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雪女と少年  作者: 干からびた芋
142/163

ユウリside

ヤッホイ!やっと本編戻ってきたよ。

ササメ「テンション高いね~。でも、うれしい時って、そんなもんだよね!!」パチン。

イエーイ!ササメちゃんとハイタッチ!!

ユウリ「さ、ササメちゃん!!」

おお!!後ろからめっちゃ抱き着いております。

ササメ「ゆ、ユウリ。どうしたの?は、恥ずかしいよ、人前で…。」

ユウリ「ここでだけでもササメ成分の補充させて。本編じゃ触れることさえ出来ないんだから。」

ハイハイ、2人の世界へ行ってらっしゃーい。

ぼんやり、薄灰色の布の天井。ササメの居る、救護所の天幕。

ユウリ「あれ?俺…」

どうして、こんなところに……。

「あ。気がついた?ユウリさん。」

エレナさんが居る。嬉しそうに笑って、近づいて来る。あれ?交替だったっけ?

起きようとして身体を起こすと、頭痛と、軽く目眩を起こす。貧血気味のようだ。あれ?どうして?

ササメが危なかった事を思い出す。

ユウリ「あ…。」

急いで立ち上がろうとして、感覚の伴わない脚がもつれる。視界は黒く光はチカチカしていた。でも、ササメの居る所に行きたかった。契約があるから、生きているのは、わかってても、無事な姿を確認したかった。感知を広げて、どこに居るかはすぐにわかったけど。生かされてる理由も、安全なのかも、何もわからない状態で離れていたくなかった。脚の感覚が一気に抜けて倒れかけた時、ベットに押し戻される。

「ったく、世話かけさせんじゃないわよ。アンタは、此処に居て、これを飲む。あの雪女なら、とりあえず、殺されることはないから。」

多分、この声はカトリーヌ、かな?

視界が戻って来ると同時に(むせ)る。口にいきなり液体を一気に流し込まれたのだ。乱暴だな。

カトリーヌが離れていくのを視界に捉える。多分コップを片付けに行ったのだろう。

確かに、この状態では行けないか。さっき、増血剤(中途半端に苦くて酸っぱい独特の味だからすぐにわかる。飲んだことがあれば、だけど。)を飲まされたから、普通に動けるのにまだ、暫くかかる。なので、俺が倒れた後の状況の説明を求めた。

エレナ「あのね、私達が隊長…えっとジャンさんに呼び出しされた時には、雪女さんもユウリさんも倒れてたから…。」

俺は怪我を治された無傷の状態で、ササメは怪我を負った状態で重なって倒れていたらしい。オーク化しかけてたのは、その症状が全くなかったらしいので、なんとか、雪女として留まれたのだろう。救護所に運ばなかったのは、微量の悪い魔力にも触れさせないようにしたかったのだろう。此処には、オークによって負わされた怪我人が運び込まれるから。

増血剤を飲んだから、魔力はそっちに使われて、あまり回復はしてない。けれど、もう、動いても大丈夫そうだった。

カトリーヌ「あと、もう2(こく)ばかりで交替時間だから、忘れないで行きなさいよ。」

止めても、無駄だと思ったのだろう。カトリーヌが、そう声をかけてきたので、返事を返して、2人に礼を言って、足早に酒場に向かう。

街は、微妙に出歩いている人は少ない。警戒しつつ、いつも通り過ごしているって所なんだろう。何かあれば逃げ出す算段はつけているのだろう。

酒場に入り、ガヤガヤする横を通り抜け、階段を登る。ササメの名を呼びながら、勢いよくドアを開ける。

部屋は寒かった。ササメが、ベッドの上の液体の中で、寝ている。

怪我は、もう治っている。ホッとしながら、液体に手を伸ばす。ササメに触れたかった。

「ダメ。起こさないで。動かせば、魔核が壊れる。」

頭に直接ひびく。念話…今の声は…メキルさんだったかな…?

「ササメの状態…そんな悪いのか?」

「かなり。無理して貴方を完全回復(聖マホウをつかった)したから。そのお陰で、オーク化しなかった。でも、元々の魔核の罅が拡がった。いつ、消えてもおかしくないくらい。」

「…そう…か。…触ることも、ダメか?」

「…悪いけど…。今でも、無理に寝かしつけてる。この子、元々かなり無茶する子みたいね…。」

ササメの寿命が、もう長くない事は知っていた。

俺は、覚悟を決めていた筈だった。

けど、全然ダメだ。ササメが死にかけている事も、そんな状態をなんとかできない俺自身にも、愕然としてしまう。

「側に…居させてくれないか?」

「…寒くても…別にいいなら。」

(コク)の間だけでも、近くに居たかった。それが終れば、オークを近づけさせない。今、俺が出来るのはそれしかないのだから。

「…ごめんなさい。…貴方達が、攻撃されてるの、黙ってみてた…。」

メキルさんが申し訳なさそうに言った。俺は首を横に振る。

「いや、メキルさんが介入しなかったのは当然だし、今は、ササメの治療をしてくれてる。…むしろ、ありがとな。」

そう言ってから、部屋にある自分のバッグを漁り、魔力補充液を飲んで毛布を被って遮温結界を貼り、ベッドの横に陣取って、ササメの横顔を時間が来るまで眺めていた。






あれ、ユウリはササメがスライムに捕食されてるって思わなかったの?慌ててなかったけど…?

ジャン「そういや、そうだねぇ。ユウリ君って、捕食されかけたこともあったはずだよねぇ?この報告書みると。」

ユウリ「えぇー、だって街中に野生のスライムがいる筈ないでしょ。それに、治療用スライムは、冒険者の間でテイムされる事もよくあるみたいで、ギルドじゃたまに見かけるけど?」

ジャン「あ~、そうなんだ。便利なら、軍にも提案させて貰おうかなぁ?」

マック「あ~、ムリムリ!確か、治療に役に立つまで育てるのに、魔石だいぶ居るらしいぞ?餌代は、かからん代わりにな。」

ジャン「うわぁ……金食い虫?」

マックは、よくそんな事知ってたね。

マック「力をつけるために何が向いてるかわかんなかったから、そん時、ひと通り科目取ったし、テイム科も受けてたからなぁ。」

あ~、貴族で一応勉強してたんでしたっけねぇ?あれ?ジャンさんも通ってたハズでは?

ジャン「アハハ、テイムなんて興味なかったから、受けてなかったんだよねぇ、その科目。」

ユウリ「ところでさ、本編でも殴る気満々だけど、ここでも、ちょいと殴らせてくれるかなあ?ジャンさん。」

ジャン「んん?殴られる理由が無いと思うなぁ?だって、僕は悪くないよ?」

ユウリ「うん?俺にとっては、ササメを傷つけた時点で悪者なんだよ!!」

うおおお!!ユウリ、ダッシュしながらラッシュラッシュ!!しかーし!ジャンさん、余裕で笑いながら、避ける避ける!!

マック「…そんだけ元気なら、お前らオーク倒してくれよな。んで俺が休むぅううう!!!」

いや、どうせなら、もっと活躍しろよ、青年(マック)!!

お前、本編でもほとんど出てきてないからな?!


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