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雪女と少年  作者: 干からびた芋
151/163

ユウリside

ササメ「あれ、苦手だから、戦闘中の描写これ、ないって言ってたんじゃないの?」

うん。そう言ってたんだけど、やっぱりないと、さびしくない?こーいう小説って。

上手くないけどさ…。

ササメ「ふうん?そんなもんなんだ。まぁ、何があったのかのんびり見させてもらおうかな。」

えっと、のんびりですか?

ササメ「ダッテ、大丈夫なのわかっちゃってるし…。」

いやまぁ、割り込み投稿ですから?もう、先わかってるもんね…。

中々、危なっかしい戦い方をする。素手で、魔物とやりあうなんて。

いや、魔力で鎧みたいに纏ってるから大丈夫なんだろうけど。ギリギリをひらりと、右に、下に左に。

それを横目に、熱したナイフで手足の様にうねる根っこを焼き切っていく。魔力をなるべく温存したくて、ギリギリを見極めて動く。あの丸い人ほど、器用には動けずとも、自分なりに真似をする。

トールゥドさんは、土の制御権を奪い合って、根っ子の動きを鈍らせながら、時々、足場を作って上に押し上げてくれる。毒の防御の為に、壁を作ったり。

1番元気なのは、素手の拳闘士だろう。相手を翻弄し、きっちりダメージを蓄積させている。

こっちの動きやすいように、攻撃を入れて離れて行ってくれる。相手に、接近し、毒爪をかわしながら下からの蔓を蹴り上げ、身体を捻って、腕を切り上げながら、そのままの勢いで身体を丸めて、上から迫り来る蔓を足で蹴り上げて離脱しようとした時だった。

いきなり、足がツルリと滑り鋭い蔓先が迫る。

「くっ!」

思わず、声が出る。脇腹からズキリと痛みが奔る。

身体を捻って直撃は避けたが、毒がある。前に土壁が出来たので、距離を取りつつ、脇腹に解毒剤胃に流し込む。ちょっと高めの、常態異常を治すやつ。

軽く傷口を焼く。刺で皮膚が抉れて、出血が酷かったから。

あの人、かなりすごい。軽く、かけ声を出しながら、マンドラゴラ本体の脇腹を吹き飛ばした。

3人とも息が荒い。あまり、時間はかけれないだろう。

俺はそれを観ながら、魔力を身体に練り上げていきながら、少し緩やかな動きの根っ子の動きを避けナイフで捌いていく。

はやく、もっと速く溜まれ、まだ、これじゃあ足りない。フッ、フッ、と息を洩らしながら、練り上げ、攻撃の機会を待つ。

もう一度、あの人は、大きく攻撃して離れる。その時で決める。

今!!

マンドラゴラが大きく、体勢を崩し、こちらから意識を外した。素早くマンドラゴラの背中から接近して、2人に防御壁を張り一気に魔力を開放する。マンドラゴラが、慌てて振り向きながら薄く魔力障壁を展開しようとする。ビキリ、と音がして、マンドラゴラの肉体にナイフが突き刺さると同時に、内部から青と橙赤の焔が噴出し、そのまま一気に燃焼させた。

マンドラゴラが抵抗した分、こちらも、力み過ぎたようで、爆発が思ったより強すぎ自分まで吹き飛ばされたし、最後の最後で、しっかり蔓をナイフの腕に伸ばして、骨を折ってくれていた。

「キッツー…。あと眩しい…。」

幾分か、黒い魔力の霧が吹き飛んで薄まり、太陽光が降り注いでいる。腕を上げるのも億劫だ。

さっき、戦ってた人が近づいてきた。えっと、チョビルさんだ。

チョビル「お疲れさんだべ。ほいよっと。ソレ、ビッと。」

ユウリ「いっ痛!!まっ!!やめっ!!」

身体を起こしてくれたと思いきゃ、反対側の手をいきなり持って、骨がゴリっとして、きゅっと延ばされ、何の心構えもないまま、弄られる。

痛みで、顔をしかめる。というか、涙目になったよ!!いきなり何すんだよって言いたかったけど、そのあと、すぐにポワンとして、痛みが無くなった。他のとこも、いつの間にか、治されていた。

かなり早技だ。

チョビル「応急処置だかんな。おめえさん、中々良かったぜ。」

ああ、何度か、あれ、くらったんじゃないかって思っても、大丈夫だったのは、その場で治してたからか、と素直に納得できる出来事だった。

ユウリ「ありがとうございます。あ、あの…動きが凄かったので、少し真似を…うまく出来なかったですけど、させてもらいました。」

チョビル「うん?別に、技を盗むのは当たり(めぇ)だ。報告はいらねぇべ。」

チョビルさんはそう言って、ひらひら手を振って解体に向かう。

さて、怪我も治ったし、何時までものんびりするわけにもいかない。俺もさっさと後片付けしないと。休めないしね…。魔力少ないなぁ。でも、飲むのはもう、無理。飲み過ぎてるのもあるしね。

のったりと動き出す。思い通りに動かない、重たく感じる身体を動かす。

そうしていると、マックが声をかけてきて、もう、休めって言われて、直ぐに首後ろに衝撃が…アンニャロウ!!

反応できてない自分にも、声かけて直ぐに意識落とそうとするマックにも、腹を立てながら意識を手放した。


ユウリ「…あのさ、これ、怪我治してなけりゃ、俺、怪我人として救護テントで休めたんじゃ…?」

うん。そうだね。怪我、治されたら休みにくいね。ハハッ。

チョビル「あ~、そっかぁ。そりゃ思いいたらんでなぁ。よけぇなお世話ばいなぁ?めんごぉ 。」

ディアス「いやいや、そのおかげで、ユウリ、他の冒険者達からは評判良くなったぞ?強いのに戦いで疲れててもちゃんと後始末をする冒険者達だって。」

ユウリ「いや、チョビルさんは、治してくれたんです。あやまられることじゃ…、むしろ、気を使わせてごめんなさい。ってか師匠!ソレ、強い奴は後始末をしないって思われてた?」

ディアス「まぁ、実際、そういう奴もいるからなぁ。…ほら、そこのマックとか?」

マック「ああ?だからちゃんと動いてんだろうが!!今回は。」

うん。今回は、ねぇ。

マック「しつけぇよ!!」


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