チョビルside
あ~、ユウリ?脇役に出番奪われてないかい?
ユウリ「い、今、それどころじゃないし…。けっこう必死だし!!」
まぁ、ユウリがいいならいいんだけどさ。
ところで、チョビルさんは、デブッチョですよ?なんでそんな速く動けるんですかい!
チョビル「ああ?全身筋肉だっ!!オラのこと、バカにするだぁ?」
いえ、別に…。ほら、赤い彗星じゃなかとお?赤い服だし…?
チョビル「やっぱ、バカにしとーとよ?オラのこと。」
久々に懐かしい奴が声かけて来て、誘われただ。
オーク討伐に行くのはそんな理由だった。
暴れられんのは大好きだ。ましてや、美形の男なんてクソ喰らえってな!!
其奴の咆哮が繰り出される前に、結界が素早く張られたから、踏ん張んのをやめて突っ込んだ。だって、結界張って踏ん張る必要なくなったかんな。
さて、どう料理してやろう。
闇拳闘士の血が騒ぐ。いつだってそうさ。美形ってのは何を勘違いしてやがんのか、自分がいつだって主役で強いって思ってやがる。
それを、連れの女の目の前でボコボコにすんのが何時もの楽しみってやつだ。
まぁ、今回は手足の蔓をそぎ落として如何にして顔を歪ませてやるかだ。
トールゥド「チョビル、去がれ。」
チョビル「ハハッ、大丈夫さ。なぁ!トールゥド!オラだって昔のまんまじゃねぇからさぁ~?」
蔓を魔拳で吹っ飛ばす。ちぎれた蔓が後ろから大きくうねり攻撃を仕掛けてくる。上からは毒の体液。
大きく飛び跳ね後ろから攻撃してくる蔓を掴み毒の体液ごとマンドラゴラへと叩きつける。
まぁ、コイツも美形なんだけどな…。モヤッと昔の仲間に対して沸き上がるものを笑って隠す。
むしろ、どこにでも居そうな赤茶の髪の坊主の方がまだ親しみやすいってもんじゃねぇ?魔力回復しといて、一気に決めるとか、美味しいところ持ってくような戦い方じゃなく。少しでも回復したら、他の奴らの為に、泥臭く這いずり回って戦おうとかさ。
いいね。トールゥドの奴よりよっぽど好みだ。
いいぜ、手足は抑えといてやるよ。本体もある程度削っといてやる。本体を殺んのは譲ってやんよ。
いいだぁ、その泥臭さ。炎を魔力で防がれ石礫と毒の爪を掠めながら除け、斬り込む。
足を滑らし手で敵の攻撃をかわし、吐きそうになりながらポーションの飲むのもさっ!
よっと。土系統の魔物で良かったよ。地面固めてポイって終わるなんてやってられねぇからなぁ。汗を垂らしながら、真剣に足固めしてるトールゥドを横目にマンドラゴラの横っパラに、ショットインパクトを打ち込む。
何時だって死は傍にあり、いかに足掻くか、それが人生の醍醐味って奴だろ?
そんで生きて強くなりゃ、それが殺した奴や死んでった奴に対しての供養ってもんだ。
そらっ、もういっちょ!!
そう、そのギリギリだ。覚えとけよ?何時だって、そのギリギリが自身を成長させんだ。
ああ?決める時に周りなんか気にすんじゃねぇ!バカ野郎!!その俺達を傷つけさせないよう結界を張る分の魔力も攻撃に回しやがれれ!変にスマートに決めようとしやがってからに!!
まぁ、赤茶の奴自身が踏ん張り効かなくて吹っ飛んでやがる。まぁ、合格点ってとこか。
おらよ!回復ぐらいちゃんと覚えときやがれってんだ。常にギリギリをこなすなら必要だっての。オラのサービスだかんな?
ヨタヨタしながら礼を言うのも、剥ぎ取りに参加しに行こうとすんのも、ホント、泥臭くって、オラ好みだぁ。トールゥドみたいになんじゃねぇぞ?ありゃ、やっぱオラの敵だな…。
ユウリ「え?あんだけ苦労して、必死に避けて、攻撃を入れ、入れ替わり立ち代わりしたのに、戦闘描写は?」
ん~?そんな高度な文章ムリムリ。わかってるじゃん?ユウリはそこんとこ。もぉ。
トールゥド「たぶん描写されてたら、かなりカッコ悪いところ満載の戦い方だがな。」
ユウリ「いや、そこはかカッコ良く描写を…
チョビル「ふんがー‼︎何を言うとるか!泥臭さ、バンザイ!!トールゥド禁止!!」
トールゥド「なんで俺、禁止なんだ!!」
チョビル「ああ''?んなもん、決まっとろう?見てて腹が立つからだ!!」
…エルさん絡みを見れば、腹立ちも薄れるんじゃない?残念な人だよ?トールゥドさんって…。
ユウリ「あ~、そうだったよね…ここだけ見ると、普通にカッコ良く見えるけど…地面に潜るジョエルさんの追っかけさんだった…。」
そこは素直にストーカーだった…でいいと思う。
トールゥド「いや、そうか!そうだな。エルさんは、俺らにとってのアイドルだった。そうか、追っかけさんだ!!ストーカーではない!!」
…どっちにしても残念な事に変わりないか…。
チョビル「なんだ、オラの勘違いで悪かったな。トールゥド!!お前もナカナカいいやつだな。」
…チョビルさんの判断基準って………。
ユウリ「…ハハッ、なんかあんま気に入られたくないね…。」