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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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衛兵1 side

今日もいつも通り、村の出入口に立って、冒険者達の出入りを管理していた。何人か顔見知りのやつを見送った後、次に帰ってくるまで時間があり、そろそろ暇になる時間帯だった。いきなり何かが飛び出して来て、慌てて槍で攻撃する。この速さで動けるとなると、かなり高ランクだ。そいつが飛び退いて、距離をとると、白い着物で、雪女の少女だとわかった。何かを抱えている。ランクAの魔物なので一気に警戒心が膨れ上がる。同僚も気配を感じたか、詰所の壁際に、さっと身をよせ隠れながら、警戒態勢を取ってくれている。俺が警戒心を強めた時、その少女は、必死な声でそこを通らせてくれと言ってきた。少女が抱えているのは、どうやら、けが人のようだったので、同僚に目配せして、警戒したまま、そのけが人を見せるように言った。

相手も警戒されているのが解っているので、すぐにけが人を置いて離れた。その、けがを見ると、今朝いつも通り、薬草採取の依頼で村からでていた坊主だった。傷口が凍りついているのは応急処置だろうが、これはひどい。ポイズンスパイダーの傷口だった。噛み付きさえ気をつければ、大したことない、ランクDの魔物だが、こいつの毒は特殊ですぐに解毒しないと命を落とす。内臓がすぐに溶かされていくのだ。ユウリ坊と、この少女の関係は判らないが、悪い奴ではないのだろう。だが、職業上、少女を通すわけにも、自分が此処から離れるわけにもいかない。中に入るための細工かもしれないからだ。そこで、俺は使い魔契約の提案をしてみた。使い魔契約をすれば人間に危害を加える事が出来なくなる。ユウリ坊は、意識がないので、一方向の契約しかできない。双方向であれば、何かをしてもらう代わりに、使い魔になるという契約で、破られないよう、魂に制約をかけるし、その際の負担も半分になる。しかし、一方向は、契約相手に仕えます、というだけのものなので、魔物にとってメリットがない。しかも、制約による魂の負担も全て引き受けなければならない。そのリスクを聞きもせず、契約を終わらせ、しかも、平然としているのを見て安心した。これで、雪女に攻撃される心配が無くなった事と、ユウリ坊とこの少女が、魂の契約時の負荷がほとんど掛からないくらい信頼しあってる事が理解ったからだ。それなら、書類なんて後からでも問題ないし、あとは、雪女だとわからないようにする必 要があるが、元々、人型の魔物なので、特徴の白い着物を隠せば、何とかなるだろう。そのことを、手短に伝えると、お礼の言葉を残して消えた。


それから、しばらくして、

「…あっ、聖印のついた建物は魔物にとってきつかったはず…まぁ、高ランクの魔物だし入れん事ないだろうけど…。」

すまん、言い忘れあったわ。と思った。衛兵1、ドランだった。

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