて
。」
そう言って離れようとするユウリの袖を掴む。
ササメ「ユウリだけなんだよ。私が心から守ってもらえて嬉しいの。だけど、私のせいで危険な目に会うのは嫌だし…生きてて欲しいの…。こんなに悲しくなるのも、ユウリだからだよ。ユウリが居ないとダメなの…私のほうだから…。」
振り絞るように、今の私の気持ちを伝える。
ユウリ「…そう。」
そう、素っ気なく言ってそのまま部屋を出ていく。
ユウリは外から何重にも結界を張って、確認をしてから、階段をおり、酒場から出ていった。
ディアス「あー、疲れたぁ…」
出歯亀ご苦労様です。
クルス「ロクな事してねぇな、オッサン。」
いやいや、活躍はしてくれてたんすよ。影で…
クルス「ん?そうなのか。」
ササメ「そうそう。助かったの。ユウリ以外に痛めつけられるのなんて嫌だもの。」
うぎゃー…やめてそんなドM発言。もぅ、嫌だ!!
クルス「だいぶ病状悪化してねぇ?前も異常だとは思ったけどな…」
ディアス「…このストレスは、ユウリ!もちろん発散させてくれるんだろな?なあ?」
ユウリ「…」
ユウリ、まだダウン中みたいっすよ?
えっ?ササメの発言で再度ダウン中?知るかー!!どうでもいいわ。ディアスにさっさと連れられてけー!!