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雪女と少年  作者: 干からびた芋
158/163

ディアスside

ジャン「えっ、何。ここでディアスさんの回想とか、どうしたの?」

えっと、ニコニコしながらいうことかな?それ。

マック「誰得だっつーの。耄碌したんじゃねぇ?」

あれ?マックいつの間にジャンと仲良くなったんだ?なってねぇ?あ、そう?

ユウリ「ちょっ、ちょっと、師匠コケ下ろさないでくれ!!その後のストレス解消誰がつきあわされると思ってんの!!」

マック「え?そりゃあユウリだろ。」

ユウリ「わかってんなら…」

ジャン「ユウリ君も、ストレス溜まってるみたいだしちょうどよさそうだけどねぇ。」

ユウリ「誰のせいだぁぁああ!!」

うん、ジャンとマック、やっぱり仲良し?えっ、だって一緒に逃げてんじゃん。



王都への招待を蹴って、ユウリと部屋を出るつもりだった。だが、ユウリの方には、まだ用件があったようなので、部屋から出て待っていた。

あいつ(ジャン)は、苦手だ。あの人の弟と知ってから尚更、ダブってしまう。

もぅ、何年たったろう。

違法村の孤児だった俺と違法農民の子だったレンとその妹。貴族の領地から税金を納める事も出来ず、夜逃げのように土地を離れた人達がより集まって出来た村だったことは、後から、薄々気づくのだけど。当然、その村は税も納めていないし、守ってもらう武力も、あてもない。

俺の親は、多分冒険者だったのだろう。気がついた時には、魔物に追われ逃げ隠れしながら、日々の糧を得れるかどうかのところを、この村で拾われた。

そこそこの年齢の子達は、農業の手伝いをしていた。同じくらいの年齢の奴がレンだった。仲良くなるのに時間はかからなかったように思う。遊びの感覚で、一緒に山を分け入っては、木の実や薬草等を採ってくる。時々、魔物から身を隠すスリルをお互い楽しんでいた。もちろん、レンは外には出るなと、言われていたし、俺にも、やんわり止めていた。でも、薬草や木の実をちゃっかり、お礼を言いながら村で使っていたのだから、強くは言えなかったのだろう。

レンの妹は、元々、体を壊しがちだが、まだそこまで酷くなく、元気な時には、レンと俺が守りながら一緒に野山を散策したものだ。

そんな穏やかな日々が壊れるなんて、露にも思っていなかった。

だが、その村は、ある日、魔獣に襲われ、その後に野盗共に遭い、壊滅した。

魔獣の時には、山に妹共々一緒にいたので難を逃れ、その時には、レン達の両親も健在だった。落ち着いてから、村に戻ってお互い無事を喜んでいたのにな。村は柵や建物、農作物が壊滅状態だったけども、村人も怪我人はそれほど出ていなかった。問題はその立て直しの最中だった。囲いも壊され、腕に少しでも覚えのあるやつが、魔獣によって怪我を負わされた状態。それを狙ったかのように、野盗共が入り込み、村人達は殺され、生き残った奴らは散り散りになった。

後で、血まみれのレンと妹のターナに合流出来た。

レン達の両親もこの時死んだ。後で、簡易の墓を作り、俺とレンとターナは村を後にした。

だけど、ターナはその時の旅で無理をして、病状を悪化させていた。だが、ターナは、その事を隠していた。

レンは、俺が両親からしっかり、妹の事も頼むって盗賊から逃げるときに言われたのに…。俺が不甲斐ないせいで、妹に気遣わせて、無理させて…。何やってんだ…。と後々だが、ずっと後悔を抱えていく事になる。

レンの両親は野盗共からレン達を逃がすために、野盗共に向かって行ったそうだ。首を斬られながら、相手にしがみついて、レン達は、子供しか通り抜けられないような穴をくぐって必死に逃げて…。

たぶん、レン達が会ったときに血まみれだったのは、両親の血だったのだろう。

俺は、この状況(村の外で生き抜く事)に慣れてしまっていた。だから、まず、レン達を泥まみれにして、獣の嫌がる匂いの草を擦り付けて、応急処置をしたあと、周りの安全を確認してから、川で血を落とさせた。土を半分掘り、身体を丸めて上から完全に落ち葉を被って寝た。この辺りでは、食べ物に困らない代わりに、魔狼より、魔猿の方がはるかに遭遇率が高いことを知っていたから、木の上で寝る事はしなかった。

馬車の荷物に潜り込み、街に潜り込むと、冒険者登録をした。レン達はついていくのに必死だった。慣れないことだらけだっただろう。

俺も必死だったので、周りを気遣う余裕さえなかった。

やっとこさ、俺達が魔法を使えるようになってきて生活が楽になってきていたところだった。

ターナは、身体がしんどくても、レンや俺について来て、手伝っていた。その折に、魔物によって危険な目にあいかけた。その後に、倒れて血を吐いた。俺やレンは、なんとか、金を工面して、医者にかかる。

