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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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クルスside

クルス「俺様の出番だぜ!!」

ジョエル「いや、アンタは本当について来なくても別に良かったんだけど?まあ、行くっつーから扱き使うしかないだろよ…。」

あ〜、放っとくと、何するかわからないから、仕事与えとけって事かな?

ラトアヌス「まあ、そうですね。あと、魔力の温存と経費削減が出来るので一石三鳥ってところなんですよ。」

あれ、闇商人モード?

ジョエル「お金が絡んでる時は、揉み手と胡散臭い笑顔はセットで出てくるから…アレは職業病だね…。」

ハハハ…そうなんだ…。


その日は、朝からラトって奴が訪ねてきてた。知らない強い奴等を何人か連れて。珍しい。

しばらくして、ジョエルに呼び出し受けたかと思うと、今回の依頼は俺を置いてくって。そこまではいいさ。別にジョエルも行かねぇんなら、俺も行かねえって思ったからさ。

でも、ジョエルも行くって。そんで、俺を置いてくって。

しかも、しばらく留守にするから、砦に残る奴らの面倒見ろって?

クルス「その命令は、お聞き致しかねます。」

ニッコリ笑いながら、外行きの言葉を述べる。内心では悪態をつきながら。

ああ?そんなんついてくに決まってんだろ!

なんで、オーク化されると困るって置いてかれなきゃなんねぇーんだ。姐さんは危険(おもしろそう)な所に行くっつーのに?そりゃ、姐さんの命令でも聞けねぇよ!

ジョエル「邪魔したら、容赦しないよ!勝手にしな。つーことで、このメンバーで行くよ。ラト」

俺をひと睨みしてから、そう言う。どうやら、外行きの言葉じゃなくても大丈夫な奴らだったらしい。

ラトアヌス「なら、仕方ありませんねぇ。時間もあまりないようですし、なら、クルスさんに荷物と人員を運んで貰うのがよさそうですね。ただ、ギリギリになりそうですが。」

そう言いつつ、こっちを見てニヤついているラトって奴。ジョエルも渋ってた割には、ラトって奴と笑顔で話し始める。

ジョエル「ああ。高価な無登録転移魔術師(ヤミテレポーター)を雇わなくて済むし、間に合うなら、ちょうどいいだろうよ。」

あれ、こいつ等、初めから、こき使う気だったのかよ、俺を。

…ハメられた?ああ、チクショー!!だが、(ジョエル)さんが危ねぇ所行くっつーのに、俺が置いてかれるなんて、ありえねぇからな!!別にいいんだけどよ。チクショウ!!

転移陣を使わず、本来の姿で昼夜問わず、地中を翔びつづけること最速3日。

空を翔ばなかったのは、俺の本来の姿が目立つからだとさ。まぁ、姿は小さめにサイズ変更はしてたんだけど、それでも目立つからって。

で、道中で驚いたのは…

えっ!何!コイツ。いや、俺は龍だから、わかるよ、寝なくても大丈夫なのは。でも、トールゥドの野郎は、寝ながらでも魔法使ってるってどんなだよ!!

ってこと。だって、地中を進むのには、コイツの魔法に頼ってんだから。

クルス「寝るのはいつだ?止まるんだろ?」

トールゥド「いや、自分中心に範囲を設定すればいいだけだ。俺が移動させてる訳じゃないから、寝ながらでも出来る。もうかれこれ十数年、慣れてるからな。」

ってどんなだよ!しかも地面潜りっぱなしのクセに肌の色が黒いとか意味不明なんだよ!!

つーか、寝るときは普通に寝てんのかと思ってたよ…俺は。この姐さんにつきまとうストーカーめ…。

まぁ、俺は街の中で待機させられるからな。移動が終わると荷物降ろして、俺は人型になる。トールゥドの奴、地中に部屋をサッサと作って、「休んどけ」ってさ。仕方ねぇから、荷物の整理一緒にやって、んでしばらくしたら、ラトって奴から無理やり白いブレスレットを着けられた。トールゥドの奴らが出る時に一緒に部屋から出る。んで、ジョエルと俺の2人で街中でのんびり散歩してると、ジョエルが誰かと念話してやがる。

んで、街の裏通りに入ったかと思うと、気配の薄いやつを、3人ほどのしていた。姐さんに頼まれた、その3人の後処理が面倒だから、

クルス「はい(はい)、お仰せのままに。」

って言って、気絶させたまま、汚物処理のスライムのいる穴に放り込んでおいた。

ちなみに、このスライムは放り込まれた当初は普通のスライムだが、すぐに猛毒を持つようになるので、強くならないよう3ヶ月ごとに魔法で焼き殺され新しくされるらしい。もちろん、生きたスライムを調達するのは冒険者だ。

そんなスライムのいる穴ん中に放り込まれた3人が死ぬのは早かったけど。

そんで、姐さんのそばで、のんびりしてると、いきなり、知り合いの魔力が現れた。

たぶん、結界の張ってある建物から出たんだろう。

何ヶ所か、結界があるのはわかってたから。

感知に雪女(ササメ)が引っかかって、何してんだって思った。かなり弱ってたから。魔力も少ねぇし。

そっちに風飛びして声かけたら、倒れる寸前だった。

魔力回路も、一目見てズタボロだったし。

むしろ、こんだけ無茶したのにも拘らず魔核がまだ、保たれている方に驚いた。

クルス「しぶといな…。前んときと、罅割れ具合が変わってねぇとか。…しかし、何やって、ここまで魔力回路が傷んでんだ?」

まぁ、とりあえず、宿に運ぶか、地下に運ぶか…。


ササメ「しぶといって!やったー!!ユウリ!私ね、死ににくい奴なんだって。」

ユウリ「うーん、いや確かにそういう意味だけど…なんか、素直に喜べないよ…。」

ササメ「?なんで?」

しぶといって、ゴキブリとかの、害虫・害獣に使われるんじゃないかと…。

ササメ「な、ナンデスト!!私、害虫?!害獣?!…しかも、ゴキブリと…あのゴキブリと同じ扱い…」

あ、ショック受けて泣き出した。

ユウリ「コラ!解説…もう少し、違う説明の仕方がなかったのか?泣かすなよ…。」

えっと…コレ…ワタクシのせいですか?!

ああ、でも、他の国とかでは間違ってないかと…ほら、人間至上主義国とかだと、魔物は、すべからく、害獣扱いですから!!

ユウリ「!フォローそっち?まちがってない?」

クルス「龍は、神として崇め祀って居る国もあるけど流石に雪女はないからな。ハハッ。」

ひえっ、クルスさん…あの、逃げ…

ユウリ「…お前ら、そこになおれ!俺が直々に手を下してやる。」

クルス「ああ''?お前なんかに捕まるかよ!ヘッ…えっ!」

ササメ「ユウリ…必要ないよ…ウフフッ。そっか。私ね、クルスさんにそんな風に思われてたんだ?」

あ、あ、足元から氷が、う、動けない。

クルス「いや、あ、あのさ…思った事が口に出ただけで、なにも、ゴキブリとか言ってないだろ?なぁ?」

……………。



ユウリ「…ああ、氷の彫刻が2つ…。ササメを怒らしたらダメだな………。」 ガクブル

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