しかし、ターナは、その前から吐血していたのを必死で隠していた事が発覚する。しかも、治し方も、原因も解らない、発症例の少ない病気であることも。そして、村をでてからずっと、体調を崩していたのに隠していたことも。

必要な治療を受けるために、お金が必要だった。

ターナを宿に置き、金を稼ぐ為に、少しでも上のランクの依頼を受けていく。失敗は許されない。だから、レンは自分たちに達成出来るギリギリの依頼を、慎重に選び、徹底的に調べていた。

俺はレンの作戦や説明を聞いて、危険な事を率先してこなすようにした。

お金は薬代と日々の生活ですぐに消えていった。

依頼が終われば、すぐに、次の依頼を受けていた。複数の依頼を、同時に消化していくことまであった。

順調に出来る事が増え、運が良かった事もあり、無謀に魔物に突っ込んで行っても、なんとかなってしまってたから、俺は、よけいに無謀なことを平気でするようになった。

もちろん、レンは俺を諌めてくれていた。

だが、レンを諌める役は妹のターナだったが、ターナの事を思うと、歯止めが効くはずもなかった。

レンは少しずつ、受ける依頼の難度を上げていっていた。おかげで、常に、死と隣り合わせなのだ。アドレナリンを大量に分泌してなければ、怖じけずいていただろう。だが、そのおかげで、ターナを時々、治療院に預ける事もふえてきていた。

随分、無茶をさせられたものだ。レンも、同じだったのだろうがな。

そんな無謀なことを繰り返して、ついに、限界が来てしまった。

魔力も、底を付き、大量の魔鳥に追いつかれジリ貧なのは明らかで、どうしようもなく、それでも足掻き続けていると、天使が舞い降りたのだ。素早い動きで魔鳥の群を、血の雨に変え、大量の雷で、魔鳥の群を痺れさし、黒い炭化した羽根が舞い散る。その中で、1箇所だけ、綺麗に空間が空いている。そこに、汚れ1つなくただずんだ。白い肌で金髪の自分たちよりは、少し年上であろう、まるで、盗賊のような必要最低限の革の装備をし、ワイヤーのついた二振りの短剣を鞘に収めたばかりであろう少女。

まるで、彼女の周りだけ時が止まっているかのように静かで、しかし、彼女は滑らかに、こちらに近づいて来る。

それを、俺とレンはポカンと口を開けて「すげぇ…。」と目を離せずに見とれていた。


「まったく、自殺志願なら私の目の届かないとこでやるように、ね。…(小声)まぁ、隊長に良いとこ見せるのにちょうどいいからいいけど…。」

「あああああ!!素材がァ!!」

レンの方が一足先に動き出し大声をあげた。レンの手に持っていた回収素材が半分に契れ、焦げ目がついている。

どう見ても依頼失敗だろう…。

「さて、あなたたち?それよりも大事な事があるんじゃない?ふふふ?」

彼女はとてもいい笑顔をしているのになぜだろう、逃げ出したくなった。というやり取りがあったのだが…。


まぁ、要するに彼女にゲンコツを落とされ、説教されたのだ。

その説教から救い出してくれたのが、まるで、死神のような雰囲気を醸し出し、笑顔なのに、どことなく不気味な青年だった。

もちろん、死神どころか、中身はちょっと残念な所もあるが頼りになる、めちゃくちゃ優しくて明るく、めんどくさがりで、とってもお茶目な、人生における先輩のような…俺達にとっては、大切な兄貴であり、師匠でもある、後々にそんな関係になっていく…人だった。







マック「つーか、久々の更新過ぎて内容忘れてたぜ。」

確かにな。まぁ、作者の暇つぶしだからな。

楽しんで待ってくれてる奴いたら、ごめんなさいって事でって言ってた…。

レン「つーか、回想入れんなら呼んでくれよな。俺の妹がいかに可愛いか、いくらでも語ってやれるし、ほら、初めての木登りの時のこととか、果物頬張ってるとことか。ほら、お(ディアス)の失敗談とか、大量に入れれるぜ?」

ディアス「いや、話それ過ぎる上に、妹の話以外出てこんだろ、レン…。」

レン「野盗どものムカつき具合とか、村の悲惨な状態だとか…」

ディアス「いや、これ以上暗くなんのは勘弁してくれ。」

レン「そうか、なら、やっぱり妹の天使ぐあいを…」

ディアス「誰も望んでないからな?」

マック「かわい()ちゃんの話なら、大歓迎だぜ?紹介してくれんなら、なおよし!!」

レン「誰がお前のような奴に教えるかぁぁぁああ!!だいたい、誰だお前はぁああ!!」

マック「マルクス・レスタードだ。よろしく。」

………。





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